#june29jp

何かと共にある音楽

2009-05-03

「流行の音楽は分からない」という人は,ボクのまわりにはけっこういて,ボクも10代の後半くらいまではそれなりに追えていたと思うのだけれど,今はからっきしです.じゃあどんな音楽を聴いているかというと,5〜10年前に夢中になって聴いた曲と,その周辺にある曲だったりします.

この1年の間に,2回ほど,いわゆる「流行の曲」を聴いてみようと思って,適当に売上ランキングを見て,上位のものの中から自分に合いそうなアーティストを選んで,ひとまずアルバムを一通り借りてきて,1週間くらいひたすら聴いてみたことがあります.しかし,どれも定着しませんでした.ただチョイスが悪くて自分に合わなかったのか,理由はよく分かりませんが,歌詞や世界観に強い共感を持てず,かろうじてメロディーだけは好きになれた曲があって,若い子とカラオケに行くことがあれば,これを歌えばいいのかなーとか,そんな感じでした.

単体では残らない

多分,ボクの中では,音楽は単体では存在していないのだと思います.人生の中の,何かの場面にキレイに溶け込んでいたものだけが,強く印象に残っていると,お散歩中に気が付きました.

中学校1年生のとき,放課後の掃除の時間に,密かにかわいいなぁと思っていたユカリちゃんが口ずさんでいた「アジアの純真」を聴いて,この子は本当にアジアの純真だなぁとボクは思いました.そうそう,そのときユカリちゃんのお姉さまが中学校3年生でね,これがまたかわいい人でね,たまに用事があって1年生の教室にくることがあって,美人姉妹が会話している様子を見てはドキドキしていました.懐かしい.

初めての恋人と2人でカラオケに行ったときのこと.その子が歌ってくれた「幸福論」は本当に力強くて,想いが乗っていて,ボクの恋愛観を完全にリセットしてしまうほどでした.誰かが作った歌詞なんてものは,現実味のないおとぎ話みたいなものだと捉えていたボクに,そうじゃないって教えてくれたのはその子です.歌詞から何かを読み取ったり,強く共感したりできるようになったのはその子と出会ってからです.ちなみに,「閃光少女」の歌詞に触れたときもその子のことを思い出しました.そういう子です.今でも尊敬しています.

極めて局所的な例を2つ挙げましたが,もっと分かりやすい例でいえば,ドラマや映画の挿入歌でしょうね.「あのシーンで流れていた曲」という覚え方をしている曲は,たくさんあるのではないでしょうか.映像と共に覚えるから,記憶に残りやすいのでしょう.

今,ボクの生活の中には,「音楽 + 何か」とセットで触れる機会ってのがほとんどありません.だからきっとしばらくは,これまでと同じように,思い入れのある曲たちを中心に聴き続けることになりそうです.

流行はどこからくるのか

流行が流行となるためには,どうしたって一定以上の人数が必要になりますから,小学校・中学校・高校のような,同調圧力の強い場所は流行を作るためには重要でしょう.今の10代の子たちって,どれくらい TV を見ているのかなぁ.ドラマや CM を見て,そこで耳にした音楽を買い求めたりしているのかな.ボクの頃とそれほど変わっていないのだとしたら,「次の日の教室」と「みんなと行くカラオケ」は,流行っている感を演出するのに一役買っているはずです.

一方,Web の場合も考えてみます.「音楽 + 何か」のとても分かりやすい一例が「動画」でしょう.もちろんこれは「音楽 + 映像」です.さらにニコニコ動画の場合,「音楽 + 映像 + 弾幕」だったりするから,記憶には残りやすいですね.音楽って,良くも悪くも受動的に消費できてしまうものだけれど,映像がついたり言葉がついたりすると,少し能動的にそれらを解釈する姿勢を持たなければなりません.

そうか.「自分からの能動的アクション」ってのも,記憶に根付かせる役割を持っていそう.「コメントした!」とか,「手紙でリクエストした!」とか,うん,これは間違いなく大きなファクターだ.

まとめ

「音楽」をタネにして思い出話をしたかったのでした.

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