id:kei-s がブックマークしているのを見かけて知った文章が、これ。
今年のはじめくらいからよくみるようになった「死にたみ」「つらみ」「ねむみ」といった表現について、接尾辞の観点から色々考えてみました。
公開されたのは2012年10月17日ということで、実に、1年近く前のものだ。めっちょおもしろかった。
もともと「形容詞を "〜み" の形にして名詞形とする」みたいなのはあって、それこそ「うまみ」「あまみ」なんかがそうで。ただ、なぜここにきて、今までそうでなかった形容詞たちまで次々に "〜み" の形として結晶化していったのかを考えるの、おもしろみがある。ためしに Google Trends を見てみても、ここ最近になってよく使用されるようになった表現である、と言ってよさそう。
リンク先のエントリでは、意味的な分類として「叙述・言明」「客観・具象性」「内的感覚・有界性」などを考え、分析している。興味を持った人には、ぜひ元の文を読んでほしいので、結論っぽいところの引用は避けて、結論っぽいところの手前の文を引用として貼っておく。
その結果、「ねむみ」を始めとする「「-み」スラング」は、奇妙な実在性や、感覚の手触りのようなものを獲得する。たしかに主観に感じられたものでありながら、どこか独立したところがあるようなニュアンスを持つ、と言ってもいい。「つらみ」「ねむみ」「しにたみ」などに感じられるなんとも言えないおかしみのある感触は、そのような主観性と有界性の一見矛盾した共存によって生み出される。
言葉は心理を映す。だから、その時代の言葉は、その時代を生きる人々の心理を映す。言葉を考えること・言葉の変化を考えることは、自分や他人の心理、社会の変化を考えることにつながっていて、ぼくはそこにおもしろみを感じるのだと思う。
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