#june29jp

RubyKaigiとRubyとKaigi

2011-07-25

すでにRubyKaigiという体験を経てというエントリに、頭の中にあったうちの、けっこうな部分を書くことができました。

さてさて。

整理できたものを整理した状態で書けたのはよかったのだけれど、一方で、なかなか整理できずにいることもあって、それが、たださんのエントリを読んで放っておけないものになったので、整理できていない状態で、一度、書き出します。

ぼくが RubyKaigi の運営に3度に渡って関わりながら、ずっと抱えているもやもや (Moja-Moja) のお話です。

たださんの整理

で、これ、Rubyって言語とはもはや関係ないんだよね。日本で生まれ、20年近い長い歴史のある言語で、国内のイベントに大勢のコミッタが集結できるという特殊性はあるものの、今回の講演の多くはRuby言語に依存しない。RubyKaigi 6回の歩みは、「RubyKaigi」を抽象化して「Kaigi」を作る過程だったのではないだろうか。

「The Final RubyKaigi」3日目、そして楽園からの放逐 – ただのにっき(2011-07-18)

ふむー。

今回、Twitterを見ていると、Rubyに関係ないけど参加した(そして何かを得て帰った)という人が大勢いた。規模をどんどん拡大して、Rubyist以外にも門戸が広げられ、しかも抽象化した「Kaigi」を提供できたからこそ彼らにリーチできたわけで、「Ruby」を出発点にしたイベントが最終的に「Ruby」から離れる瞬間を見られたのは、個人的にはなかなか得難い体験だった。抽象化は大切ですね(と、いかにもプログラマ的なオチ)。

「The Final RubyKaigi」3日目、そして楽園からの放逐 – ただのにっき(2011-07-18)

ふむふむー。

「RubyKaigi」を「Ruby」と「Kaigi」に分けているのが、すごいなぁと思って。

自分の立ち位置を考える

プログラマの皆さんに聞いてみたいことがあります。プログラミングに関する「執筆」や「講演」といった (直接的な) プログラミング以外のお仕事に取り組むとき、どんな気持ちでいますか。過ごす時間のうち、プログラミングに当てる時間が0%になったら、分かりやすくプログラマとしては死亡だと思うのですが、じゃあ何%までは減らせるものでしょうかね。感覚的には、100%をプログラミングに当てるよりは、少しずつ、ちょっと離れた位置でプログラミングそのものについて考えたりする時間を入れる方が、よい成果につながるような気はしています。尊敬するプログラマの皆さんは、そういった時間を活用しているように、お見受けします。

RubyKaigi との関わり合い

自分は、RubyKaigi にどんな貢献をしてこれただろうか。

誤解のないように先にきっぱりと言っておくと、別に後悔をしているとか、そういうつもりは一切なく。それでも、たとえば RubyKaigi の準備に費した日々の空き時間の半年分くらいを、すべてプログラミングのために投じていたら、今の自分と何が違っていただろうかって、ちゃんと考えるようにしたい。自分の選択に意識的でありたい。

Ruby が好きで、Rubyist の皆さんが好きで、RubyKaigi が大好きなぼくは、何に貢献してこれたかなあ。「RubyKaigi」の「Kaigi」の部分なのかなあ。KaigiSubscreen もアンチボッチランチも、よい意味で Ruby とは疎結合で、会期中にも雑談の中で「他のイベントにも提供できるといいね」なんて言葉をいただいて、それ自体は本当にありがたくて、でも、Ruby という中心から離れていく感覚は、ほんの少し複雑なものだった。

あと、これはただの自慢なのだけれど、ぼくは「レポート班」から RubyKaigi に入ることができて、本当にラッキーだったと思う。おかげで、Ruby のことや RubyKaigi の基本的なことを学びながら、RubyKaigi を楽しむことができていました。たださんのエントリにもある通り「Ruby のことはよく分からなくても、RubyKaigi に参加できるし、スタッフにもなれる」のだけれど、やっぱり Ruby のことを知っていた方が、RubyKaigi は圧倒的に楽しいものです。

こじらせていたもの

そんな、自分でもよく分からない意識をこじらせていたので、たったひとつ、意地になって守りたいことがありました。

それは「せめて、ユーザとしてでも Ruby のコードを書きながら Kaigi への貢献を目指す」ことでした。Ruby のことが好きです。プログラマとして Ruby との接点を失わずに、Rubyist として RubyKaigi の運営に関わっていたいと願っていました。「イベントスタッフを派遣すればいいよね」なんてことにならないよう、RubyKaigi は Rubyist がつくるイベントにしたいと願っていました。

成果物が KaigiSubscreen です。今日、晴れて「日本Rubyの会」のリポジトリに置いてもらえたのが、とても嬉しかったです。

ruby-no-kai/kaigi_subscreen – GitHub

それと、KaigiSubscreen に表示するために取得していた Tweets と IRC のログも、無事に公開することができました。

RubyKaigi2011の会期中のTwitterとIRCのログを公開します – RubyKaigi Nikki(2011-07-25)

自分なりに、プログラマとして、Rubyist として、最後の RubyKaigi に貢献できたんじゃないかと思っています。おしまい!

追記

自己評価はリターンで測る。気長に。 – ただのにっき(2011-07-26) を頂戴しました…!ありがたいことです。ありがとうございます。

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