#june29jp

ぼくたち夫婦がチームマスタリーを獲得してきた話

2018-05-27

夫婦歴 3 年半

結婚したのが 2014 年 11 月 22 日なので、夫婦歴は約 3 年半というところ。そんなうちの夫婦ですが、最近は「おっ、チームマスタリーを感じるな〜」と思う場面が増えてきたので、このあたりの感覚を言語化して記録してみたいと思います。さらに 3 年くらい経つと、きっと今の感覚も思い出せなくなることでしょうから。

チームマスタリー

チームマスタリーというのは、そのチームがそのチームの問題をそのチーム自身の力で解決できる状態のこと。セルフマスタリーのチーム版ですね。セルフマスタリーを持った人たちだけで構成されたチームが必ずしもチームマスタリーを持っているわけではない、というのがチームのダイナミクスのおもしろいところだと思います。

つまりこのエントリの主旨は、最近のうちの夫婦は自分たちの問題を自分たちで解決できるようになってきたっぽいぞ、になります。

これを書こうと思ったきっかけ

最近になって「アイロンがけ、もっといい感じにしたいね」と夫婦で話して、そこからのやりとりがおもしろかったからです。

  • アイロンがけは週に 1〜2 回のペースで発生する家事であり、大なり小なり継続的なコストになっている
  • なぜ今になってこういう話になったか?
    • お洗濯は、乾燥機つき洗濯機を導入したことで劇的に楽になった
    • 他の家事も「もっといい感じにしたいね」と話しては改善する、というのを繰り返してやってきた
    • いろいろがいい感じになった結果、今はアイロンがけが気になることの上位に位置するようになった
  • 現状のアイロンがけの改善できそうなポイントはどこか?
    • アイロン台を出して設置して、アイロンをあっためて、かける、という煩雑な手続きがある
    • アイロンがけに適した場所がなくて、やや無理な姿勢での作業を強いられる
    • もしや、最新のアイロンを導入すれば劇的に楽になったりするのか?
  • そもそも、なぜアイロンがけが必要になるのか?
    • 人間が衣類を着用してはお洗濯し、衣類にシワが発生するから
    • シワにならない衣類だけを着用すれば解決する話なのか?

こんな感じのことを、夫婦でおしゃべりしながら考えて整理していったわけです。そうして、具体的な「じゃあ、これを試してみよう」を 2 つほど決めて、試運転しているのが今になります。

ここに至る道

ふりかえってみると、2017 年下半期の我が家のコンセプトを「QoL 向上」として高らかに宣言したのが効いたんじゃないかなあ、と思います。

この家主の宣言によってチームメンバー全員が「ここでは QoL 向上のために頭や口や手を動かすのはよいことである」という価値観がゆるく共有され、その結果、みんなが QoL 改善のために動くことができました。…と、ここでは簡単に言っていますが QoL を上げるのはそんなに簡単なことではなくて、

  • QoL 向上のチャンスを見つける
  • 見つけたチャンスを言語化してチームのみんなにわかるように伝える
  • 課題を整理し、解決のためのアクションの案を出す
  • 出てきたアクションの案たちを評価し、実施するものを決める
  • アクションを実施したあと、実際に QoL が向上したかどうかを計測し、副作用があればそれについても考察する
  • 無事に QoL が向上されていればみんなでワーイとよろこぶ

といったことを全員が日々の中でこなしていくことになります。けっこうむずかしいことをやっているとぼくは思います。けれど大事なことでもある。ぼくらはこれをある程度は上手にこなせて、家庭に改善のリズムが生まれたと感じています。なので先述のアイロンがけの件についても、お互いに前向きに話し合うことができたんじゃないか〜と考えています。

夫婦というチームで日々を運用する上でぼくが考えていること

昔より今の方が夫婦のやりとりの練度が上がっていて、ここらへんが大事なんじゃないかな〜とぼくが思っていることをいくつか書きます。内容は、夫婦じゃないチームについてもあてはまることばかりだとは思います。並べてみるとアンチパターン集みたいになったな… まあ、いっか。

我慢を美徳にしない

中には「よい我慢」「必要な我慢」もあるのかもしれませんが、うちの家庭においては基本的に「我慢をしない・させない」を方針としています。誰かが我慢をすれば済むんでしょ、といった類の問題についても安易にその道を選ばず、誰も我慢をしなくてよい別の道を探すことを考えます。

経験則として、我慢をしている人は自分と同じくらいの我慢を他者にも求めるようになりがちだと捉えているので、まず自分がそうはなりたくありませんし、奥さんにもそうなってほしくないと願っています。「ぼくはこんなにがんばっているのに!」って、ダサいから言いたくないんですよ。言われたくもないし。

ゼロサムゲームにしない

我慢のお話とだいぶ被りますかね…!ゼロサムゲームだと思ってしまったら、どっちかが得をしたらもう一方がその分だけ損をするという発想に陥ります。そんな前提を勝手に設定して判断の質を下げることは避けたいですね。全員で得をして、完全勝利しましょう。うちの夫婦の結婚生活はお互いにとって得がありまくりで最高だと思っています。優勝です。

平等をゴールにしない

「家事を平等にやる」みたいなのは、よくある話だと思います。

平等という概念はすばらしいものだと思いますが、ぼくの手には余るくらい高尚な概念だな〜とも思うので、ぼくは自分の活動指針に「平等である」を含めることを避けたがっていると思います。上手に扱うには強い気持ちが必要だろう、と。安易に口にできる言葉ではない。

たとえば遠方から 2 名を呼ぶとして、交通費や宿泊費を支給するとしましょう。ではこの 2 名に対する「平等に扱う」とはどういうった状態でしょうか。同じ額を支給することが平等なのか、あるいは、実際にかかる額だけを支給して自己負担額をゼロにすることを平等と呼ぶのか。あなたが守りたい平等はどういう状態?というのを考えてから平等を語らないと、途端に不安な状態に陥ってしまいます。

夫婦生活についてもそうで、同じ量の家事をこなすことが平等だとするのか、体力の差を考慮して体力のある方に多めに担当させるのか… などなどを考え始めるとそれを考えること自体が大きな仕事になってしまい、話がややこしくなります。

なのでぼくは「平等」よりも「納得」を重視して奥さんと会話しています。別に平等じゃなくても、みんなが納得していればそれでいいという雑な考えです。こうして考えてみると、平等はひとつの手段でしかないとも言えますね。事実、うちの夫婦の間には平等ではない約束事もいくつかありますが、それについて不満を抱えている人はいないのでまったく問題ありません。

まとめ

夫婦生活も 3 年半ほどが経ったところで、チームとしての夫婦のマスタリーを感じた瞬間があったので記念の意味も込めて記録を残してみました。少しふりかえってみて、マスタリーに至るまでの道や、マスタリーを支えているように思える考え方についても書きました。

世の中には、ぼくたち夫婦とまったく別のやり方や考え方でいい感じに運用されている夫婦もたくさんあるはずなので、ぜひいろんな事例を知りたいなぁと思います。よかったらみなさんも教えてください。

ひとまずぼくは、結婚 4 周年の日を楽しみにしながら日々をがんばっていきたいと思います。

今日書きたいことはそれくらいです。

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社内イベントでキャリアキーノートに挑戦しました

2018-04-22

社内でキャリアキーノートに挑戦する機会をいただき、2018 年 4 月 20 日 (金) にやりました。気合いが入っていたので TAMIYA の試合着を身にまとっていました。

キャリアキーノートについては、弊社おっくんによる素晴らしい説明キャリアキーノートとはなにかがあるのでぜひともこちらをご覧ください。ぼくも今回、まずはこの紹介記事と、先人たちのキャリアキーノート資料を繰り返し繰り返し読み直すところから準備を始めました。

ぼくがいただいた枠は 4 月入社の新入社員向けの研修コンテンツのうちのひとつ、という位置付けです。全部で 4 人分のキャリアキーノートが予定されており、ぼくはトップバッターでした。週明けから他の 3 人のキャリアキーノートも順番に観劇できるはずなので、自分の出番を終えたぼくは安らかな気持ちで他のみなさんの回を観に行こうと思っています。

いちおう Speaker Deck に置いて公開することにしましたが、キャリアキーノートの性質上、パブリックにできないコンテンツも少し含まれており、そこを加工した版を用意したところ謎のモザイクと黒塗りを帯びたいかがわしい資料が生み出されました…(?)

また、これは今回に限らずですが、ぼくは現場でのインタラクションに重きを置くので資料だけ見てもどんな話をしたのかよくわからないと思います。あしからず〜。

ふりかえり

無事に出番を終えたので、余韻が残っている間に今回の準備期間から出番終了までのふりかえりをやります。シンプルに KPT でいいか。

Keep

  • 自分がとても大事にしている価値観と再会できた
  • 前夜にしっかり練習したので、タイムキーピングはわりと上手くいった
    • 2 月にイベントでしゃべったときはタイムキーピング大失敗だったので、その反省は活かせた
  • 人生の直近 12 年分くらいは自分が書いた文章と自分が撮った写真のアーカイブがあるので、いろいろと思い出したり事実確認したりするのが捗る
  • そろそろ自分とひとまわり歳が離れている世代が入社してくる (もう入社してきた?) ので、あらためて自分の世代が生きてきた世界のことを整理して話せる機会があるのはうれしい
    • 弊社の最年少の世代だと、レンタルサーバを借りたことがなかったり、Web 2.0 という言葉を知らなかったりするので、ぼくの体験のコアにあるものは説明なしでは伝わらないのだ (だからこそこうしてちゃんと語ることに意義がある)
  • 研修の対象者である新入社員たちだけじゃなく、社内のいろんな人が聞きにきてくれてありがたかった
  • 盛り上がってほしいところで盛り上がってもらえたので、少なくとも空振りはしていなさそう

Problem

  • 前日はぜんぜん眠れないし、当日は体調がよろしくない状態からスタートするし、全力で臨む以上は仕方ないのかなあ
  • せっかく後輩たちとランチに行ったのに、出番がゴゴイチだったので気持ちが落ち着かず「ごめん、ちょっと早いけど先に戻ります!」となった

Try

  • 切り口を変えれば、ぜんぜん別の形で自分の人生を語ることもできそうだな〜と準備の途中で思った
  • また 2〜3 年後くらいにキャリアキーノートに挑戦する機会があると、今回からの差分を確認できていいかもしれない
  • 自分はたくさんお話させてもらったので、今度は社内外のいろんな人間たちの個人史を聞きたいぞ!
  • だおんをなんとかする

まとめ

キャリアキーノートの機会をいただき、しゃべってきました。とてもありがたい機会でした。このような取り組みを広めてくれたおっくんが社内にいるというのも福利厚生だなぁと思います。おっくん、ありがとう。おっくんの前でキャリアキーノートをやるのはなかなか緊張しました。

同年代の阿部さんにはナニカが伝わったようで、この日の夜にも話しかけてもらえて最高でした。おじさん相手にはそれなりにナニカを伝えられる手応えはあります。次の時代を担う若い後輩たちにも、なにかひとつでも伝わっていたらいいなあ。

決して低コストな取り組みではないと思いますが、個人的にとても好きな試みであり、弊社以外の多くの現場にも広がっていったらいいなぁと思います。興味を持った人がいたら、ぜひやってみてください!

再掲 : キャリアキーノートとはなにか | blog: takahiro okumura

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今日のメガネさん

2018-04-22

先日、久しぶりにメガネを新調しました。

この新しいメガネは、ぼくの人生の中で何番目のメガネになるだろうか。小学校高学年くらいから視力が落ちてきて、中学校 2 年生のときにはうしろの席からは黒板の文字が読めなくなっていたはず。一時期、先生が黒板に何を書いているかわからなかったので、しゃべっている内容と教科書をたよりにして雰囲気で授業を受けていたっけなあ。

それでたしか中学校 3 年生のときに親にメガネを買ってもらって、それがマイ・ファースト・メガネ。16〜21 歳くらいの多感な時期はコンタクトレンズをつけて過ごすことが多く、メガネの記憶がぜんぜんありません。その後 22 歳くらいからメガネ頻度が上がり、最近は目が覚めている間はほとんどの時間をメガネとともに過ごしています。

こうして水中メガネをつけて記憶の海を泳いでみると、おそらくこれまでに 7〜8 本のメガネを買ってきたことになりそうです。

メガネを新調したこのタイミングで、手元にある先代メガネたちのレンズもすべて入れ替えて、現役メガネを複数本運用することにしました。

毎日のメガネ選び

約 2 年前に書いたシャンプー選びの続編のような。

毎朝、Slackbot にその日に着用するメガネを選んでもらうことにしました。朝、どのメガネをかけたいかについてそんなに強固な意思はないので、適当にランダムに選ぶので充分です。ぼくはその日に着る服は当日の朝に決めるので、メガネに合わせて服を選ぶのもよさそうですね。

日々の中に適度にランダムネスを取り入れて、毎日を新鮮な気持ちで過ごせるといいなぁと思います。

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「Hi-Ether Meetup - Block #2」に参加してきました

2018-04-16

今回も参加してきました!これまでのレポートは下記です。

Block #0 と Block #1 は TECH PLAY SHIBUYA さんでの開催でしたが、今回は DMM.com ラボさんでの開催となりました。素晴らしい会場を借りることができて最高でした。感謝。

[発表1] Plasma-mvp で学ぶ Plasma

ひとつめは Gunosy の @y_matsuwitter さんの発表。内容がおもしろいのはもちろんですが、iPad を使った発表スタイルにも会場が沸いていましたね〜!資料にペンで線を引いたりしながらの発表、とってもよかったのですぐ真似したいと思いました。

ぼくも Plasma のことはちゃんと理解できていないので、こちらの資料と omisego/plasma-mvp をもとにあらためて学習したい!という気持ちになりました。やっていくぞ。

[発表2] Loom Network DAppChains の詳細

続いて CryptoZombies で有名な Loom Network@crypto_mamitake さんの発表です。

Hi-Ether の Slack を見ていると CryptoZombies にお世話になっている人はたくさんいるみたいですね。その中の人の発表ということで会場も盛り上がりました。

(下記は iCloud へのリンクになっています)

Loom Network が提供する (あるいは提供予定の) 様々なサービス、プラットフォーム、SDK などを網羅的にご紹介いただきました。なんだかんだ言っても、こうして日本語で紹介してもらえるとわれわれ日本人は助かりますね!

ちょうど Meetup のあった日に、Loom Network が Dapp チェーンに Plasma を採用すると公表しました。本発表中にもそのことが紹介され、会場からは拍手が起こっていたのが印象的でした。

[LT1] Ethereum のモバイルウォレットについて

LT の 1 本目は @yuzushioh さん。ご自身が開発されている yuzushioh/EthereumKit の紹介でした。

[LT2] Developer が陥りやすい3つの罠

LT の 2 本目は福岡からいらしていた @nakajo さん。Hi-Ether の Slack で人間たちのお悩みを最も解決してきたであろう人物なので、なんというか「俺たちのナカジョー」といった雰囲気で歓迎されていました。

[LT3] Dapps 向けの便利なライブラリを使ってみた

LT の 3 本目は @biga816 さん。自己紹介スライドに免許証の画像が貼ってあり、住所までわかってしまいました。

なんと、今回は動画もある!

@kazush-m さんが「撮影して録画したい」と申し出てくれて、まるっとやってくれました。とてもありがたいですね〜!!!

まとめ

今回もおもしろトークをたくさん聞けて、いろんな人たちとワイワイできて最高でした。

開催準備中に @amachino さんに「誰か、発表を聞いてみたいって人はいますか?」と聞かれて「ナカジョーさん!」と即答していたので、今回お会いできてとてもうれしかったです…福岡の方だったんですねぇ。ぼくが福岡に行くときにも連絡します!これまで「正体不明のなんかすごい人」という認識だったので、実在を確認できてよかったな〜。

ご縁があって Block #0 のときから運営に関わらせてもらっていて。今回は「手伝います!」と手をあげてくれる人がこれまでよりも増えて、コミュニティ運営も本格化してきました。せっかく Ethereum のコミュニティなので、懇親会費を JPY で支払ってもらってぼくが紙袋に入れてアナログに管理しているのも、そろそろやめていきたいところ。

今後も引き続きオンラインの Slack とオフラインの Meetup を盛り上げながら、コミュニティ運営自体をもっとおもしろい感じにしていくぞ!

次回は 2018 年 5 月 17 日 (木) に開催予定です。興味のある方はEthereum 開発者向けコミュニティを作ったよからどうぞ〜!

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書籍「ティール組織」を読んで、自分の価値観を見つめ直してみた

2018-04-05

ティール組織」を 2018 年 2 月 9 日に購入して、まるまる 1 ヶ月間くらいをかけて読みました。かなりボリューミィで相当なエネルギーが必要でしたが、ぞくぞくする内容も多くて最後まで楽しく読めちゃいました。

最近のぼくは物理的所有物を増やしたくないので書籍は基本的にすべて Kindle で読んでいて、文中の気に入ったフレーズや覚えておきたい内容は「ハイライト」をつけながら読み進めていきます。それで、読み終わったあとには https://read.amazon.co.jp/kp/notebook にアクセスしてハイライトを一通り眺めてあらためて書籍の全容を俯瞰し、ここ june29.jp に読書感想文を書いて投稿したりするわけです。このティール組織も同じようにしていたのですが、なんとハイライトが 331 箇所にも及んでしまい、ハイライトだけでちょっとした書籍 1 冊分くらいの量になってしまいました。そんなわけで、咀嚼するのにも時間がかかり、読了後 1 ヶ月ほどを経ての感想文の投稿になります。

ただの内容紹介であれば他のウェブページに任せるのでよいだろうと思い、自分の価値観や考えと絡めた形での感想文を書くことにしました。

ティール組織って、なに?

まず、後半部を読むための前提知識になるような概要はいくらか書いておきます。

  • これまで多くの学者 (心理学者、哲学者、人類学者などなど) たちが、人の意識の発達段階を分析してきた
  • 人類はおよそ 10 万年の歴史の中でいくつかの連続的な段階を経験し、各段階で、まわりの世界に対処する能力は知的にも倫理的にも心理的にも飛躍的に伸びた
  • 個人の意識の発達段階にあわせて、組織モデルもまた発達してきた
  • 発達心理学は人類の意識の次の段階について言及していて、そうすると「次の組織モデル」が見えてくる
  • 著者は「次の組織モデルなんて本当にあるの?」と興味を持ち、12 の組織について調べまくった

お察しの通り、調査の対象となった 12 の組織がこの書籍でいうティール組織であり、組織のタイプや規模は違えど共通する特徴があったのです。紹介される組織には営利企業も非営利組織もあり、小売り、メーカー、エネルギー、食品、教育、医療と分野もさまざま。にも関わらず共通する特徴が見つかったというのがおもしろポイントです。

ちなみに「ティール」は色の名前です。色は百聞より一見でしょうから、対応する「人の意識の発達段階」とともに説明された色付きの図を載せておきます。説明文はすべて書籍からの引用です。

ティールは「青緑」っぽい色なんですね。日本人にとってはピンときづらいと思います。

書籍の内容はどんな感じ?

先の図には無色を入れて 7 色が登場するのですが、書籍の中でたくさん語られるのは「順応型 (アンバー)」「達成型 (オレンジ)」「進化型 (ティール)」の 3 つです。アンバーより前のパラダイムになると現代ではあまり見かけない組織タイプなので言及しづらいのと、ティールを語る上では比較対象としてアンバーとオレンジがわかりやすいのでしょう。

なので、全容をざっくりと理解するにはアンバー・オレンジ・ティールの特徴を押さえるのがてっとり早いと思います。この感想文においてもこの 3 つについて触れていきます。

順応型 (アンバー) について

発達心理学者によると、現代の先進国における成人の大半がアンバーのパラダイムに従って行動しているそうです。

この段階では、現実はニュートン的な観点で認識されている。因果関係という概念は理解されており、人々は過去から現在、未来へと続く線形的な時間の流れを把握し、将来に向けた計画を立てることができる。こうした土台があると農業が発展可能となる。植物を育てるには、今年の収穫物から種子を取って来年に備えるという、自己規律と将来を展望する力が必要だからだ。

アンバーのひとつ前の「衝動型 (レッド)」を省略しちゃっているからアレなんですけど、レッドだと「これが欲しい、だから殴って奪う」という感じで、長い目で見てどうとか将来の計画とか、そういうのがないのですね。だからアンバーに到達して計画を立てられるようになって農業ができるようになった、というのが大きなポイントです。

「わたしたち」という意識を持てるのもアンバーからです。レッドで「自己中心的」だった意識はアンバーで「自民族中心的」になります。本格的な集団というものが出現し、その集団の秩序を守るには「規則や規律が大事」とされます。これが官僚制度や階層社会を生みました。歴史的に見ると、アンバー組織が「ピラミッド」や「万里の長城」の建造という成果を残しています。

現代においてアンバーで運営される組織は、大半の政府機関、公立学校、宗教団体、軍隊などです。

達成型 (オレンジ) について

アンバーが世界を「静的なもの」と捉えがちなのに対し、オレンジは「動的なもの」と捉えます。

達成型の視点では、世界は新たな顔を見せる。世界は不変のルールによって支配される固定的な存在ではなく、複雑なゼンマイ仕掛けのようにとらえられる。もちろん、その中の仕組みは調査すれば理解できるのだが。「正しい」「間違っている」という絶対的な答えはなく、「これは他のものよりもうまく作用する」という相対的な世界観である。意思決定の基準が倫理から有効性に変わる。世界がどのように動いているかを理解すればするほど、多くのことを達成できる。最善の判断とは、最大の結果をもたらす判断のことだ。人生の目標は、前に進むこと、社会に受け入れられる方法で成功すること、自分に与えられたカードで最後まで全力を尽くすことになる。

オレンジのパラダイムを獲得すると、人間は既存の枠組みや規則を疑う視点を得られるようになります。

達成型の認識は、科学的な研究、イノベーション、起業家精神への水門を開いた。わずか二世紀という、人類全体の歴史から見ればほんの瞬きするほどの間に、達成型組織は私たちに未曾有の繁栄をもたらした。平均寿命は数十年伸び、先進諸国では飢饉や疫病はなくなり、さらには開発途上国でも急激なペースで同じような進歩が実現している。

これはぼくの予想ですけれど、ここ june29.jp を読みにきてくれる物好きな読者のみなさんは、オレンジのパラダイムに共感する人が多いのではないでしょうか。現代のいわゆるグローバル企業と呼ばれるような組織は本書の整理によればオレンジ組織に分類されます。

衝動型が自己中心的で、順応型が自分の属している組織を中心とする視点だとするなら、達成型では世界を中心に物事を考える可能性が生まれたのだ。

歴史的には「イノベーション」「説明責任」「実力主義」などの概念を生んだのがオレンジのパラダイムです。

進化型 (ティール) について

ティール組織を簡潔に説明するのはむずかしいですね… 調査対象となった 12 の組織には以下に示す 3 つの慣行が備わっていたとのことなので、これを見て雰囲気を感じてほしいです。

  • 自主経営 (セルフ・マネジメント)
    • 各自、各チームが自律的に動く。
    • 組織図がないので、トップダウンという概念がそもそも成立し得ない。
  • 全体性 (ホールネス)
    • 属するひとりひとりが本当の意味で「自分」でいられることを目指す。
    • メンバーに肩書きはなく、個性を活かしながらそのときそのときにベストと思えることをやる。
  • 存在目的
    • 「われわれの組織は、なんのために存在するのか?」を中心に据え、日々の意思決定もそれを反映したものとする。
    • 存在目的にそぐわないことはやらない。

「自己組織化」というフレーズでピンとくる人には理解しやすいかな〜。

達成型パラダイムは組織を「機械」にたとえ、多元型パラダイムは「家族」という比喩を使う。

(中略)

進化型組織のリーダーたちは、理想の職場のあり方として、家族とは別の比喩を使う。実は彼らの多くが、自分の組織を「生命体」や「生物」ととらえている。生命は、進化に向けてあらゆる知恵を働かせながら、底知れぬ美しい生態系を維持している。生態系は、全体性、複雑性、そして高い意識に向けて常に進化し続けている。自然は、自己組織化に向かうあらゆる細胞とあらゆる有機体の欲求につき動かされて、常にどこかで変化している。そこには、命令を出したりレバーを引いたりする中央からの指揮も統制もない。

組織をまるでひとつの生命体であるかのようにみなして運営する、という感じですね。

じゃあ、ぼくのパラダイムは?

がんばって自分をなるべく客観的に見るつもりで考えてみて、ぼくの思考のパラダイムは「アンバー : オレンジ : ティール」の比でいうと「1 : 7 : 2」くらいかな、と感じます。ベンチャーやスタートアップでのお仕事を経て、成人して以降の多くの期間をオレンジの傾向が強い組織で過ごしてきたので、思考のパターンもオレンジに強い影響を受けているように思います。

本書を読んでみて「あのときのチームの動きはティールっぽかったな」と思い出すものはいくつもあったので、ティール成分もいくらかありそうです。

ぼくの人生におけるアンバーは、間違いなく「学校」ですね。規則や規律が重視され、まわりのみんなと同じであることが求められていたなあ。たぶんぼくはアンバー組織の慣行があまり肌に合わなくて、だから、働くようになってからの人生の方が楽しくて楽に感じるのでしょう。

本書を読んでの気付き

人間の意識の発達段階と組織モデルの段階をひもづけて考える発想に「なるほど」を得ました。

いちばん「はーん、ははーん」と唸ったのはアンバー組織についての説明を読んだときでした。というのも、ぼくは「職場で私物のスマートフォンを充電するのはアリ?」という質問に「そんなのダメに決まっているでしょ」と即答できる人の気持ちや、「仕事中、喫煙者だけ休憩できてズルい!」と叫ぶ人の気持ちが、本気でわからなかったんですよ。ぜんぜん合理的じゃないじゃん、と思って不思議に感じてしまうばかりだったのですね。

アンバーのパラダイムに従って暮らしている人は「規則や規律こそが組織を守る、だから私たちは規則や規律を守ることがとっても大事なのだ」という価値観を持っているので、その価値観においては「みんなで幸せになるために規則を守る」のは理にかなっているのです。そこは否定されるべきものではないのだな、と納得しました。

オレンジについて語られている文章を読んでいる間は「あー、自分はこういう発想するわ」と思うことが多かったです。それらの考え方について、自分なりに「こういう理由で、これがいい」と選択してきたつもりではありますが、それがすべてではない、その先の考え方もあるんだぞ、ということがよくわかりました。

ティールを実践している組織については、とにかく興味を持ちました。自分がオレンジの発想にとらわれていては、次のステージに向かえないのかもしれないな〜という危機感も覚えました。「組織のパラダイムは、トップに立つもののパラダイムをこえられない」との話もあって、これには少なからずヒヤッとする感覚も覚えました。ぼくが組織やチームを任されるとしたら、ぼくの限界がそこの人たちの天井にもなってしまうのだ、と。

それで、ティールっぽく会社を運営しているように見えた @miyasho88 さんに会いに行ってお話を聞かせてもらったりもしてきました。

ぼくがティールに魅力を感じられた背景

ティールの慣行にある「組織図を持たない」「数値目標を設定しない」なんかは、アンバー組織やオレンジ組織の運営でやっていることの逆をいく面があります。ともすれば「えっ」となりそうです。ぼくも「マジかよ」と感じた箇所はいくつもありました。それでも、魅力を感じられたのは──。

ひとつには、組織図や数値目標の弊害を何度も目の当たりにしてきたからでしょう。それらが役に立つことはじゅうぶんに理解しているつもりでも、同時に、万能ではないことも知っています。それらナシでもうまくいくというなら、試してみたい気持ちはおおいにあります。

「オープン戦略」や「フリーミアム戦略」と言った、それまでの常識の真逆をいくような戦略が大きな成果をあげているのを見てきたから、というのもありそうです。今のぼくが「なんでもかんでも隠すよりオープンにした方がかっこいいし、得じゃん」「無料プランを用意して、とにかく使ってもらうのが大事じゃん」と自然と発想するように、ティールの慣行を当たり前に受け入れる数年後があってもおかしくはありません。

あとはそうですね、アジャイルソフトウェア開発で重視されるような価値観と再会したような気分になったとも言えます。

最近の話題では「The DAO (Decentralized Autonomous Organization)」もぼくの中ではリンクしました。オープンソースソフトウェアを盛んに活用する組織がオープンであろうとするように、これから躍進してくるであろうブロックチェーン技術をバリバリに活用する組織は「非中央集権的」であろうとするはずなんですね。ぼくが参加している Ethereum の技術者コミュニティ Hi-Ether の人たちはしきりに「Decentralize だ!」と言います。なぜなら、非中央集権システムに可能性を感じているからです。こういった価値観を強くもった組織が増えてくると、その運営様式は自然とティールっぽくなっていくんじゃないかな、という未来予想があります。

まとめ

書籍「ティール組織」を楽しく読みました。かなり文量の多い本で内容を咀嚼するにも時間がかかってしまいましたが、ようやく感想文を書けました。

本書は、組織のあり方や個人のあり方について、多くの視点を与えてくれます。ぼくも、世の中の組織や人々を新たな観点をもって観察し直してみると、これまでとは違う見え方になりました。そして、自分が今後どのような価値観とともに生きていきたいのか、どんな文化の組織に身を置いていきたいのか、自分が属する組織をどんなふうにしていきたいのか、考えるきっかけをもらいました。

人間の意識レベルや組織の発達段階に興味のある人にとっては、とても刺激的で示唆に富む書籍だと思います。長いので読むのは大変でしょうが、興味のある方はぜひ!

本書を読んだことをきっかけに考えたこともたくさんあるので、また別記事にして少しずつ書いていきたいと思います。

おもしろかったら、いいジャンしてね。

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東京にきてから 10 年が経った

2018-04-01

2008 年 3 月 31 日の上京から、まるまる 10 年が経過しました。下に貼ってある写真は上京してきた日の駅の様子。この写真は上京してきてから8年が経ったにも貼ったので使い回しです。上京の日の写真なんてそんなに何枚も持っていないというのもあるんですが、この写真に写っている駅の様子はけっこう強く印象に残っていて、ああ、自分は東京にきたんだな〜って思ったときの写真なので、何度も貼りたくなる写真なのです。

駅のホーム

この 10 年の間に

  • @mamipeko 先生と出会って結婚しました
  • 就職、転職、転職を経て、3 つの会社でのお仕事を経験してきました
  • 大田区蒲田に 9 年ほど住み、人生の中でいちばん長く住んだ街が蒲田になりました
    • それまでは 6 年半ほど住んだ北海道釧路市が最長でした
  • 当初は「武者修行」と思って東京にきたものの、結婚して長く住んだら「第 2 のホーム」という感じになりました
  • 自分は超人ではないと自覚したけれど、かといって無価値というわけではないと自信がつきました
  • やっぱり、人間と社会のことを想うのが好きです

特に最近はいろんなことがうまくいっていて、奥さんもぼくも「最近はますます楽しいね」と言っています。直近 10 ヶ月くらい、生活のあらゆる面が充実していて、楽しく健康に過ごしています。そんな環境には感謝しきり。

自分の能力や現在位置については「もっとこう、バーンといかないものかねぇ」と満たされない気持ちは丸 10 年ずっと途切れずに続いていますが、心を蝕むような無力感とまではいかないので、そんなフラストレーションも前に進む力に換えてがんばっています。

次の 10 年

引き続き、楽しく元気にやっていきたいと思います。さすがに同じ業界に 10 年いるので、ここまでに積み上げた財産だけで生計を立てることはできるな〜という感触はあります。ただ、スキルと経験の貯金を切り崩して暮らしていくのはつまらないので、コンフォートゾーンを飛び出して新しいことにチャレンジする気概を忘れず、これまで以上にフレッシュな大和田であれるようにがんばっていくぞ!ぼくは「退屈」がとても怖いので、退屈な日々にならないようにしていかねばな…。

10 年前の自分へ。エイヤッと東京にきてみて、よかったと思いますよ。とびきりかわいい奥さんも見つかりました、ラッキーですね。東京に住んでいる状態、もっというと蒲田に住んでいるときに観る映画「シン・ゴジラ」は最高でした。自分の住んでいる街がめちゃくちゃに破壊される映像作品ってのは感情移入しやすくていいですね。コミット先としてウェブ業界を選んだのも大正解だったと思います。おかげで、好きなことをしながらスキルアップして楽しく暮らせています。自信を持ってくださいね。

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Twitter との 11 年間、GitHub との 10 年間

2018-03-30

ぼくが Twitter を使いはじめたのは 2007 年 3 月 27 日。

ぼくが GitHub を使いはじめたのは 2008 年 3 月 28 日。

Twitter との付き合いは 11 年、GitHub との 10 年になりました。けっこうな期間をこれらのソフトウェア・プロダクトとともに生きてきたことになるので、ここらでちょいと思い出話でも書いてみようかと思います。

Twitter との 11 年間

これがぼくの記念すべき最初のツイート。寝ているときに投稿しました。Status ID は 13,374,921 ですよ、若い!最近のツイートだと ID は 98 京とかですもんね。パッと見で桁がわからないくらいの数。

その 2 週間後には「身内が増えてきた」とツイートしています。音符マークとか使っている時期があったんですね、なんだか頭が悪そうなツイートで恥ずかしいです。

2007 年というとぼくは札幌市内に住む大学院生で、Tim O’Reilly の What Is Web 2.0 や梅田望夫さんのウェブ進化論を読んでめちゃくちゃに気分が高まっていました。「これからはウェブが盛り上がるんだ、きっと」と思っていたはずです。学生時代の終わりが近づけば近づくほど「どうやったら、ウェブの発展に関われるような日々を送れるだろうか?」と考えていたように記憶しています。当時は、今ほどウェブ系企業の求人は多くありませんでしたからね。

ちなみに当時の Twitter は今ほど高機能ではありませんでした。ここ 11 年での変化などなどをざざっと書き出してみると、こんな感じでしょうか。

  • 日本語をうまくツイートできない時期があった
  • ぼくが使いはじめたとき、すでにメンション機能はあった
  • nudge という機能があった (いつの間にか消えた)
  • Google Talk 経由で使うと快適だった
  • 昔は負荷が高くなるとネコの画像が出た、いつからかネコの代わりにクジラが出るようになった
  • フィーチャフォン用の「モバツイ」にはずいぶんお世話になった
  • 「リナカフェなう」するのが夢だった
  • 公式に「いいねされた」を知る術がなかったころは「ふぁぼったー」を見ていた
  • 公式に、画像を添付してツイートできるようになった
  • リスト機能が生まれた
  • ハッシュタグが生まれた
  • リツイートや引用ツイートが公式機能になった

2007 年というのはぼくにとっては「大当たりの年」で、Twitter と Tumblr と Ustream に出会えたのがこの年なんです。たかだか半年くらいの間にこれら 3 つの刺激的なプロダクトがぼくの生活に立て続けに入り込んできて、各種書籍やウェブメディアが声高に叫ぶ「ウェブは次のバージョンに進化したんだ!」というのが、決して夢物語ではなく、実際にぼくの生活を塗り替えていくものなんだと感じる日々でした。

そんな 3 つのプロダクトの中でも、なんやかんやで最も多くの時間をともにしてきたのは Twitter でしょう。ぼくが所属していた研究室は、Twitter 登場移行は新しい後輩たちが入ってきても連絡先として電話番号を教えてもらうことは一気に少なくなり、Twitter で生存確認するようになりました。ぼくが札幌を出て東京にやってきても、すぐにいろんな人たちとごはんに行けたりしたのは Twitter とウェブのおかげです。

ありがとう、Twitter。

GitHub との 10 年間

これは Gmail の inbox に今も残っている招待メール。最近の GitHub の Signup のフローがどんなふうになっているのかは知らないけれど、当時は @mojombo 先生から招待メールが送られてくるフローだったっぽいです。最後の行に @defunkt 先生と @mojombo 先生の連名で署名が入っているの、いま見ると熱いですね。まだ初期のころなので「俺たちの GitHub を楽しんでくれよな」感があります。

実をいうと、このころの GitHub 関連の記憶ってぜんぜんないんですよね。どのようにして GitHub を知って、どのように Signup に至ったのか。なんにも思い出せません…!

このブログで最初に GitHub に言及したのは 2008 年 5 月のTumblrのテーマをTwitter風にしてみたという記事でのこと。画像が表示できなかったりリンクが死んでいたりしてひどい記事だけど、Gist へのリンクがありました。このときには Gist を活用していたんですねぇ。

ツイートで最初に言及したのは 2008 年 6 月 29 日でした。ぼくは 25 歳のバースデイに Git GitHub Heroku の設定をしていたのか…もっと他にやることなかったのかよ。

2008 年 4 月に入社した会社では最初は Subversion でソースコードを管理していたので、この時期はそこまで「GitHub 最高!!!」ってなっていなかったんじゃないかなあ。このころは「Subversion + Trac + Skype」みたいなツールスタックで日々の開発を進めていました。テキストチャットツールとして Skype を使っていた時代。コミュニティでは IRC を使っているところもありました。

今では多くのソフトウェアエンジニアが「GitHub Flow」と呼ばれるやり方でソフトウェア開発をワッショイしているので、若い世代からすると「GitHub や Pull Request がない時代って、人間たちはどうやって暮らしていたの?」という感覚かもしれません。そのときはそのときのモダンとされるやり方があったんですよ〜。

ところで、この手の話をするときにぼくが必ず思い出すプロジェクトがあります。それは「CodeRepos」と呼ばれ、日本の開発者たちの間に生まれました。下記の @Yappo さんの記事を見てもらえると、当時の雰囲気を感じられるでしょうか。

YappoLogs: CodeRepos - 個人レポジトリを共有しよう!計画

さっき見てみたらサイトはエラーを吐いて死んでいる様子だったので、2007 年末のアーカイブにリンクしておきます。なつかしいなあ。Trac の画面を見るだけでなつかしい気持ちになれて便利。

https://web.archive.org/web/20071229203055/http://coderepos.org/share

まさにソーシャルコーディングというか、2018 年の人類からしたら「それ GitHub のことじゃん」って思っちゃうようなことをやろうとしていたんですよねぇ。おもしろい。

だんだんと GitHub の話じゃなくなってきましたが、あとひとつぼくにとって思い出深いのが「ustreamer」というプロダクト。これは Ustream をいい感じに楽しむためのウェブアプリケーションで、最初の作者はたしか @miyagawa さんです。いろいろと思い出すために検索していたら、今も 200 を返してくれる @otsune さんバージョンの ustreamer を発見しました。

ustreamer の時代には GitHub の Fork や Pull Request が存在しなかったので、@miyagawa さんが公開していたソースコード一式をまるごとハードコピーしてきて、手元で改変を加えて、それを自分たちのサーバにアップして公開する、ってのをやっていました。ぼくらが公開した版に @otsune さんがさらに手を加えた版が先のリンク先です。こんな調子なので、フッターに謝辞みたいな感じで名前が載っていたりします。これ、今なら GitHub で Pull Request を送りますよね〜!そういうのがない時代の思い出話でした。

これからのこと

10 年 11 年というとなかなか長い期間に感じますが、逆にまだ 10 年かそこらなのか、とも感じます。たったの 10 年ほどの間に、Twitter や GitHub はぼくの思考のありさまを変えてしまったのです。たった 10 年でこれだけの変化を起こせるということは、10 年後にはきっと今からは想像できないような方法で友人たちとコミュニケーションを取り、仲間たちとソフトウェア開発をしているのでしょう。

2028 年の 3 月には、次の 10 年をふりかえる記事を書いていられたらいいなあ。ソフトウェアが社会を大きく変えていくこの時代に生まれたことがうれしいです。次の 10 年も楽しみです。

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はむみが永い永い眠りについた

2018-03-24

約 2 年半の間、大和田家の一員としていっしょに暮らしてきたはむみちゃん。名前が「み」で終わるのでよく女の子に間違われますが、立派な男の子です。長毛種のキンクマハムスター。

そんなはむみちゃんが動かなくなっていることに気付いたのが、今朝のことでした。

はむみが我が家にやってきたのは 2015 年 9 月 21 日です。その翌日には自家用 Slack に #hamumi チャンネルを用意し、いろんなことを書き込んだり、写真を投稿したりするようになりました。

奥さんもぼくもハムスターといっしょに暮らすのは初めてのことだったので、特に最初のころは、奥さんがよく「はむみが◯◯なんだけど、大丈夫かな…?」と心配していました。

上の動画は、家にきたばかりのころのはむみの様子。元気いっぱいのわんぱく少年という感じ。毎日のはむみを観察して「はむみの状態遷移図」を書いてみたりもしました。

続いての動画は、最小限の外出で食料をゲットしようすると横着なはむみ。プレゼントしているのはラムネみたいなやつですね。

基本的には臆病で、ぼくらが手を伸ばして触れようとしても逃げまわる子でした。人間になついて手に乗っかるようなハムスターもいるみたいですが、はむみはそういうふうにはなりませんでした。ただ、家にきたばっかりのころの警戒心はどんどん薄れていき、ちょっと背中をなでるくらいならそこまでいやがらなくなっていきました。

本当はもっともっとはむみと触れ合って遊びたかったものの、家の中に放しちゃうといろいろと危険もあるので、せめてと思ってハムスター用のボールに入れてワイワイと遊んだりしていました。

たまには思い切り油断して、大事なところを丸出しにして眠っている日もありました。

はむみ、うちにきてくれてありがとう。ここ 3 ヶ月くらいは動きも昔ほどキビキビしていなくて、奥さんもぼくも「おじいちゃんになっちゃったね〜」と見守っていました。だから、いつでもお見送りできる覚悟はできていたと思ったんだけどなあ。

動かなくなってしまったはむみを抱き上げて、土の上に運ぶときに夫婦でエーンとなってしまいました。ゆっくりと幸せに眠れるように、うちの庭に土のベッドをつくって寝かせました。長毛のはむみみたいなモコモコしたお花も添えてにぎやかにしておきました。

庭を見ると、はむみがずっと愛用していた木の家があるので、いつもみたいにピョコっと顔を出してくれるんじゃないかって、そんな気がしてなりません。

あんなに小さな体で、こんなに大きな存在だったんだなぁとしみじみ思います。はむみちゃん、900 日とちょっとの間ぼくらといっしょに過ごしてくれてどうもありがとう。はむみちゃんがいっしょうけんめいに駆け回る姿が大好きでした。はむみちゃんは、うちで過ごしてみてどうでしたか?楽しく過ごしていてくれたならうれしいです。もう触ったりはできないけれど、庭を見るたびに思い出しますからね。どうか安らかに眠ってください。ありがとう。

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書籍「エンジニアリング組織論への招待」を読んだ

2018-03-21

決して読書が速くはないぼくでも購入から 5 日後には読み終わりました。スムーズに読めておもしろかったです。

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング:書籍案内|技術評論社

読んでいて安心した

実のところ、この本を読んで新たにぼくが獲得した知識や視点というのはそれほど多くはありませんでした。なので、読んでいる間のぼくの気持ちは「うんうん、そうだよね、めっちゃわかる」という感じでした。ぼくがよくチームメンバーや後輩に言うようなことがたくさん書いてありました。

とはいえ、知識や視点をここまできれいにまとめて体系的に語るってのは今のぼくにはできていないことなので、これからエンジニアリング組織論を学びたいという人には、ぼくがいっしょうけんめい語るのを聞かせるよりはこの本をスッと渡す方がいいと思いました。大作です。すばらしい 1 冊だと思います。

著者の広木大地さんは 1983 年生まれなんですね〜。ぼくと同い年です。同世代だけあって、広木さんが文中で語る世界はぼくが見ている世界に近いんじゃないかな、という印象を受けました。世界観や社会観って、生きる時代に影響を受けますよね。

読書メモ

本書は、「不確実性に向き合う」というたった1つの原則から、エンジニアリング問題の解決方法を体系的に捉える組織論です。

「不確実性に向き合う」という全体を貫くテーマ設定がいいなあ。

「情報の非対称性」を解消するには、・自分の情報を相手に伝える・相手の情報を自分が聞くという行動をとればよいのですが、この当たり前のことができなくなってしまうケースがあります。

めっちゃわかるなあ…。あるいは「当たり前」と思われていないかもしれない。これに近い話は「これからチーム開発に立ち向かう花ざかりの君たちへ」というスライドの 34 ページ目あたりに書いたことがあります。

このように将来の自分が、今現在の自分をメンタリングしている状態を「セルフマスタリー(自己熟達)」を得たと表現します。

セルフマスタリーめっちゃいい。みんなセルフマスタリーを目指そう。

このような状態は「チームマスタリー」がある状態であるといえます。この「チームマスタリー」がある状態のことをアジャイル開発の用語としては、「自己組織化されたチーム」と呼びます。

もちろんチームマスタリーも目指そう。

エンジニアリングという言葉の指し示す対象を「方法不確実性の削減」だと狭く捉えてしまうと、「目的不確実性」や「通信不確実性」が形を変えて、方法不確実性の増大を引き起こします。エンジニアリング全体を「不確実性のシステム」の中で捉え、「不確実性削減のシステム」を追加することがエンジニアリング組織の役割だといえます。

不確実性を 3 種のカテゴリで整理して捉えているのも本書のいいところですね。だいぶ話がすっきりする。こうして文章にしてみると、エンジニアリングはめっちゃかっこいいやんけ。エンジニアになりたい!

システム思考、創発や自己組織化、禅のようなメタファーは、複雑系科学やシステム論の用語で、それを知らない人に伝わりません。通信不確実性こそ、対応していくべきことであるのに、その用語を乱暴に用いたり、コミュニケーションを断絶することに一役買ってしまいます。

ぼくは複雑系を専攻していた時期があるので、この手の概念は身近に感じられるのでした。ラッキー。でも、みんながみんなそうじゃないってことは覚えておかなきゃですね。いましめ。

私たちは感情的な生き物です。組織構造にしてもアーキテクチャにしても、「構造」が与える力は見えづらいものです。ですので、意識的・無意識的に個人の問題として隠してしまおうと、つい考えてしまいます。構造上の問題は、誰かのせいでないのと同じくらい、私たち自身を含んだ全員の責任でもあるからです。

はい、その通りだと思います。

しかし、根本的な問題が「構造上の問題」にあると気がつけば、対立は消滅します。解決すべき問題はその姿が見えてしまえば、「悩み」は「考える」に変わります。必要なのは、妥協でも、政治でも、卓越した技術力でもありません。組織やビジネス、プロセス、そしてシステムへの「エンジニアリング」なのです。

共感しかないなあ。エンジニアリング、めっちゃかっこいいやんけ(2回目)。今日も明日も、しっかりエンジニアリングしていきたいと、そんな気持ちになれました!

まとめ

ソフトウェア開発に関わっていて「なんだか、うまくいかないもんだなあ」と思っている人がいたら、試しに読んでみるといいんじゃないでしょうか。新たな視点を得ることで「なーんだ、そんなことだったのか」となる問題はたくさんあります。

本書は、問題の正体を理解するためのたくさんの視点を与えてくれる 1 冊です。それらは、とても体系的に筋道立てて書かれているので、よくわからん精神論や経験談ではない形で読者のもとに届きます。わかりやすく書かれているので、どなたにでもおすすめできます。

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「Hi-Ether Meetup - Block #1」に参加してきました

2018-03-12

「Hi-Ether」の概要などは Genesis Meetup である前回の参加レポートに詳しく書いたので、そちらをご覧ください。

前回の様子 : 「Hi-Ether Meetup - Block #0」に参加してきました

ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書 by 篠原航さん

篠原さんより、先月に発売された書籍のご紹介です。「DMM の D は Decentralized の D!」がだいぶおもしろかったです。発表資料にも書かれている通り、こちらの書籍は技術情報はもとより読み物として楽しめるコンテンツも充実しており、暗号通貨や Ethereum のことを包括的に学ぶのにおすすめの一冊です。

ぼくはちゃっかりしているので篠原さんのサインをゲットしちゃいました。かわいい Ethereum マークつきです!

2018-03-12 22.44.39

暗号通貨好き好き軍団 〜速・続・バーンでSKY〜 by あんちぽちゃんさん

続いては、弊社 CTO のあんちぽちゃんさんのトークでした。ぼくの記憶がたしかなら、発表中に「SKY」の解説はなかったと思いますね…!

ぼくにとっては「うんうん」「そうそう」という内容でしたが、会場のみなさんは楽しんで聴いてくれていたようでした。暗号通貨やスマートコントラクトが浸透した世界を実現するために、各社がんばっていきましょう!ぼくとしても、他社さんのこういった事例があればぜひ知りたいです〜!

社内仮想通貨をモバイルDapp(iOSアプリ)で実装してみた話 by 佐藤大輔さん

社内通貨、夢がありますよねぇ。モバイルアプリから Ethereum ブロックチェーンを活用する実践的なお話でした。

Webapp への仮想通貨決済に関しての考察。 by 高木昭博さん a.k.a TeburaNinja

前回の Meetup でも気になっていた人は多いはず、本当に忍者の衣装で登場する TeburaNinja さん。あの衣装は伊賀から取り寄せているとのことです。本場モノ!

コインロッカーのシェアリングエコノミー的なサービス Tebura の紹介と、暗号通貨決済に関する考察でした。

イーサリアム&ERC20 対応のスマホネイティブウォレットアプリを作ってみた by 中村昂平さん

ERC20 対応ウォレットのモバイルアプリを実際にリリースしてみた!という体験談です。このあたり、やはり ÐApp のキラーアプリが登場すると利用が一気に加速しそうだな〜と思いました。今はみんなで模索しているような感じ。

まとめ

前回の Meetup で @mituoh くんが着ていたのと同じフーディを今回の Meetup で @alitaso346 が着ていておもしろかったです。せっかくなのでふたりを出会わせておきました。

前回に引き続き実践的な内容のトークが多く、懇親会も盛り上がって楽しかったです!ぼくは受付をやっていたからわかるのですが、80 人の参加枠に対してほぼ 80 人が参加していて、都内での技術系イベントなのにこんなに出席率が高くてびっくりです。Ethereum コミュニティ、盛り上がっています。今後も 40 日に 1 回くらいのペースで Meetup を開催していきそうなので、興味を持った人はジョイナス!

Ethereum 開発者向けコミュニティを作ったよ

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