今年度に入ってから，Webがとにかく楽しいものになった．昨年度はというと，Webは便利なものであったり，人類を崇高なる知的社会へと連れて行く乗り物の雛形だと感じたり，ボクは今よりはもっと難しいことを考えていた．
「GoogleのPageRankのおかげで探している情報に簡単にたどり着けるようになった！」「ソーシャルブックマークで良質の記事を発掘！」「群衆の叡智でWikipedia！」そんな流れでWebがどんどん賢くなっているような感じがして，次はどんな素晴らしい文明の利器がボクらを驚かせてくれるのだろう，とか思ってワクワクしていた時期があったはず．
それじゃあ，今どうなっているかというと！「これからゴハン食べます！」とか誰に向けるでもなく言ってみたり，大量のおっぱい画像を集め続けてみたり，お風呂上がりでズボンもはいていない自分の映像を配信してみたり，している．そしてこんなどうでもいいような行為が，たまらなく楽しいから困ったものだ．
twitterを，tumblrを，ustreamを使い続けても，Webはなかなか賢くなってはくれないだろう．少なくとも現段階ではそう思う．つい半年前くらいに描いていたWebの理想像はどこへいったのやら．
先週，とある大先生と話していて，こんなことを言われた．「Webがいくら賢くなっても，人間が賢くならないようじゃ意味がない」ボクはハッとした．大きく回り道をしてきたのかもしれない．
twitterを使って何かできないか，真剣に悩んだ人はたくさんいる．そうしてたくさんの価値が生み出されてきた．tumblrとは何か，reblogとは何か，ボクも考えてみた1人だ．ustreamを利用した新しい遊びが生まれたり，Webにおける個人のあり方に影響が出たりしている．みんな，目の前にあるキラキラ輝いたおもちゃの楽しみ方を知ろうと必死じゃないか．人生を精一杯楽しもうとする人間たちの，なんと賢いことか！
効率的にデータを集めたり，文章の意味を解析したり，そういった技術の進展は，ボクらの未来を明るいものにしてくれるだろう．このことは疑うべくも無い．ただボクは，Webに関わる人間として，これからのWebがもっともっと楽しい方向に進んでいってほしいと願おう．
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