#june29jp

WebデザイナやWebクリエイタなんて言葉が指すもの

2011-09-06

先日、未経験からWebデザイナー、Webクリエイターを目指す人のためのWordPressとTwitterをつかった就転職活動のすすめというエントリを読みまして、以下のようなコメントを添えて、はてなブックマークに保存しました。

うまく言語化できないのだけれど、この人が見ている業界とぼくが見ている業界には、けっこうなズレがあるように感じる。ニュートラルな位置でこのエントリを読んだ人は、他の人のお話も聞いてみるといいかも。

はてなブックマーク – june29の食べたパン – 2011年9月4日

とにかく「んんー」という気持ちを抱えていたのですね。それで、ブックマークしたあとも、なんだろうなって少し考えていて、そもそも「Webクリエイタ」って、どんな人のことを指して言っているか、差異がありそうだなぁと感じました。

それから丸1日くらい経ったときに、先のエントリの中の人から、次のようなメンションをいただきまして、お返事を書くことにしました。それが、このエントリです。

はじめまして。はてブのコメントをみました。感じた業界のズレ、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?興味があります。

Twitter / @designmap_info

立ち位置の違い

自分は、先のエントリで言われていた「Webデザイナ」とか「Webクリエイタ」ってよりは、「Web系プログラマ」に近い立ち位置だと思います。自分のまわりにいる人たちも、プログラマが多いです。

試しに見てみると、ぼくのはてなブックマークには、お気に入りユーザに登録している人が (現時点で) 187人います。だいたい、この人たちがブックマークしているような情報をぱくぱくとつまみ食いしながら、日々を生きていることになります。ところで、件のエントリは (現時点で) 700人以上にブックマークされているにも関わらず、ぼくのお気に入りユーザの中には、これをブックマークしている人はひとりもいません。

つまり、おおよそ「プログラマ」的な立ち位置の人は、件のエントリと関わっておらず、そうではない「Webナンチャラ」の人たちか、または、そうなりたい人たちが、件のエントリをブックマークしているということでしょうか。

語彙の違い

「Webデザイナ」は、ひとまず置いておくことにして。ここでは「Webクリエイタ」に絞って、考えてみます。はてはて。「Webクリエイタ」って、どんな人のことでしょうか。

自分は、肩書きを気にしなきゃいけない瞬間ってのは、あんまりないのですが、状況によっては「Webクリエイタ」と名乗るときもあります。これまでに関わってきたプロダクトは小さいものばかりとはいえ、Webアプリケーションをつくって動かせるスキルを持っていて、アイディア出しやプロダクト設計にも手を出しますし、実際に「Web上で動作するプロダクトをクリエイションしてきたから」というのが、自分が「Webクリエイタ」を名乗る理由です。

自分の身近にいて、自分が勝手に「この人はWebクリエイタって感じがするなー」と思っている人と言えば、@yusukebeさんや@ruedapさんを思い浮かべます。今までに見たことがないようなものをクリエイションし、届けてくれるからです。

さて、件のエントリに戻ってみましょう。よくよく読んでみると「Webデザイナは〜」という記述はたくさんあって、一方で「Webクリエイタは〜」という文章はほとんど見つからないのであった… だとすると、ああ、これは自分のよく知らない「Webデザイナ」についてのエントリなんだな、と思えば、最初に感じた違和感とはおさらばできそうです。

Webデザイナって?

それでも、まだ、考えてみたいのは「Webデザイナ」って、どんな職業のことを指しているのだろう、ってことです。少なくとも「絵描き」としてのデザイナさんと「設計者」としてのデザイナさんと、2種類は、いそうな気がしています。

それこそ件のエントリで言われている「Webデザイナ」という存在も、いると思いますし、他には、LL Planets での mala さんの貴重講演の中で描かれる「UIエンジニア」ってのも、自分の感覚では「これぞデザイナだ」と感じられるものでした。

でも、それぞれに語られている「こういうことを身につけよう」「こうやって学んでいこう」というお話は、なんていうか、ぜんぜん違うものなんですね。だから、もし、件のエントリを盲目的に読んで「なるほど、こうやっておけば間違いないんダナー」と信じすぎてしまうのは、望ましくないと思いました。決して「間違ったことが書いてあるから信じるな」と主張したいのではなくて、他にも、色んなお仕事があるし、色んな現場があるし、色んな肩書きがあるはずだから、多面的に多様な考えに触れて、その中から、自分に合うと感じるものを選んでいったらよいのではないか、と考えました。

なんだか、むつかしいのですよね。自分が「プロジェクトを手伝ってくれるデザイナさんを探しています」と言わなきゃいけないときに、探している人が、アンビエント・ファインダビリティ検索と発見のためのデザインを読んでいるような「情報デザイン」のスキルを持っている人なのか、そうではなくて Adobe の Illustrator や Photoshop を自分の手足のように操作できるような人なのか、とにかくイラストを描かせたら上手な絵描きさんなのか、上手に区別できている気がしません。

そういったモヤモヤを、ブックマークコメントという、文字数の制約が厳しいところにぶつけようとしてしまって、ふにゃふにゃしたコメントになってしまいました。

まとめ

一応、まとめます。

未経験からWebデザイナー、Webクリエイターを目指す人のためのWordPressとTwitterをつかった就転職活動のすすめというエントリを読みました。「Webクリエイタ」ってなんだろうな、誰みたいな人のことだろうな、って思いました。「Webデザイナ」ってなんだろうな、誰みたいな人のことだろうな、って思いました。

自分が見ているのは「Webアプリケーション開発」で、件のエントリで扱っていたのは「Webサイト制作」である、とふたつに整理すれば、色んなことに納得がいくな、と思いました。

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