「聞き上手」って言葉が広く受け入れられて,「聞き上手」な人が高く評価されているところをみると,世の中には「聞き下手」な人と「話し下手」な人が多いんだろうなって思う.
チームのプラクティス
ボクが属するとあるチームでは,誰かに話しかけるときに「○○さん,今は大丈夫ですか.□□です」のように,「話しかける相手の名前(○○)」と「会話のモード(□□)」を最初に明示するやり方がいつの間にか定着していた.主な会話のモードには「報告」「相談」「愚痴」「雑談」がある.
例えば「june29 さん,報告があります」のように使われている.
そして,会話のモードが変わるときには,話す場所やタイミングを変えることで,モードの切り替わりを体に教えてあげると,話しがスムーズに進むことが多い.よくあるのは「報告」だけして終わるつもりだった話が,話してみたら議論の余地があって「相談」に発展するパターンだ.こういうときは,座席からホワイトボードの前に移動して,頭のスイッチを切り替える.ときには室内から外に出て場を改めることもある.
会話のモードを意識する
しばしば語られる「女の子は話を聞いてほしいだけなのに,男は解決のための話をしてしまって,お互いに満たされない」問題も,会話のモードを意識すればよくなるかもしれないよ!
チームにおいて,目の前に問題があって,いくつかの解決案や代替案が浮かんでいるときは「相談です.こういう案があるんですけど,どうでしょうか」と,やや真面目モードで話し始める.すぐに解決できそうにはない問題が相手の場合は「いやー,愚痴なんですけどね」と切り出して,肩肘を張らない感じで話を進める.これは「話し上手」であるための工夫だ.そうすると,聞き手は楽に聞くことができる.
「話し下手」を相手に会話を上手に運ぶためには,聞き側が「聞き上手」にならなくてはいけない.そう,話し手の会話のモードをつかむんだ.その話は報告なのか,相談なのか,はたまた愚痴なのか… 会話のモードを把握するところまで達成できたら,モードに合わせた聞き方をしてあげれば上手くいくんだろうね.