こんばんわ,june29 です.
ここ cameraLady を読んでくれている方は,ボクが Web 大好きっ子で,特にソーシャル系のサービスが好きで,たまにプログラミングっぽいことをしている人なんだと,なんとなく伝わっているかと思います.伝わっていると嬉しいです.
ところで今日は,これまであまり書いてこなかった,自分の研究者っぽい一面を出してみようかなーと思ったので,書いてみることにします.
もともとね,インターネットって研究者の情報共有のために作られたんだし(違ったっけ),技術系の話題ばかりじゃなく「こんな論文読んだよ!」みたいなエントリがあってもいいよね!論文読み上げ Ustream とか素晴らしいと思ウ!
専攻は自然科学,複雑系,複雑ネットワーク
学部の後半と,修士の間は,複雑ネットワーク理論を専門として勉強していました.この分野に関しては以下の書籍たちが詳しいです.
- スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法
- Duncan J. Watts 辻 竜平 友知 政樹
- 阪急コミュニケーションズ 2004-10
by G-Tools , 2008/07/08
複雑ネットワークとは大それた名前で,随分と複雑そうな印象を受けますが,中身は,「世の中の複雑な事象を単純なネットワークで表して扱おう」とするものです.ここでいうネットワークとは,数学のグラフ理論でいうところのグラフであり,システムを構成する要素(ノード)を円で,要素間の関係(リンク,エッジ)を線でつないで表現したものです.
Wikipedia にも載っている通り,例えば路線図は,システムの構成要素が駅で,駅と駅が線路でつながっているときにはその間に線を引いて関係を表現します.これがネットワーク図です.
他にも mixiGraph であれば,ユーザがノードでマイミク関係がリンクになりますし,Web ページをノード,ハイパーリンクを文字通りリンクとみなせば,それは Web のネットワークです.
この通り,世の中のあらゆるところにネットワークを見つけることができます.ネットワークの形にして単純化することで,種々の事象を共通に扱えるようになります.現実世界に見られるネットワークは,しばしば大規模で複雑なことから,これらは複雑ネットワークと呼ばれ,様々なアプローチで解析が進められてきました.
…と,だらだらと書いてきましたが,Wikipedia の複雑ネットワークの項がとても充実していることに気が付いたので,残りの説明はそちらに預けることにします.
複雑ネットワークとWeb
複雑ネットワーク的なものの考え方では,ノードの価値は,ノードそれ自身の属性ではなく,他のノードとの関係性によって規定されます.この考え方を取り入れた実装の最たる例が,Google の PageRank でしょう.その Web ページのコンテンツではなく,どれだけのリンクを受けているかが価値を決めます.
すでに述べた通り,Web 自体が巨大なネットワークであり,複雑ネットワークとの親和性が高いばかりでなく,Web 史上最強の巨人である Google もまた,複雑ネットワーク理論とともにあるのです.
そんな背景があって,ボクは複雑ネットワーク的に Web を考えるのがとても好きです.今回はこんなところで.また続きを書きます.