#june29jp

「選ばない」という選択が持つ情報

2008-10-26

こんにちわ.この部屋から見える東京の空は雲に覆われています.日曜日の昼下がり,いかがお過ごしでしょうか.ボクは久しぶりに LDR の未読が0になって,ちょっと気分がいいのです.

今日はなんだか,技術系のすぐに再現可能なノウハウが書かれたエントリよりも,人の生き方だとか,キャリアプランだとか,そういう長期的な視点で書かれた文章が心に刺さりました.そんな自分を認識しました.

そいで,なにが言いたいかというと,しばしば着目される「何を選んだか」だけじゃなくて,見過ごしがちな「何を選ばなかった」にも情報量があるってことです.

ソーシャルブックマークも Tumblr のポストも,ボクにとっては前者の蓄積だと言えます.これら「何を選んだか」の情報を利用して,情報収集の効率化を図る試みはいくつもあります.一方,「何を選ばなかったか」の情報は,そもそも表に出てこないことが多いですし,扱いづらいですよね.でも量的な意味では,選ぶ情報より選ばない情報の方が多いんじゃないかな.ボクの場合,1000エントリを読んでそのうちブックマークするのは20ぐらいです.残りの約980エントリは,そもそも読まなかったか,読んでもそのままブラウザのタブを閉じてしまった.この「選ばなかった」情報を活用できないものか.

こういうことを考えると,ソーシャルブックマークサービスを単体で運営しているチームよりも,別のサービスとあわせて提供しているチームに強みが出てくる.例えば livedoor さんなら,LDR をユーザへのインプット,livedoor クリップをユーザからのアウトプットと仮定することで,ある集合の中から,何をクリップして何をクリップしなかったかをある程度正確に知ることができる.インプット x とアウトプット f(x) が分かれば,関心関数 f が朧気ながら見えてくるんじゃないか.

うちの会社もレコメンデーションエンジンの提供をやっているので,ユーザの行動のひとつひとつを取りこぼさずにデータとして有効活用したい,ってのは強く思います.

確か研究室時代にも似たようなことを考えたなぁ.

ソーシャルブックマーク研究会のあとの飲み会でお話相手させていただいた faultier さんが,最近ブログに面白いことを書いていたし,まだまだ楽しいものは生まれそうだなぁと期待を込めてのエントリでもありました.

As Sloth As Possible : 「誰か」から「誰か」へのメディア – livedoor Blog(ブログ)

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