たとえば、あなたの大切なお友だちが短距離走の選手だったとして、走っても走っても良いタイムが出ない、と悩んでいる場面を想像してみてほしい。ふと視線を下に落とすと、彼の足は、ぶかぶかの靴の中にあった。
そんな彼に向かって、ガンバって走り続ければきっと良いタイムが出るよ、なんて言えるだろうか。
靴さえ履き替えれば、もっと速く走れるだろう、もっと真っ直ぐに歩けるだろう、苦痛に顔を歪めることもないだろう。勝手ながら、目の前の人に対してそんなふうに思ってしまうことがある。どうか、彼ら彼女らにぴったりの靴が見つかりますように。勝手なことを言ってゴメンね、だけど、願っています。
「君の足の形が好きだよ」と言える人でありたい。大事な人にとっての、そんな存在でありたい。