お仕事の話です.
予定していた業務とは別に,急遽,お客さんからの要望があったり,不具合が発覚したりして,イレギュラーな業務が発生することがある.不具合対応などの緊急度の高いものは優先度「高」で取り組むとして,「これ,やってもらえませんかね」といった類の要望に応じるかどうかは,なかなか難しい問題だ.
この問題に対して,チームの先輩が,ひとつの指針を与えてくれた.
「それを行うことで発生するリスク + それを行うために必要なコスト < それを行うことで得られるメリット」
この不等式が成り立つときだけ,その業務を「やる」と決めて取りかかる,というものだ.先に聞いてしまえばなんてことなく納得できる内容だけれど,それぞれの項に値を当てはめるために「リスク」と「コスト」と「メリット」を考えることになるので,とても示唆に富む考え方だ.
そしてさらに,別のチームメンバーが「この不等式に,自分の気持ちを項として持ち込みたくなる」と言っていて,この議論は極めて有益なものとなった.その通りなのだ.ボクはいつも仕事に自分の気持ちを持ち込んでいる.「この仕事を今日中に片付けて安心を得たい」とか「素早く対応して,出来る人だと思われたい」とか,不安を拭うものだったり,ちっぽけな自尊心を満たすためのものを求めてしまっている.これが判断を狂わせることがある.
チームの一員として働くこと
ボクはもっともっと,自分がチームの一員であることを意識しなければならない.自分が満足を得るため「だけ」に仕事をしてはいけない.チームがチームとして最高の力を発揮できるように振る舞うべきだ.短期的ではなく長期的な視点を持とう.局所的ではなく大域的にものを考えよう.迷いが生まれたら相談しよう.思ったことはチームの誰かではなくチーム全体に伝えよう.
チームに迷惑をかける存在になるのは本当にイヤだ.チームに貢献したい.ボクに何ができるだろう.悩みが尽きることはない.