カテゴリ「Thinking」のエントリ

オブジェクト倶楽部2010夏イベントで講演してきました

オブジェクト倶楽部2010夏イベントの「ぴちぴち若人トラック」に29分の枠をいただき、講演してきました。運営の皆さま、参加された皆さま、どうもありがとうございました。

講演について

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27歳のボクですしね、いざ講演に臨んでみると「ぴちぴち若人」というよりは「ふわふわアラサー」な内容だったかと思います。

24歳まで続いた学業を終えて、就職のために東京にやってきてから2年と少し。毎日、お仕事しながら、お仕事以外の活動を続けながら、自分と向き合いながら、先人たちの姿を見ながら、考え始めては思考の沼にハマりがちな「どうやってこの世界を生き抜いていくか」について。現時点での自分の考えを90枚の背景画像とともに話す機会となりました。

講演では、みっつのキーワードとして「Life / Work / Profession」を置きました。

自分のまわりを見渡してみると「個性を輝かせて生きている人は美しい。こんな人たちが増えたら嬉しい。願わくば、自分もそうありたい」と思わされるときがあります。どのように暮らし、どのように働き、どのように生き続けていくか。自分らしく生きていくために、何を大事にしたらいいか。答えは分かりません。これからもっともっと考えていくことになるのだと思います。

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http://www.flickr.com/photos/hsbt/4798417445/

イベントについて

関将俊さんの招待講演「ファッションと実践」

聞けて本当によかった。ここで聞いたお話は、持ち場に戻ってじっくり考えてみたいことで溢れていました。さらにお話を聞こうと、講演後に関さんのところに行ってみると、関さんはしきりに「何も考えていない」と言っていました。むー。むむー。

ちょっとだけメモ。

  • 9時から18時だけ自分の理想とする開発者の役を演じてくださいませ
  • 方法論は実践の模型である
  • 今の自分たちは「チーム」なのか「グループ」なのか
  • 言いにくいんだけど、仕事だから言ってみっか
  • 関さんは、どのようにして自分に憑依させるイマジンを見つけたのですか

あとはそうだな、フィードバックのお話もありました。フィードバックを絶やさないこと。フィードバックがあれば変われること。

ぴちぴち若人トラック

自分の他にも何人かのアラサー芸人や、下はぎりぎり昭和生まれな人まで、色んな人の色んなお話が聞けてとても面白かったです。もっと多くの人の「俺の話を聞け!!」に出会いたいですね。生きている人間のお話を聞くのは面白いです。

特に、角掛くんの潔さと勢いの込もったトークと、nsgc さんの「アイイーロクガー アイイーロクガー」の現場のお話が印象に残っています。

ライトニングトークス

どれも面白かったです! ポケモン UML の「1..40億」はすごく笑いました。建築の「納まり」のお話にはヒントがありそう。g1983ers で出会った goyoki さんのガチなテストのお話も、ようやく聞くことができました。とても面白かった。

まとめ

講演のお誘いをくださった三村くん、どうもありがとうございました。講演タイトルを提出してリジェクトされそうになったときや、持ち時間が29分になってタイムテーブルがぐちゃぐちゃになったときは、講演を辞退しようかと思ったりもしました。でも、引き受けてよかったです。考えを整理する絶好の機会となりました。どうもありがとう。

運営の皆さま、素敵なイベントをどうもありがとうございました。オブラブのイベントに参加するのは今回が初めてで、運営のクオリティの高さに驚きました。勉強させてもらいました。安心して参加することができました。

発表者の皆さま、興味深いお話をありがとうございました。「ぴちぴち」以外の「わくわく」「すくすく」の講演も聞きたかったです。またオブラブのイベントに参加したい!

会場でお会いしたすべての皆さま、どうもありがとうございました。またよろしくお願いします!

結婚カンファレンスに参加してきた

祝福しろ 結婚にはそれが必要だ

祝福しろ

平成22年5月2日、庄司嘉織さんと永田祐子さんが結婚されました! これを記念して、結婚カンファレンスを開催します。 同じ業界の二人だからこそ実現した、披露宴でも二次会でもない、 結婚カンファレンス、略して「keccon」! たくさんの方々にご参加いただけることを新郎新婦が希望しておりますので、 ぜひ、ご参加ください!

Keccon2010

2010年7月3日(土)に開催された結婚カンファレンスに参加してきました! 当日スタッフとして、会場の設営やお片付けをお手伝いさせてもらいました。とっても貴重な体験だったと感じています。すっかり日が経ってしまいましたが、参加記録です。

おふたりとの関係

新郎の yoshiori さんのことは、しばらく前から一方的に知っていました。RubyKaigi や JJUG で発表の場に立つ yoshiori さんは、なにしろあの髪の色ですしね、一度見たら忘れられなくなる存在です。

きちんとお会いして挨拶できたのはJOJO勉強会のときです。yoshiori さんが第5部の担当、ボクが第3部の担当でした。気が付いたときには、握手を交わしていたと思います。

ATND

新婦(≠神父)の ngtyk さんのことも、しばらく前から一方的に知っていました。最初に存在を認知したのがいつなのか、はっきりと思い出せませんが、2008年に東京で開催された高専カンファレンスの LT では、ボクも発表者として ngtyk さんにドラを頂戴しています。そういえば、浅草を案内してもらって、どじょうを食べたことがありましたね!

どじょう鍋

煙の御利益

嘘みたいにおめでたい場

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(http://www.flickr.com/photos/kakutani/4759408664/)

今の気持ちはなんというか・・・ああ、ほんとに終わってしまったんだな、という感じ。寂しいです。だってだってなんなのアレ?奇跡すぎるじゃないですか!カンファレンス形式でやりたいっていう私達のワガママを、スタッフのみなさま・目黒雅叙園のみなさま・参加者のみなさまが200%叶えてくださるとか、もうどうかしちゃってる。日本始まってる。「大きくなったらお嫁さんになるの・・・☆」って言ってたょぅじょ時代のあたしがビタイチ想像してなかった、想像もできなかった、奇跡の時間と空間。カンファレンス中はいい意味でいっぱいいっぱいであっという間に終わってしまった感じだけど、思い返すたびに、奇跡としか言えないなと思う。どんな形であれkeccon2010に関わってくださったすべての方に感謝します。奇跡を起こしてくださってありがとうございました!!!

今日ほどタイトルに悩んだ日記はない(keccon2010を終えて) - ナガタユウコオフィシャルブログ

奇跡すぎて、すんごい自惚れたこと言っちゃうと、結婚カンファレンスはもう二度と開催できないんじゃないかとすら思う。

今日ほどタイトルに悩んだ日記はない(keccon2010を終えて) - ナガタユウコオフィシャルブログ

「奇跡」という表現がピッタリな、嘘みたいにおめでたい時間と空間がありました。あそこにいた人たちは、きっと所属も趣味も考えていることもバラバラ、結婚関係のイベントでは有り得ないくらいに服装もバラバラで、だけど、幸せそうにしている yoshiori さんと ngtyk さんをお祝いするという点においては… いや、それすらもどうだったか分からないくらい。どうしてあのイベントは成立していたんだろう。帰り道で、そんなことを考えていました。いくつかのイベントの運営に関わってきた人間として、結婚カンファレンスの成功は、奇跡としか言いようがないと感じました。

ひとつ、参加者の皆さんのイベント力が相当に高かったことは、成功要因だと思います。よく分からないドレスコードで、何を着ていっていいか当日スタッフすらも把握できていないカンファレンスでしたが、「なんか想像していたのと違う」などと文句を言ったりせず、その場を見てその場を楽しもうとする参加者の皆さんのスタンスは、場に柔らかい雰囲気をもたらしていました。「結婚カンファレンスってなに??」と聞かれたところで、誰も経験者はおらず、答えられないわけですからね、参加者の皆さんの協力があって、あの場は成立していたのでしょう。さすがカンファレンス力の高い新郎新婦のもとに集まった人たちです。素晴らしいことです。

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http://www.flickr.com/photos/koichiroo/4760241855/

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http://www.flickr.com/photos/recompile_net/4758853691/

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http://www.flickr.com/photos/darashi/4803335019/

「持ち寄り」

この日を過ごしてみて、改めて、自分は「持ち寄り」という考え方がとても好きなのだと実感しました。結婚カンファレンスは、参加登録が自由、コンテンツとなる Lightning Talk も公募でした。それぞれが、持ち寄りたいと思うものを持ち寄って、全体が形成されていました。「与える側」と「与えられる側」がいるのではなく、それぞれが、自分にできることを持ち寄って場に寄与する。美しい世界だと思いました。

まとめ

おふたりとは、それぞれに面識があったので、ぜひ参加したいと思いつつ、自分が参加しちゃってよいのだろうかと迷っているところに、当日スタッフのお誘いをいただきました。おかげで、堂々とあの場に居合わせることができました。奇跡の場に居合わせることができて、新郎新婦と同じ奇跡を体験することができて、本当にラッキーだったと思います。どうもありがとうございました。

yoshiori さん、ngtyk さん。この度は、ご結婚、おめでとうございます。どうぞ末永くお幸せに。

2010年に想いを馳せる「After Web2.0」

はじめに

先日、お仕事の一貫で Web の近況についてまとめていて、そういや Web2.0 ってなんだったっけ、ってことを改めて考える機会がありました。そこで得られた知見や、描かれた図表が面白いものに仕上がったので、このブログにも載せておきます。

ここ数年の Web をずっと見てきた人にとっては、何も思わずにはいられない素材になっているかと思います。

成果報告資料から抜粋

What Is Web 2.0

What Is Web 2.0

「Web 2.0 の7つの特徴」も、改めて噛み締めてみるとなかなか味わい深い。文面だけ見て「今は状況は変わった」と言うことはできるけれど、本質的な部分は充分に語られている、という印象です。

The Trend Of The Web

ボクらのチームメンバーで1時間くらいかけて洗い出したコンシューマ向け Web サービスを、サービス開始時期を調べて年表っぽくしてみました。2000年、2004年、2006年、2008年と、等間隔ではない線をなんとなく引いてみたのですが、ここにトレンドの変化があると考えています。例えば、2007年には iPhone が登場しているんですよね。そこから先は iPhone 以後の世界として捉えることができます。2004〜2006年あたりの「もう全部 Web でできる、ブラウザがあれば事足りる」な風潮を思い出してみると、iPhone や iPad が躍る2010年ってのは面白いですよ。

Workshop 1

Workshop 2

さまざまな角度からここ数年の Web を切り取った資料を題材に、参加者みんなで意見を出し合うワークショップを行いました。

Web 1.0 => Web 2.0 => ???

この表を見てください。Web アプリケーションの様相の変化を「Web 1.0 での○○は、Web 2.0 では□□に置き換わった」と表現したものです。例えば [6] の personal websites は blogging に変わり、では、そのあとどうなったか… なんて考えてみると、発見が多いです。ボクは [11] [12] [14] あたりがグッときました。

おわりに

「Web があればなんでもできる!」と湧いた Web 2.0 の大ブームから数年が経過し、今になって当時を振り返ってみると「視野が狭かった」ように感じられます。Web そのものの進化、新デバイスの登場、ユーザ文化の変遷などなど、あらゆる変化を受けて、2010年、Web は今の形をしています。皆さんは、Web 2.0 を振り返ってみて、2010年の今に何を感じるでしょうか。

「Me2.0」を読んだ

日経BP社の矢崎茂明さんからご献本いただきました!大変光栄です!

4822248054 Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」
土井英司
日経BP社 2010-04-29

by G-Tools

同封されていたお手紙がかわいかった!矢崎さんかわいい!「via 宅急便」かわいい!

献本

300ページほどを一気読みして感じたことを書きます。

概要

本書の副題にも「自分ブランド術」という言葉が出てくるように、個をブランド化する意味、ブランド化する方法、ブランド化したときに得られるものについて書かれた本である。これまで、企業が自社製品の販促のために活用してきた種々の手法を、個人が自分を売り込む場合に応用し、自分ブランドを「見つける」「つくる」「伝える」「管理する」という4つのステップに整理して説明している。

書かれていることの背景には「欧米文化」があると感じていて、P.326ページからの「訳者あとがき」においても「米国的な価値観」という表現で言及されていた。日本人のボクらが読む場合、その分は差し引いて考えるべきだろう。Facebook や LinkedIn の例にみるような、実名登録を基本とし、オンライン履歴書と人脈発掘の場として SNS (Social Networking Service、Social Networking Site) を活用する文化は、日本ではいまいち浸透していないように思える。

とはいえ、ブログや Twitter を取っ掛かりにしたリクルーティングの例は、ここ日本でも少なからず散見され、2010年の今、特別に珍しいことではない。いくつか実例を挙げてリンクを張ろうかと思ったが、数年前の出来事だったりしたのでやめておいた。つまりはそういうことで、もう変化は「起こった」ことだ。

パーソナルブランディングの「成功」とは

本書の言う「成功」は、ひとつの究極形である。

パーソナルブランディングの観点からいえば、成功とは「自分が心から楽しめることをして収入を得ること」だ。

自分ブランドをポジショニングする (P.171)

ボクも、過去にこのブログのエントリ「高専カンファレンス2008 Winter in 東京」に参加してきた (自分編)で「自己ブランディング」に対する考え方を示した。しかし、本書の指す成功が「山の頂」だとすれば、ボクが指していたものは「山の3合目」といったところだ。

確かに、好きなことを仕事にしてゴハンを食べていこうと思えば、本書に書かれているように「独自ドメインを取得して、そこでブログを書き、SEO までしっかりやろう」等を意識的に戦略的に実践しても大袈裟ではないだろう。一方、ボクはもう少しお気軽なものを扱いたくて、例えば「自分の好きなものについてブログに書いたり Twitter につぶやいたりする」ぐらいでよくて、その結果、同じ趣味を持った人と出会えたら十分に嬉しいことだし、ブランディングが成功したと言ってよいと考えている。Web をエコーチェンバー(自分共鳴装置)として活用するってことだ。これならすぐにでも始められるし、ガンバって始めようと思わなくてもそれを実践してしまっている人はたくさんいる。

そんなふうに、学校の教室で気の合う友達を見つけるくらいの感覚で自己ブランディングを進めていく人々がいる、そういった時代を生きている、ってことに気が付くのがとても大事なことだ。本書にも「個人名刺は作った方がいいよ」とアドバイスが書いてあるが、そんなことは、ボクが参加するカンファレンスや勉強会で出会った若い子たちは、誰に言われるでもなく感覚として理解している。

逆に、発見したこと

自己ブランディングのために「イベントを開催しよう」「その写真を Flickr に写真を載せよう」「使用された資料は SlideShare で共有しよう」なんてアドバイスも、息を吸うように体現できている。思えば、このブログを開設しようと考えて下準備していた2006年の春頃、あの頃からボクの自己ブランディングは本格的な歩みを始めたのであろう。「○○さんのブログに憧れて、ボクも始めてみました」自分の手本になってくれそうなブログを3つ見つけて、挨拶のメールを送ったのだった。それから今日まで、身近なところに「この人の、こういう部分に憧れる」を見つけては目標を設定し、そこに近付くために動いていたら、今の自分になった。

前進の過程で「Web を活用する」のは、ボクにとっては、とても自然なことだった。少し前に同じ年のお友だちと話したとき「大学生と話していると、目標となる大人がいないって嘆いている」と聞いた。Web エンジニアの道を行くボクにしてみれば、目標となる人は Web 上でたくさん見つけられる。また、ボクが会う学生の子たちにもこれは当てはまらない。技術者の卵である彼ら彼女らには、勉強会等のイベントが、将来を考える上で重要な役割を担っており、嘆かなくても済む状況を生み出している。

だとすれば、だ。ボクが本書から学び取るべきことは「自分や、自分のまわりの人たちが、自然に体現できていることは『実は』新しい時代の生き方なんだ」ということである。「実践しよう!」と書かれていることのほとんどはすでに実践済みであった。では、その効果はいかほどであろうか。ひとつ、効果の例を挙げるとすれば「この本を献本していただけたこと」である。矢崎さんは、2007年にボクがとあるコンペティションに出場したときにお世話になった人で、それ以来、ボクの活動を支援してくれている。その矢崎さんがこの本を送ってくださったのは、ボクが、矢崎さんにも見えるように活動を続けてきたからに他ならない。矢崎さんに、大和田純の生き方(ブランド)がいくらか伝わり、この本に触れることに意味があると思っていただけたのだろう。そう理解している。

移動中

矢崎さんと遊んだ日

また、自分にとっての「自然で普通な生き方」が、上の世代や分野の異なる世界で「新しい生き方」であるならば、その人たちとの「上手な接し方」は身につけておいて損はなさそうだ。

心に響いたメッセージ

もしかしたら、自分は本書の対象読者像から少し外れるのかもしれない。と感じたところで、それでも心に響いたメッセージはたくさんあったので、いくつかピックアップしてメモしておきたい。

こうした刺激的な変化の中から、新しいタイプの労働者が姿をあらわした。彼らはインターネットを、世界に興奮をもたらし自分にエネルギーと力を与えてくれるものと見なし、変化を起こしたくてうずうずしている。この自由で新しい世界を切り開いていくのは、自信と意欲にあふれ、新しいテクノロジーを使いこなす能力を持ち、強力な自分ブランドをつくることで自分を打ちだし、目標を達成しようとしている人々だ。

はじめに (P.8〜P.9)

当時の私は個人としても、ビジネスパーソンとしても、さまざまな疑問や社会的圧力を感じていた。自分は何者なのか、どんな服を着て、どんなふうに人と接すればいいのか、人生で何を成し遂げたいのか──こうした問いへの答えを私は何年も考えていた。ひとつのキャリアパスを選ぶのが怖かった。他のチャンスを失うような気がしたからだ。雇用市場にも不安を感じていた。私の人脈は貧弱で、資金もほとんどなかったので、思い切った行動をとることもできなかった。当時の私は、おそらくあなたとほとんど変わらなかっただろう。

挑戦し、その結果から学ぶ (P.139)

「これが私のブランドだ。私はブランドに燃えるような情熱を感じている。私の成功を邪魔できるものは何もない。あきらめることなんてありえない。途中で放り出せるほど、私の未来はさまつな問題ではないのだから」

Me2.0の成功者たち (P.299)

最初の一歩を踏み出すなら、今以上のときはない。

Me2.0の成功者たち (P.300)

これはあなたの人生だ。ならば助手席ではなく、運転席に座ろう。

今日から始めよう! (P.313)

余談

最後に、本書の内容から少し離れて、余談を加えておきます。

4月のはじめに、お友だちが「読んでいて君のことを思い出した」と言って渡してくれたのは、佐々木俊尚さんの著書ネットがあれば履歴書はいらないでした。この本と Me2.0、構成はとても似ていました。立て続けに2冊の本がボクのもとに「やってきた」のです。

どちらの本にも時代背景の描写があって、そこには「終身雇用制度は崩壊した」とか「大企業の看板を背負っていれば安心、という時代は終わった」とか、ボクの口からは絶対に出てこない内容がきちんと整理されていて助かります。あぁ、そうなんだなぁと思います。

ボクは、生きる上で、時代背景なんてまったくと言っていいほど考えていません。ただただ「しっくりくる」ものを選んでいるだけ。「今はこういう時代だから、こういうことをしておいた方がいいよ!」「就職に有利だからブログはちゃんと書いておいた方がいいよ!」なんて、口が裂けても言いません。みんなそれぞれ、自分に合った楽しい生き方を選んだらいいだけだと思っています。もしボクの生き方が楽しそうに見えるんだったら、お話できることはあるので、お話しましょう。

前の世代のことは分からないし、ガンバったとしてもせいぜい知識が身に付くくらいで感覚は得られないだろうと、ほとんどあきらめています。でも、感覚を持った人のお話を聞くのは好きなので、傾ける耳は持っています。

ちょうどこの本が手元に届いた頃、今後のキャリアのことを考えて悩んでいて。本の内容から直接、ってわけではないのだけれど、本の内容から拾い集めたキーワードについて考えていたら、悩みがひとつ解決に向かいました。だから個人的にお礼を言いたいです。矢崎さん、どうもありがとう。

関連エントリ

「情熱プログラマー」を読んだ

ある朝、気まぐれにいつもより早く家を出ようとしたら、覚えのない郵便物が届いた。何かなぁと思ったけれど、宛先は確かにボクだったので受け取った。中身は「情熱プログラマー」だった。差出人の記載はなく、とにかく「自分はこれを読むべきなんだな」と理解した。よし、読もう。

情熱プログラマー

飢えと乾き

働き始めて、給料をもらいながら生きるようになって、もうすぐ丸2年になる。この2年でボクは何を成しただろうか。足が前に出ている実感はある。少なくとも、同じ場所に留まり続けてはいない。じゃあ、その足はどこに向かっているんだ。自分の向かいたい場所に向かっているだろうか。自分がたどり着きたい場所に近付いているだろうか。

ときに自分を見失うことがある。

ボクの能力は、ある方向には伸びていても、別のある方向には伸びていない。そんな風に感じることがある。そして身の回りの何人かから「君の力じゃ物足りない」と立て続けに言われ、悔しいけれど返す言葉もなかった。美味しい料理とお酒では癒せない飢えと乾きに襲われた。

「もっと成長したい。自分を上へと押し上げるだけの力が欲しい」

もちろん、祈るだけでは何も手に入らない。この「情熱プログラマー」には、すぐに実践できる戦術がたっぷり載っていて、今の自分には大変ありがたいものだった。

内容メモ

特にグッときたのは「19: 今すぐに」「21: デイリーヒット」「24: 今日どれだけうまく仕事ができるか?」「25: 自分にどれだけの価値があるか?」「27: 保守作業の真価を知る」「28: 8時間燃焼」「32: 言って、成して、示す」「52: 昨日よりよく」あたり。

ボクが身を置いている労働環境は、この本の中で言われている「システム開発」の文脈から見ると少し特殊なので、これらを書いてある通りにそのまま実践すると効果が低そうだ。自分の環境において考慮しなければならないことはなんだろう、ひとつの工夫を取り入れれば自分の環境にも取り入れられそうだ、なんて適応を考えるのは、それ自体に価値が宿るように思えた。

日単位でも週単位でもいいから自分にとって適切な単位で目標を設定し、その達成状況を追跡調査するだけで、自分の行動を大きく変えることができる。目立った成果を調べ始めると、自分の行動をビジネスにおける価値に基づいて評価し、優先順位をつけられるようになる。

21: デイリーヒット (P.72)

うむ。目標を設定することと、目標が達成されたかを明確にすること。

退屈な仕事を同僚との競争に変えよう。そして誰がうまくできるか確かめる。

24: 今日どれだけうまく仕事ができるか? (P.80)

毎日の仕事が退屈だって言っているんじゃあない。仕事の中には、自分が退屈に感じてしまうものもある。そいつすら楽しくこなせるようになれば、仕事の質が上がるはずだ。

僕がこんなふうに考えるようになった頃のことを今でも思い出せる。最初の頃は、寝ても覚めてもそのことしか考えられなかった。1ヵ月くらいすると、こう思うようになった。「今月、僕は何を生み出しただろう?」そのうち1週間とか1日の単位で考え始めるようになった。「今日、僕には価値があっただろうか?」

(途中略)

給料の2倍を忘れるな。年間で少なくともこの数値を上回るまで決して逃げちゃいけない。

25: 自分にどれだけ価値があるか? (P.82)

仮に僕が君に10万円を手渡してコーヒーを1杯持ってくるように頼んだとしよう。君が10万円を使ってしまって、しかも手ぶらで戻ってきたら、僕はがっかりするだろう。本当においしいコーヒーをたっぷり持って帰ってきてくれた場合でも、戻ってくるまでに2時間かかったとしたら、やはりがっかりするだろう。逆に、お金を全く渡さずにコーヒーを1杯持ってくるように頼んだとする。そしたら実際にコーヒーを持って帰ってきてくれただけで心底感謝するだろうし、そのまま戻ってこなかった場合でも仕方ないって理解を示すはずだ。プロジェクトの仕事は、この例でいえば前者だ。保守作業は後者に似ている。

27: 保守作業の真価を知る (P.87)

「メンテナンスだって自由で創造的にやれる」とも書いてあった。これも改めて教訓。「これは退屈な仕事だ」と感じてしまうのは自分であって、仕事の内容がすべて悪いわけではない。逆に、他のみんながやりたがらないような作業に積極的に臨み、そこに創造性を与え、言われなくともコーヒーを持ってくるような仕事ができれば、価値を生み出せるはずだ。

Bob Martin の8時間燃焼の考え方は、開発者に制約を課すとともに、その制約に対処する方策を示している。毎日、職場に着いたら、使える時間はわずか8時間!やって、やって、やるしかない!という気構えで作業に取りかかる。開始と終了の時刻に厳しく制約が課されていると、時間をきちんと管理して、より有効に活用する習慣が自然と身に付いてくるだろう。

28: 8時間燃焼 (P.91)

計画に組み入れるすべての項目には、その後どうなったかを書き込めるようにする。これは絶対に忘れないでほしい。どの項目についても、完了したか延期されているか削除されたか別な項目に置き換わっているかが目に見えるようになっていないといけない。どうなっているかわからない項目を残さないこと。

32: 言って、成して、示す (P.104)

今の自分のやり方に、よくないところがひとつ見つかった。計画を示し、完了したものはリストにしているが、「やる!」と言ったけどうやむやになったものは可視化されていない。自分の弱点を知る機会を逃していたと言える。今日からは、計画時のリストと、実際にどうなったかのリスト、常に2つを持つようにしよう。

小さな改善で満足することも大切だ。「単体テストへの取り組みの改善」という目標に近づくには、昨日より1つ多くテストを作成するだけで十分。初日がゼロだとしたら、毎日昨日より1つ多くテストを作成するくらいなら続けられる。そして、これ以上は無理というところまでくれば、「単体テストへの取り組みの改善」は達成しているはずで、もう改善を続ける必要はない。

52: 昨日よりよく (P.163)

仕事における「成果」と「満足度」は必ずしも正比例の関係にはならないと、今のチームで過ごす日々の中で体験として学んだ。「目標を10にした日の成果10」と「目標を50にした日の成果10」は、成果の大きさが同じでも満足度は同じにならない。目標設定はとても大切だ。そして、満足度はバカにしてはいけない。心を健全な状態に保っていないと、単調な作業はこなせるかもしれないが、創造的な仕事はできない。

思考メモ

著者の Chad は、本書の中で、しばしば彼自身の「ジャズミュージシャン」としての体験談を語り、その度に「ミュージシャンとプログラマのキャリアには似ている点がある」と主張する。ボクもプログラマってのはアーティストやアスリートに似た性質があると感じていて、つまりボクらは、コードを書いている間だけプログラマってわけじゃないってこと。きっと他の多くの職業でもそうだと思うんだけど、仕事とそれ以外を「完全に」切り離すのは難しい。

日々を楽しくしようと思ったら、仕事を楽しくするってのはひとつの方法だ。だけど、ただただ「楽しくなるようにがんばれ!」と言うのでは、1冊の本にはならない。

本書のひとつひとつの項目を、自分は「動機付け」の話として理解した。今の自分の立ち位置、明日の居場所、将来の到達点。それぞれに与える意味と、そのときに体現されることと、プログラマとしてのキャリア。そしてどこに向かうにしても、ボクらの体を前に進めるのは「情熱」であると。

これからを生きる自分に、熱いものを与えてくれる本でした。ありがとうございました!