#june29jp

「自分たちは成長する存在である」と信じること

2018-03-10

ペパボカレッジ 6 期

今月、ペパボの東京オフィスでは「ペパボカレッジ 6 期生」の研修が行われています。ペパボカレッジ、通称「ペパカレ」は、めちゃ簡単にいうと「約 1 ヶ月間のエンジニア研修を受けられる中途入社」です。第 6 期はインフラ編ということで、インフラの研修の日々が続いています。ぼくは、ペパカレが大好きなんですよ。なんでかっていうと、これは「挑戦する人を応援する仕組み」だからです。

これまでのペパカレも、

  • ウェブ業界に興味はあるけど、即戦力というわけでもないし…
  • モバイルアプリの開発をやってみたいけれど、自分がいきなりできるかはわからないし不安…

そんな人たちが勇気をもって飛び込んできてくれて、研修を経て現場に配属され、今ではみんな大活躍しています。ヒュー、最高ですね!

ふりかえり会

そんなペパカレ 6 期において、ぼくは週次のふりかえり会を担当させてもらえることになり、3 月 9 日に最初のふりかえり会を開催しました。社内でふりかえり会の設計から司会進行までを任されることは珍しくないのですが、ふと、今回のふりかえり会で 6 期生たちに伝えたことは実はとっても大事なことなんじゃないかと思い、あらためて文章にしてここにも書き残すことに決めました。

なんでしょうね、ペパカレ 6 期生たちがぼくの話をいっしょうけんめいに聞いてくれたからでしょうか。ここ数年の自分にとっては当たり前になっていることを話しただけなんですが、「あれ、これ大事なことなのでは…?」と思わされたんですよ。不思議なものですね。

自分たちは成長する存在である

もしぼくたちがまったく成長できない存在なのだとしたら、ふりかえりなんてやる意味がありません。今後も今と同じやり方で今と同じスピードでしか仕事をこなせないのだとしたら、成果は投じた時間に比例するだけですから、ふりかえりなんてやらずに作業の時間を取った方がよいことになります。

ぼくらは、成長する存在です。ある期間のよかったこともよくなかったことも受け止めて「次は、もっとうまくやれそう」「うまく進めるためには、こういうことを身につけるとよさそう」「ここを伸ばすとよさそう」と思えたなら、きっと前に進めるでしょう。それを何度も何度も繰り返して、少しずつ物事をうまくこなせるようになっていきます。知見が貯まってきたら「あっ、こういう状況では、こうふるまっておくといいはずだ!」と行動できるようになります。だから、未来に対して明るい展望を持てるわけです。

自分たちは成長する存在である──これを心から信じられるかどうか。

ふりかえりを実施する上での前提として、その場に関わる全員でしっかりと確認しておくべきことです。

ちなみに今のぼくは、これを信じられないチームで仕事をするのは精神的に耐えられませんし、今後もそんな現場に身を置くつもりはありません。成長をあきらめて過ごすには、ぼくの人生はあまりにも短すぎる。

不完全でもいい

成長するということは、今はまだ完全体じゃないということでもありますね。それでいいんです。チームメンバーや同僚たちの前で「完全な存在であるフリ」をする必要なんてないんです。

ふりかえりにおいて大事なのは「どれだけ成長できるか」なので「現時点でどれくらいか」は気にしすぎることはありません。たしかに、自分の弱みをさらけ出すことには恐怖を伴います。怖いですよね、ぼくもそう思います。ただ、弱みを隠そうとした結果として成長機会を逃してしまったら、今後も変わらず弱いままになってしまうので、そっちの方がもっと怖いはずです。

ペパカレ 6 期生たちは「ここでは、わからないことをわからないと言ったときに、馬鹿にしてくる人はいない」と言ってくれました。そう思ってもらえているなら、ぼくらがよい環境を守れていると言ってよさそうです。

この考えは、いつから?どこから?

ぼくは、いつからこの考えを持っているんだろう?どこから取り入れた考えなのだろう?と思って、ちょっとだけ調べてみました。

なんとな〜く @kakutani さんが「アジャイルがうまくいくかどうかは、自分たちが成長できる存在であると信じられるかどうかにかかっている」とか言っていたような?覚えがあるんだけど?はたして?

いろいろと検索してみて、ようやく見つけたのはこれ。今から約 9 年前に公開された 角谷信太郎――「スーパーマンである必要はない」 - @IT自分戦略研究所 という記事の一節。

繰り返しになりますが、重要なのは「人は学べる」という前提を信じられるかどうか。

これがベースにありつつ、自分の中に定着して自分の考えになっていったのかな!たぶん!

お読みいただき、ありがとうございました

おもしろかったら いいジャン! してね

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プログラミング言語 Ruby の生誕 25 周年に寄せて

2018-02-20

次の週末、2018 年 2 月 24 日(土)には、Ruby の生誕 25 周年をお祝いするプログラミング言語Ruby 25周年記念イベントが開催されます。オンラインでお祝いのメッセージを募集しているとのことなので、ぼくも日頃お世話になっている Ruby に感謝のお手紙を書くことにしました。

言語を選ぶということ

おそらく 10 年よりもっと昔、どこぞの英会話スクールが「英語を話せると、10 億人と話せる」というコピーでテレビ CM を放映していた時期があったかと思います。たしかに、英語を選んで学習すれば、英語圏のすべての人たちと会話できる潜在的機会を得られることになります。たとえば日本人のあなたがフランス人を相手に情熱的な恋をしたら、その相手とたくさんのことを話すために、熱意を持ってフランス語を学ぶかもしれません。

なるほど。「言語を選ぶ」ことは「話し相手を選ぶ」ことにつながるのですね。

10 年とちょっと前に「おもしろそうだし、やってみよう」と Ruby を選んだぼくには、Ruby 札幌の人たちがワイワイとやっているその会話に自分も参加したいという気持ちがあったと思います。なんだか楽しそうに Ruby のことを話す大人たちの話し相手に、ぼくもなりたかったのです。

日本語の「おもてなし」「もったいない」「わびさび」「絵文字」などが、そのままの音で「OMOTENASHI」「MOTTAINAI」「WABI SABI」「EMOJI」として国外でも浸透している例があります。日本に独自の考え方や概念は、他の文化圏の言語にうまく翻訳できないからですね。一方、我々のように日常的に日本語を扱う人にとっては、これらの概念は身近なものだったりします。

なるほど。「言語を選ぶ」ことは「接する文化を選ぶ」ことにもつながるのですね。

プログラミング言語 Ruby と友だちになってから

ここでいう「友だち」というフレーズはもちろん、オブジェクト指向スクリプト言語 Ruby の公式ウェブサイトに掲げられている

A Programmer’s Best Friend

というタグラインから採っています。キャプテン翼よろしく、ぼくからすると「ルビーは ともだち こわくないよ」というわけです。

実際のところ、Ruby に触れるようになってから、たくさんの Rubyist たちとお話する機会に恵まれました。すごすぎるコミッターのみなさん、かっこいい先輩、尊敬できる同年代の友人たち、可能性に満ちた後輩と、魅力的な人たちとの出会いがたくさんありました。ぼくがここまでプログラミングを楽しめるようになれたのは、Rubyist のみなさんのおかげだと思っています。

「いいなあ」と感じる文化にもたくさん触れました。「MINASWAN (Matz is nice and so we are nice)」の標語に触れて、ぼくも nice でいたいな〜と強く思うようになりました。まつもとさんが言う「名前重要」は、ちょっとアレンジして「命名重要」としているものの、まつもとさんから拝借して今では自分の大事な考えの一部としてすっかり定着しています。

プログラミングのあれこれについても、Ruby を通じて学んだことが多いです。新しく言語を学ぶときには「Ruby でいうアレだな」とマッピングすることが多いので、今では自分の母国語と言えそうです。

これからプログラミングを学ぼうとしている人へ

2018 年は、今までのどの時代よりも「プログラミングを学び始めたい」と考えている人口が多い時代だと思います。今日も世界のどこかで「プログラミングを始めようと思うんだけど、最初の言語は何がベスト?」という質問が生じ、それぞれに思い思いの回答が寄せられていることでしょう。

「どんな人たちと会話をしていきたいか」「どんな文化に触れていきたいか」という観点で言語を選んでみるのもよいですよ、とぼくからはオススメしておきます。言語作者のインタビューなんかは検索すればすぐに見つかりますし、各言語のコミュニティイベントの様子もすぐに確認できますからね。ためしに探してみてください。

25 周年、おめでとうございます!

25 年もの間、Ruby がすくすくと育ってくれたことに感謝します。

Ruby のある世界に、Ruby のある時代に生まれてこれてよかったと本当に思っています。最近のぼくが日頃からお世話になっている人々は、Ruby のおかげで会えた人が多いですからね。今のお仕事にも就けているのも Ruby のおかげじゃないかなあ。

今後も 30 周年、35 周年、40 周年…と、節目のときにはこうやってお祝いできるといいなあ。ますますの発展を願って、締めとさせていただきます。この度はおめでとうございます!

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書籍「フィンランド 豊かさのメソッド」を読んだ

2018-02-12

先月には書籍「未来型国家エストニアの挑戦」を読んだを書いており、世界のいろんなおもしろ文化に興味を持って調べている最中の june29 です。エストニアに続いてフィンランドですから、今は北欧の文化に惹かれているというのがばればれですね。エストニアは特に「電子化」の部分を知りたくて調べていました。フィンランドについて最も気になったトピックは「教育」です。

最初に、書籍の紹介文の一部を引用しましょう。

経済協力開発機構(OECD)による生徒の学力調査(PISA)で、フィンランドの子どもたちがトップの成績を挙げて以来、その教育のあり方に注目が集まっている。またフィンランドは、世界経済フォーラム(WEF)の国際競争力ランキングでも、何度も1位に輝くなど、経済的にも発展している。充実した福祉、女性の社会進出、透明性の高い税金の使途……日本とは対極的とも言える、その成長の秘密は、どこにあるのだろうか。現地の大学院留学など、フィンランドで過ごした貴重な体験をもとに語る、“不思議で豊かな国”の素顔。

これを読むだけでわくわくしちゃって、勢いまかせに Kindle 版をポチッとしちゃいました。

フィンランドの人口は 2012 年のデータで約 532 万人。2017 年 3 月のデータで北海道の人口が約 534 万人ですから、ほとんど北海道民の数と同じと言ってよさそうですね。フィンランドの国土面積は、日本から九州を引いたくらいだそうで。このことから、人口密度は日本よりもずいぶん低いことがわかるでしょう。

せっかくなので日本語版 Wikipedia のフィンランドのページからも引用します。

人口や経済規模は小さいが、一人当たりGDPなどを見ると豊かで自由な民主主義国として知られている。フィンランドはOECDレビューにおいて「世界で最も競争的であり、かつ市民は人生に満足している国の一つである」と2014年には報告された。フィンランドは収入、雇用と所得、住居、ワークライフバランス、保健状態、教育と技能、社会的結びつき、市民契約、環境の質、個人の安全、主観的幸福の各評価において、すべての点でOECD加盟国平均を上回っている。

そんな国の文化から、ぼくが学べることはなんだろうか。ぼくが日々に活かせることはなんだろうか。そういう気持ちで読みました。

ちなみにこの書籍は 2008 年に出版されたものなので、2018 年に読むとしたら「執筆から 10 年ほど経過している」という事実は頭に入れておくとよいでしょう。

読書メモ

まずは雑多なメモを箇条書きで。

  • 「サウナ」はフィンランド発祥で、フィンランド語の Sauna がそのまま日本でも定着している
  • まず残業をしないし、夏には4週間の休暇をとるのが当たり前
  • フィンランド人の当人たちは「国際競争力1位、そうなんですね〜」という感じらしい
    • 失業率が高いということがあり、その影響で「景気がよい」とは感じにくいのだそう
  • 「新卒」という雇用の枠組みがなく、就職活動はけっこう大変
  • 「効率のよさ」を重視する傾向が強く、日本人からすると「ちょっと冷たいのでは?」と感じる面があるとのこと
  • フィンランド語には、日本の敬語のような複雑なシステムがない
    • 厳密には存在するが、目上の人もそれを使われることを好まず、だんだんと使われなくなってきている
    • 肩書きや敬称ではなく、下の名前でフランクに呼ばれることを求める場合が多い

ここからは、そもそものお目当てであった「教育」関連のトピックを、引用を交えながら。

フィンランドでは、教師は伝統的に人気の高い職業だ。もちろん安定性や長い夏休み、といった魅力もあるが、給料は仕事の大変さ、責任の重さに比べれば、けっして高いとはいえない。しかし、フィンランドに「教師は国民のろうそく、暗闇に明かりを照らし人々を導いていく」という言葉があるように、国民から尊敬されてきた職業なのだ。

なるほど、教師は人気、と。

とはいっても、「小学校のときに教わったあの先生に憧れて教師になりたい」と思っている人は、私の周りにはほんのわずかしかいなかった。逆に教職を目指す友人からはよく、今までに教わった変わった先生や、嫌いだった先生についての批判を耳にした。彼らが教職を目指すのは「恩師への憧れ」というよりも、それまでなんらかの形で「教える」経験をしてきており、その教えることの楽しみ、子どもたちへの愛、そして自分の知識を他の人にも伝えたいという願い、というのが大きい。そして「知識を教える」ことだけにとどまらず、広い意味で「教え育む教育」ということに情熱をもち、教師に憧れている人がとても多い。これが、専門性と人間性両方を兼ね備えた教師の質につながっていくのだろう。

じゃあどうして、そんなふうに熱を持って教育に関わりたくなる人が多いのだろう。教えることに関して成功体験を得やすい環境が整っているのだろうか。

そして教師の質とともに大事なのは、カリキュラムや教え方である。以前、ある教育大臣を務めた人物がこう言っていた。 「教育で大切なことは情報を与えることだけではない。自分で考える力、問題解決能力、想像力、理解力、適応力を養うことである」

これはいいですね。国も教育に携わる人たちも「教育とはなんなのか」をしっかりと言語化して、行動の軸に添えている印象を受けました。

フィンランドの試験には、日本でよくある穴埋め式や選択式というのはなく、基本的には論述式である。例えば歴史の問題であれば、「フランス革命について述べよ」といった問いで、解答には、年号だけではなく、革命が起きた背景、実際に誰が何をし、どうなったのかなど、かなり幅広い知識と論旨の流れが求められる。

丸暗記では太刀打ちできないタイプの問題ですねぇ。総合力が問われるタイプ。

ぼくがこの本を読んでいたころに日本では、大学入試センター試験で「ムーミンの舞台がフィンランドであるかどうか」を問う問題が出題され「そもそもこんな知識が大学に入るのに必要なのか」という声が飛び交っていたというのはなかなかおもしろいな、と思ってしまいました。他人事だ。

しかしこれだけ教育に力を入れている国であっても、受験戦争といった競争もプレッシャーも学校や家庭にない。むしろのんびりとした、おおらかな空気が漂っている。それは中学での選択が一生を決めてしまうということではなく、回り道をしても、迷いながらも、いくらでもやり直しがきく社会や環境があるおかげであろう。

ぼく個人は、いわゆる「受験戦争」ってやつを経験せずに大人になったので、アレのよしあしについて具体的に語れることはほとんどないのだけれど。それでも、原子爆弾を落とされて戦争に負けて「もう戦争はしない」と宣言している国において、若者たちを争わせる仕組みに「受験戦争」と呼び名を与える価値観は控えめにいっても異常だとは思いますね。話が逸れました。

世界的に見ると、どうなのでしょうか。もっとフィンランドの教育の雰囲気を見習った方がいいのか。それともフィンランドが例外なだけで、やっぱり煽るようにして勉強させた方がよい結果につながるケースが多いのか。このあたりはよく知らないので、今後また調べていきたいです。

さて続いては、養豚や農業で生計を立てていたとある農家一家のエピソードから。様々な事情によって養豚を続けられなくなった一家の、定時制高校で学ぶ 40 歳の奥さんのお話が紹介されている。

数年前、一家から養豚をやめると聞いたときは「この一家、路頭に迷ってしまうのでは……。子どもだってまだ小さいのに」と私はかなり心配したのだが、当の本人たちはあっけらかんとしたものだった。「大丈夫、なんとかなるし、また勉強して新しい仕事を探せばいいから」と笑って言っていた。そして、二人とも勉強という選択肢を選び、着実に新しい道を切り開いていっている。この一家をみていると、勉強や転職には年齢はあまり関係ないんだな、とつくづく感じさせられる。

フィンランドでは、生涯を通じて「学び続ける」という習慣があるようです。まぁ「大変だ」と思わないわけではないものの、ぼくは「いいなあ」と強く思います。いやなのは「特定の、学ぶべき時期」が規定されていて、その時期にうまく学べなかったらもう手遅れ、みたいなルールなので。いくつになっても学べる、それでなんとかなっちゃう、という楽観的な雰囲気はポジティブな行動を誘発するだろうと想像します。

教育は何も親のためや強制されるものではなく、自分の身を守るための、そして能力を高めるための切り札であり、努力したぶん、いずれ自分にプラスになって返ってくるという意識がこの国にはある。

なるほどな〜。制度やらカリキュラムやら云々って話ももちろんあると思いつつ、この意識を浸透させられていることが何よりの武器なのだ、と思ってすっかり納得してしまいました。

まとめ

2008 年に出版された書籍「フィンランド 豊かさのメソッド」を読みました。ぼくが興味を持っている「フィンランドの教育」について、多くのことを知れました。またそれだけではなく、フィンランドの文化を形成する様々な景色も見ることができました。とってもおもしろかったです!

教育系の事業に関わる人にとっては、フィンランドの事例ってよく知られているのかしら。「こういうのもあるよ、おすすめだよ」という情報があればぜひ教えてください。

フィンランド 豊かさのメソッド (集英社新書)

フィンランド 豊かさのメソッド (集英社新書)

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「Hi-Ether Meetup - Block #0」に参加してきました

2018-02-04

2018年2月2日(金)に渋谷で開催された「Hi-Ether Meetup - Block #0」に参加してきました。昨年12月に書いた Web アプリケーション開発者のための Ethereum 入門 という記事でも触れた Hi-Ether という Ethereum に興味のあるエンジニアのコミュニティの、記念すべき初めてのオフラインイベントになります。

Hi-Ether について by @amachino さん

まずは Hi-Ether の立ち上げ人である @amachino さんから、コミュニティの紹介がありました。ぼくはもともとコンセプトに共感したから参加させてもらっていたわけですが、今回こうして @amachino さんの生トークとして「こういうコミュニティにしたい!」というのを聞けて、胸が熱くなりました。

現に、Hi-Ether に参加してから Ethereum についてあれこれ調べたり学んだり触ったりするのがますます楽しくなったんですよね。気軽に質問したり相談したり議論できる人たちがいるって、本当にありがたいです。コミュニティの「こうありたい」あるいは「こうはありたくない」をしっかり理解した上で、いい関わり方をしていきたいな〜と思いました。やっていくぞ!

DAICO を実装してみた by @syrohei さん

続いては DRI のファウンダである @syrohei さんのトークでした。

Explanation of DAICOs - Better ICOs - Ethereum Research

既存の ICO の問題点を克服し得る「DAICO」という概念の登場を受け、独自の解釈を加えつつ検証用にさっそく実装してみた!というお話でした。1月17日には DAICOの最初の実装を公開しました – DRI Blog という記事も公開されていたので、目にしていた人も多かったことでしょう。

Ethereum で「今」サービスを作る by @sot528 さん

3つめは、2017年9月に ICO を行い日本円にして約4億円を調達して大きな話題にもなった ALIS の CTO の @sot528 さんのトークです。冒頭で「アウトプットはあまり得意ではなくて…」と言っていたので「なにをおっしゃいますやら!」と思いながら聞いていました。

ぼくは個人的に ALIS を応援しているので、ALIS の開発の現場の「実際のところ」をたっぷり聞けてなんとも俺得な内容でした。

Ethereum に興味を持って学びはじめて、チュートリアルをこなしてサンプルの独自トークンをつくってみるまではいいものの、いざ一般利用者向けの ÐApp を開発してみよう!となると、途端に「あれ、こういうときはどうするんだ…?」「これ実用に耐えなくない…?」と壁にブチ当たることになるかと思います。ぼくはそうなりました。ぼくと同じような立場の人ならきっと「他のみなさんはどうしているんだろ…?」と疑問を持つはずで、その疑問に対するアンサーがふんだんに盛り込まれているトークでした。ありがたや!

スマートコントラクトの定時実行を調べてみた by @blueplanet さん

LT 枠のひとつめ!

スマートコントラクトの定時実行を調べてみた - Qiita

いわゆる cron 的な機構が備わっていない Ethereum 上のスマートコントラクトで「定時実行、どうすんの?」というお話でした。トーク中には具体的なユースケースには触れられていなかったと思いますが、実用的な ÐApp をつくろうと思ったら必要になる場面は出てきそうですね〜。

Dapp 開発をしてみる by @ngo275 さん

LT 枠のふたつめ!AnyPay の @NGO275 さんです。

(トークタイトルはイベントのタイムテーブルにあったものをコピーしてきました)

スマートコントラクトで「イベントの参加者管理アプリケーション」をつくってみたよ、というこれまた実践的なお話でした。「参加費をたくさん払うと優先的に参加できる」というギミックがおもしろかったです。抽選で外れてしまった人には自動で参加費が返金される、というのはまさにスマートコントラクトのいいところですね〜。飲食店のドタキャン問題が騒がれる昨今でもありますから、スマートコントラクで世の中をよくしたい!というテンションになれて最高でした。

ソースコードも ngo275/Meethereum: Meetup on Ethereum に公開されています。ミーサリアム!あとでゆっくり読むぞ〜。

トークン運用の三要素(発行・移転・消却) by Shu Kobuchi さん

LT 枠のみっつめ!

ブロックチェーン推進協会の会員企業である株式会社キューブシステムの Shu Kobuchi さんのお話でした。Vitalik さんとのツーショット写真、めちゃインパクトがありますね!やばい!

今回は3要素の中でも「消却 (Burn)」に焦点をあてた内容で、ぼくは Burn についてそこまで具体的に考えたことがなかったので、終始なるほどな〜と思いながら聞いていました。

個人的メモ

以下は読者向けではない、ぼく個人としてのメモです。

  • @amachino さんに「Hi-Ether をつくってくれてありがとうございます」って言えた!
  • ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書の著者のひとりである篠原航さんに「書籍、買いました!読みます!」とご挨拶できた
  • いっしょに受付を担当させてもらったのがメタップスの人たちで「お金2.0」のことなど話せてとても楽しかった
  • @gabu さんとはおそらく初めてオフラインで会い、いろいろとお話できた
  • @mituoh くんと数年ぶりに再会していろいろと聞けてよかった
  • Meetup 後に8人くらいで延長戦的にお話して、お互いにあらためて自己紹介して、もともとどういう界隈にいた人が Ethereum 方面に流れてきているのかなんとなくわかってよかった
  • 最初は「第1回」というナンバリングでしたが、準備中に「Block #1 みたいにするとオシャレかも?」と提案したところ @amachino さんが「Meetup #0」としてくれました。ジェネシス!

まとめ

初の Meetup は、とても盛り上がって最高でしたね!イベント開催時点で Hi-Ether の参加者は195人ほどで、そのうち70〜80名が渋谷に集まっていました。想像していた以上に「Ethereum そのもの」「スマートコントラクタ開発」「ÐApp 開発」に興味を持っている人は関東に集中しているようです。みなさんそれぞれ、具体的に話したいことが多くて、懇親会では活発に質問・相談・雑談・議論しあっているように見えました。

@syrohei さんの DAICO のお話を聞いているときに、まるでこの場で法案について議論しているようだなぁ、とぼくはしみじみ思ったんですね。どういう ICO が健全か、そのためにはどういった規律があればよいか… そしてその状態を実現するために技術でどうアプローチするかを、真剣に話し合う空間がそこにはあり、不思議な興奮を覚えました。Bancor Protocol もそうですけれど、社会に存在する問題を技術的アプローチで解決するのって、めちゃくちゃかっこいいですね!

ぼくは「コミュニティは、価値観とともにある」と思います。ただ人間が集まるだけでは不十分で、共通の価値観によって形成されるのがコミュニティであると捉えています。今回、Hi-Ether には「Decentralized というコンセプトを信じる」という価値観があると感じました。これはもちろん Ethereum の思想からきているものです。ここで、2018年1月6日に孫泰蔵さんが Facebook に投稿していた内容がおもしろかったので、引用して紹介しますね。Vitalik さんが孫さんにした最初の質問が

「あなたは分散型アプリケーションが好きですか?『decentralized(非中央集権)』というコンセプトを信じていますか?」

だったとのことです。もしこのコンセプトを信じられないのだとしたら Ethereum のコミュニティに属する意味がそもそもなくなってしまうのでしょう。ぼく個人にとっても、今年2018年は「あらゆることを、非中央集権的な発想で捉え直してみる」というおもしろい1年になりそうです。

Hi-Ether のみなさんにはなにかとお世話になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

俺が、俺たちが DAO だ!

そして、Hi-Ether に興味を持ったよ〜という方は、ぜひ Ethereum 開発者向けコミュニティを作ったよ をご参照ください!

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書籍「未来型国家エストニアの挑戦」を読んだ

2018-01-17

2018年1月4日から読み始めて、1週間程度で読み終わりました。これはぼくにしては早いペースです。特に、第1章におもしろエピソードを盛ってあるのはずるくて、早々にハートキャッチされてしまうので勢いよく読めました。

読書記録を書こう書こうと思って書けずにいる間に、1月15日にはワールドビジネスサテライトでもエストニアが取り上げられたのですね。ソーシャルメディア上でエストニアがちょこちょこ言及されているのを見て、よし、エストニア本のことを書いちゃおうと思っていま書いています。

エストニア 「電子国家」で変わる生活:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京

ハイライト

Kindle 端末で読みながら、なんと61ヶ所もハイライトしてしまいました。ぜんぶを引用していると大変なので、ここからさらに厳選してぼくに刺さった内容を紹介するとしましょう。

エストニア人と書面での契約をしようとすることは得策ではありません。なぜ契約相手がそのような非効率的で、安全性が低く、環境負荷を与える方法で契約するのか、エストニア人は理解できないからです。時にはあなたを疑いの目で見ることもあるでしょう。エストニアの人々は、電子署名と電子契約が、署名を安価にし、ビジネスのスピードを上げ、森の木を残すことを知っています。

ワールドビジネスサテライトの実況ツイートとして、下記のツイートがたくさん RT されていました。似たような話ですね。

国民ID番号については、日本では「マイナンバー制度を導入すると政府による国民の監視が強まる」と心配する人も多いが、エストニアではそのような心配をする人はほとんどいない。背景には、国民ID番号を利用することに長い歴史があることに加え、行政の情報公開が進んでいて、国民が知らない間に国民を監視する仕組みを作ることは困難と思われていることがある。

「情報システム」と「国民からの信頼」がセットで存在しているのだなあ。

情報公開が進んでいることで、政治家も不正行為ができない。エストニアではすべての企業献金が禁止されており、政治家は個人献金だけを受け取ることができる。当然、政治家の収入や党に対する個人の献金額も公開されているので、たとえば、選挙で多額の費用を使ったことが知られると、その金の出所をマスコミに追及されることになる。海外視察の時も、経費を何にいくら使ったか、本当に必要な支出なのかを説明しなければならない。

これだいぶ大事だと思う。たとえひとりひとりの「政治家さん」を信用できなかったとしても、不正をはたらくことのできない「政治システム」を信用できさえすれば、こんなに政治に不信感を抱いて過ごさずに済むと思うのでした。「実は、誰々さんがこんなことにお金を使っていました」「なにそれひどい」みたいなやりとり、これ以上は聞きたくありませんからね〜。

政府は作成した文書を基本的にWeb上で公開することが法律で決められている。まず、国民はネット上で政府がどのような文書を作成しているか知ることができ、ネット上でその文書の閲覧請求もできる。国民に公開されない機密文書もあるが、この場合は機密文書とした理由を政府が開示しなければならない。

いいじゃん。

選挙活動といっても、日本のように候補者名を連呼したり、街頭での演説を行ったりすることはない。

「大声で名前を連呼した方が勝つ」みたいな世界観にまったく共感できないので、こういうのはいいと思います。

セップさんも毎年3月にインターネットで税の申告を行っている。税額は行政が収入を把握しているのであらかじめ計算されており、税の申告サイト上に表示される申告書類に目を通して、記入漏れや間違いがなければ電子署名で確認をすれば完了する。書面で申告するよりも、インターネットで税の申告をしたほうが税の還付が早く、3日くらいで払いすぎた税金が戻ってくる。

いいじゃん…!

電子処方箋のおかげで、患者は慢性疾患の処方箋を得るためだけに医師を受診する必要がなくなった。患者は医師に連絡し、医師が必要な情報を入力するだけで薬局で薬を受け取ることができる。

あるいは、

エストニアではすでに医療情報の共有はできていて、電子医療記録、電子画像の保管とアクセス、オンライン予約、電子処方箋の各システムは実際に利用されている。そのため、たとえば市民の病歴などがすべて電子的に管理されているため、旅先で急に病気にかかって病院に行ったときでも、現地の医師はその患者の病歴を見て診断することができる。

は、ぼく自身はここ15年くらい病気や怪我でお医者さんのお世話になっていないのであまり実感はないものの、身近な人から病院で数時間も待たされて〜的なお話を聞かせてもらうと気分が重くなるので、そういう人たちにとってはめっちゃうらやましいことなのだろうと想像します。

エストニアの電子政府サービスの開発の特徴は、一度作ったあとは作りっぱなしではなく、利用者の声を反映させ、改良を重ねていくところにある。

おっ、どこかで聞いたような開発プロセスの話だ!

文書交換センター(DEC:Document Exchange Centre)は、国家ポータルの文書(eForms、DigiDoc)を処理するための文書管理システムおよびアプリケーションの共通の中央コンポーネント(情報システム)である。このシステムの目的は、分散された場所にある文書管理システムをX-Roadを通してリンクし、文書の短期的および長期的保管と処理を確実に行うことである。DECの機能性は文書形式には依存せず、文書の種類を制限することもない。DECは以下のオンライン・サービスを提供する。

大事な文書の保存は大事ですよねぇ。いい歳した大人が「言った」「言っていない」で言い争う時間はゴミのようなものだと思っているので、記録は大事。「1年経ったら削除する」とか言っている場合ではない。

エストニアでは、正当な理由がある場合に法律を素早く変更することができる。

いいじゃん…!なんなら「正当な理由があるのに素早く変更できない」ってなんなのだろう、という気持ちまであります。

それを実現するための重要な要素の一つは、データベース内のデータの共同使用や再利用である。電子政府の開発の初期の頃から、エストニアは「市民(利用者)からの情報を聞くのは一度だけ」という原則を持っていた。すなわち、政府サービスを利用する際、利用者が同じ情報を同じ形で何度も入力する必要がないようにしている。政府がすでにデータベース内に情報を持っているなら、同じ人が他の行政サービスを使用する場合、その情報の使用を拒否することがあってはならない。

どこぞのユーエックスデザイナーじゃなくて「国」がこれを言っているの、控えめに言って最高。こういうシステムに触れて育った人は、自身がシステムを設計するときにも自然とそういう発想をするのだろう。「同じことを2回も入力させるの、異常じゃない?」と。

もちろん、エストニアのスタートアップ企業にとって、人口わずか130万人のエストニアという国はターゲットとする市場としては小さすぎる。しかし、その小回りが利く国のサイズと、教育レベルが高く技術に精通した人々が住んでいることは、エストニアを新しい技術のためのテスト市場として機能させることに成功している。

国そのものが経済特区っぽいよなあ。

エストニアは、会社を設立する速度でいえばギネスレコードに載るレベルの速さを実現しているといえるでしょう。eIDカードかeレジデンシーカードの所持者が標準的な企業を設立するためにかかる時間は、最速で9分25秒だと聞いています。

最速10分で起業!

本章では、エストニアの事例を見ながら、日本として参考にすべき点を以下の項目について述べる。 1.明確なICT推進の基本方針の策定 2.国民の理解の獲得 3.共通基盤の構築 4.明確な技術支援体制 5.普及戦略

これは「日本」を「あなたが属する組織」に読み替えても有益になりそう、と思いながら読みました。

まず、実際に市民が利用してメリットのあるサービスを検討し、その優先順位を上げる必要がある。  一例として、かつて外務省所管の「パスポート電子申請システム」を紹介する。これは導入3年で133件しか使われず、2005年に廃止された。

えっ、日本でそんなことがあったのですね、知りませんでした。ぼくがソフトウェアについていっぱい考えるようになる前の出来事ですね。

2つ目は、その開発費用の妥当性だ。20億円以上のシステム構築費用を旅券発行数で割ると、1件当たり約1600万円になることが大きく問題となったが、なぜこのような膨大な費用がかかってしまったのかの説明は十分行われることがなかった。

ほえー、ぜんぜん知りませんでした。気になって調べてみたら2006年の記事でこんなものが見つかりました。なるほど。

電子行政:オピニオン/インタビュー - 今、あえて提言する「パスポート電子申請は“廃止”すべきではなかった」:ITpro

雑感

全体を通しての感想は「おお、ふつうだ」となりました。

ここでいう「ふつう」というのは、多くの国がそうしているとか、平均的であるとか、そういうことではなくて。「自然な状態だ」というニュアンスです。やりたいことがあったときに、それを苦労なくストレスなくふつうにできちゃう、という意味での「ふつう」です。

コアになっているのは「国民ID」でしょうね。しっかりと設計されて、実装されて、運用されている。だから強力である。まっとうに設計・実装・運用したらこうなるよな、という姿が第1章でたっぷりと描かれていました。ちょっとだけ気になる〜という人は第1章だけつまみ食いするとよいと思います。

そういう意味では、日本では「マイナンバー」が機能するようになれば、状況が大きく前進するのではないかと思います。もちろん国には「こんなふうに、最高の日々が訪れるんだ!」というビジョンをしっかりと示してくれることを期待しますが、一方で私たち国民も協力的な態度で建設的なふるまいで向き合っていかないと、国として着実に歩を進めるのは難しかろうとも思います。クソほど文句を言って足を止めさせるのは簡単ですけどね〜。

まとめ

書籍「未来型国家エストニアの挑戦」を楽しく読んだので、その読書メモを書きました。

この書籍は約2年前の発売なのですが、ぼくはこれを2018年に読めてよかったなぁと思いました。興味を持ったきっかけは「ブロックチェーン」や「スマートコントラクト」といった技術です。こういった技術について、この星の中で先行して大きな事例を生みそうな活動主体として、エストニアに注目するようになりました。もしこの書籍を2016年に読んでいたら、きっとぼくは無邪気に「これからの時代、国っていうのはこういう姿になっていくのだろう、楽しみだ〜!」と未来の国家像を想像して胸を踊らせていたのではないかと思います。しかし、2018年のぼくの感覚はまた違ったものでした。

今年はきっと「Decentralization」について何度も考えさせられることになるだろうと予感しています。これまでの約35年間を生きてきたぼくに染み付いている「国」や「企業」といったものたちの在り方が、大きく変わっていくのだろうという漠然とした予感です。この書籍を通じて視たエストニアというひとつの国の形は、今のぼくにとっては「やがてたどりつきたい目的地」としてではなく、これからぼくらが向かう方角を指し示す「羅針盤」として映りました。

まだエストニアについてよく知らないという人や、今後10年の国家や社会の様相を考えていきたいという人には、ぜひおすすめしたい1冊です。

未来型国家エストニアの挑戦  電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

未来型国家エストニアの挑戦  電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

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学習用のリポジトリを用意して、毎日の学びを記録する

2018-01-06

どうも、2018年です。年始に「今年はどんなふうにやっていこうかなあ」と考えていて、取り組みのひとつとして「学習用リポジトリ」を用意してそこに毎日の学びを記録していくことにしました。

june29/japonica: @june29 の学習帳

細かい運用ルールはやっていきながら見つけていくとして。今のところは

  • 週ごとに Issue をひとつ立てて学んだことはなんでも雑に記録する
  • 学習用にコードを書いたら Pull Request を立てて記録する

って感じでゆるゆるとやっていこうと思います。さっそく 2018-01-01 〜 2018-01-07 の学び という Issue でわちゃわちゃやっています。

やっていると、毎日それなりに学びを得ているなぁと気付けてうれしくなります。はっきりと理由はわかりませんが、ぼくは「日報」的なものが日々に定着しないままここまできたので、その日にやったことよりも、その日に学んだことを中心に記録してみたらどうだろうか〜というトライアルでもあります。

今のところ毎日楽しくやれているので、引き続きやっていきます。

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後輩にどうなってほしいか、という視点

2018-01-02

下記のツイートの補足的な文章です。身近な何人かとこのトピックでお話をしたのでメモも兼ねて。

よく言われる「上司がいつまでもオフィスに残っていると、部下も帰りにくくて帰らなくなる」とかそういうお話。もし部下を早くに退勤させたいなら、自分が率先して早く帰るのがいい。

自分ひとりのことだと思うと自分がよくないと思う行動を取っても「-1」という感じですが、仮に後輩が4人いて行動が伝搬したら「-5」になっちゃいます。ついつい「自分ひとり分の-1」の大きさって小さく見積もりがちなので、後輩の力を借りて、後輩の存在もセットで考えて自分の行動を望ましい方向に変えていけるといいですね。

過去に書いた無理してがんばっている人投票思考なんかも似たような話題です。

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書籍「お金2.0」を読んだ

2018-01-02

はじめに

2017年12月22日に購入して、28日に読み終わりました。読書の遅い自分が通勤中や社員旅行の移動中の時間だけを使って1週間くらいで読めたので、読みやすい本なのだと思います。すいすい読んじゃいました。

「お金2.0」というタイトルからは、どうしても「Web 2.0」のことを思い起こされてしまいますね。ウェブ進化論を読んだときはテンションが上がったなあ。あと、これ系のタイトルの書籍だと「Me2.0」「モチベーション3.0」も過去に読んで感想を書きましたね。久しぶりに読んでみると、当時の自分もいろいろ考えていたのだな〜と気付けてすごい。読書記録など、気持ちを記録をしておくのは大事ですね。

読書メモ

お金のことに限らず、広く「社会の在り方」について語られている本だなぁというのが全体を通しての感想です。現在、お金というものがそれだけ社会と密につながっていることの表れでしょうか。

数日前に Web アプリケーション開発者のための Ethereum 入門 という記事を書いたばかりで、ぼく自身も要素技術としてのブロックチェーンやその上で動くアプリケーションの実装である各種の暗号通貨には、強い興味を持っています。それらそのものにも興味がありますし、それらが普及したあとの世界がどんな姿をしているのかぜひとも見届けたいと思っています。テクノロジが世界を大きく変えていこうとするまさにその時代を生きて目撃できること、ラッキーだな〜と思っちゃいますね。

ウェブ進化論を読んだときは、ちょっと「(自分が)背伸びしているな」という感覚が拭えなかった(それでもおもしろかったんだからすごい)のですが、お金2.0は「うんうん」「そうそう」「わかる」と思いながら読めました。…とか言いながら、著者の佐藤航陽さんはぼくより若いんだからこれでぼくが「まったくわからん」とか言っていたらヤバいよな〜と真顔になりました。

より「自然」な社会へ

第1章の『「自然」は経済の大先輩』という節の中に、以下の文が出てきます。

「自然が経済に似ている」のではなく、「経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及した」のだということです。歴史から考えても主従が真逆なのです。

この考えには共感で、人間としてのぼくたちはより自然な社会を目指す道の途中にいるのだと捉えています。なにが自然かっていうのはなかなか難しいとしても、ふつうに暮らしていて「これはなにか不自然だな…」と感じるシーンはあちらこちらにあって。そういうのが少ない状態を、より自然な社会だとして。

具体的には「ウェブメディア運営において、ページビューを増やすためだけにひとつの記事を複数ページにわける」って、やっぱり不自然だと感じるんですよ。これは KPI 設定の歪みによってもたらされる不自然さですね。さかのぼって考えると「ウェブメディアの広告による収益化」もぼくにとっては不自然に思える、ということになります。もっと自然な状態は他にあって、いつかの未来に人類はそこに到達するだろうと予想しています。他の、不自然だと感じるものの例は「満員電車」などです。

「Web 2.0」に興奮した頃にぼくは「もっと自然な社会に近づける」と思ってうれしかったのでした。「お金2.0」にて語られている「資本主義から価値主義へ」という物語についても、ぼくは同じことを感じてわくわくしています。

経済にも訪れるグローバリズムとローカリズム

ウェブの普及によって、情報のグローバル化とローカル化が同時に進行しました。ウェブ以前に支配的であった「地理的制約」から解放されたぼくたちは、インターネットによって接続されている地球中の誰とでもコミュニケーションを取れるようになった一方で、共通の話題を持った特定少数の人たちとのコミュニケーションに収束もしていったのです。

この流れが必然的に「お金」「経済」にもやってくるのだと理解しています。実際にどんなことが起こるのかを想像するに際して、本書の第2章の「トークン化する社会」にあった分類

  1. 通貨型トークン
  2. 配当型トークン
  3. 会員権型トークン

という3種類はとてもわかりやすいと思います。ぼくも「スマートコントラクトでアプリケーションをつくるとして、どんなものをつくったら楽しいかなあ」と妄想しながら過ごしていて、いくつかアイディアは浮かぶもののあまり整理できていなかったので、この分類には助けられました。

今後、ありとあらゆるトークンが交換可能な形で存在しながら、それぞれの領域に特化した通貨のようなものが増えてくるのではないでしょうか。実店舗でお買い物するときにレジの前で「ええと、たしかポイントカードがあったはず…」などと言って時間を浪費する現状は不自然なので、もっと自然なものに置き換えが進んでいくことでしょう。

おわりに

2017年の日本では Bitcoin などの派手な対象を中心に FinTech 関連の話題が多く聞こえてきました。それらの話題にキャッチアップしたい人にはばっちりおすすめできる1冊です。基本トピック・重要トピックが一通り網羅されているので導入にはちょうどいいと思います。

今まさに進行している変化を加速させる側に立ちたい人にとっても、どんな立ち位置があり得るのかを教えてもらえる内容がもりだくさんです。よく整理されていて、幅広い層に「これを読むといいよ」と手渡せる書籍でした。読めてよかったです。

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自分の頭で考える機会を奪われるということ

2017-12-25

「考える機会を奪うのは、よくないことだ」という考えは、特にマネジメント論を読み漁っているとよく出会うでしょうか。続いて「そうすると部下が育たなくなる」といった文が添えられているのを何度か見たことがあります。

ただこれは、立場が相対的に上の人から相対的に下の人に対してだけではなく、逆のパターンもおおいにありえるのだと最近は思うようになってきました。

たとえばあなたがとある族に属していて、メンバー全員で族長をヨイショしまくったとしましょう。そんでもって族長もまんざらじゃない受け止め方をして、いい気分になって、自分をヨイショしてくれる民ばかりでまわりを固めるようになりました。そうしてだんだんと族長はまともに考える力を失い、族をよくない未来へと導いてしまったのでした…。

ウオォオォオォオォーッ

どんな立場の人であっても、考える機会を奪われ続けたら、考える能力を失って、ダメになってしまう可能性を有していることでしょう。「自分の頭で考える」を「自分の足で歩く」に置換して考えてみると、もっとわかりやすいですね。足の筋肉が衰えたら歩けなくなりますから。

また、ダメになっていく速度は、コミュニティがクローズドであればあるほど速いように思います。外界とつながっていればそこで考える機会が生じるからだ、と考えればすんなり納得できます。

これはぼくの偏見もあるでしょうが、不必要に「先生」と呼ぶのも、やんわりと考える機会を奪う行為のように思えます。なんでしょうね、二者の関係をわかりやすく「上と下」に規定するからでしょうか。もっとフラットにフィードバックしあえばよさそうなところに「先生」という呼称が当てられるだけで、呼ばれる側の方が一方的に正しいかのような錯覚を引き起こして、まともに考える機会を少しずつ減らす印象があります。そう捉えるようになってから、漫画家さんを「先生」と呼ぶことをやめました。めちゃくちゃ尊敬していても「荒木飛呂彦さん」と呼んでいます。

「考える力のない、小さな子ども」と「考える力のない、剛腕な大人」であれば後者の方が迷惑なのは明らかです。剛腕の代わりに権力を与えてみても同じでしょう。世の中にそういう状態の人が増えれば増えるだけ面倒事が増えるでしょうから、ひとりひとりが自分の頭で考えていく姿勢を維持するのは大事だと思います。機会を奪われるのも奪うのも悲惨なことです。

あなたは、誰かに考える機会を奪われていませんか?奪われているようなら、取り戻しましょう。

あなたは、誰かの考える機会を奪ってしまっていませんか?もしそうなら、きちんと返しましょう。

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Web アプリケーション開発者のための Ethereum 入門

2017-12-22

はじめに

この記事は Ethereum Advent Calendar 2017 の参加記事です。12月22日(金)の担当です。

ぼくは大学生だった2006年頃に「Web 2.0」の熱気にモロにあてられ、以降約10年間ほど広大な Web の世界を旅することを趣味としながら、Web アプリケーション開発をメインのお仕事として生計を立てて今日まで暮らしました。そんな自分が2017年に新しく興味を持つことになった Ethereum について、Web アプリケーション開発者向けの文章を書いてみようと思います。

書くにあたってのモチベーションは、こんな感じでしょうか。

  • ここまでに自分が学んだことを、この機会に整理しておきたい
  • 自分のまわりにたくさんいる Web 方面の人々と Ethereum のおもしろさを共有したい

それでなくとも、これを読んでいるみなさんは今年「FinTech」という言葉をたくさん見聞きしてきたことでしょう。ぼくがこんな記事を書かなくとも、この手の情報はとめどなく流れ込んでくる最近です。その中でぼくは、テクノロジ的な面にフォーカスして書くことで Web 方面のエンジニア向けの記事とします。ちょうど今日、日本時間の12月22日には 1 BTC の価格が 50 万円ほど下がったりもしていますが、Bitcoin で大儲けしたい!とか FinTech ビジネスで財を成したい!という人にとってはつまらない内容になるでしょう。

さて、少しだけ話を戻して。なぜ大学生だった当時のぼくが Web 2.0 と呼ばれた潮流に惹かれたかというと、テクノロジによって人々のコミュニケーションのありさまや考え方を Hack できるようになると感じたからです。ブログ、SNS、Twitter などなどの登場によって、ぼくらの日々が API 化していったからですね。事実、この10年の間にぼくらの日々は Hack され続け、2017年の日本では「インスタ映え」が流行語になりました。「写真を撮る」という行為がテクノロジによって Hack されたのです。写真を通したコミュニケーションのあり方がものすごい勢いで変わってきました。

そして、似たような名前を持つ書籍「お金2.0」を読んでいる今年のぼくは、同様に「これから、人間とお金の関係が Hack されていくのだ」と感じるから興奮しているのです。10年後、人々のお金に対する認識や考え方は今とは違ったものになっているでしょう。それも、テクノロジがもたらす変化によって。

記事のつくり

なるべく「この記事を上から下まで読めば、Ethereum の概要を理解できる」状態を目指します。

すべての枠が生まり今日まで続いてきた Ethereum Advent Calendar 2017 の記事たちが有益なものばかりなので、ひとつひとつの項目の詳細は積極的にそれらの記事に委ねてリンクしていきます。

Ethereum とは?

前置きが長くなりましたが、ここからは Ethereum について述べます。現時点での公式サイトには、以下の説明文が置いてあります。

Ethereum is a decentralized platform that runs smart contracts: applications that run exactly as programmed without any possibility of downtime, censorship, fraud or third party interference.

  • Ethereum はスマートコントラクトを動作させるための分散プラットフォームです。
  • そこで動くアプリケーションにはダウンタイムも、検閲も、イカサマも、第3者による干渉もなく、プログラムされた通りに動作します。

スマートコントラクトとは?

Ethereum の説明の中に耳慣れない言葉が出てきました。スマートコントラクトとはなんでしょうか。雑に邦訳すると「賢い契約」「ちゃんとした契約」になります。

Smart contract - Wikipedia によれば、この概念に「スマートコントラクト (Smart Contract)」という名前がついたのは1996年のことだそうです。最近生まれた概念じゃないんですね!当時は実装例として「自動販売機」が挙げられていたそうです。なるほど、言われてみればたしかに「人間を介さずカネとモノを交換できる契約」を体現しているわけです。ぼくも気付かぬうちにスマートコントラクトのお世話になっていました。

ブロックチェーンの登場によってあらためて騒がれるようになった現代のスマートコントラクトは、デジタル版・ソフトウェア版・インターネット版といったところでしょうか。

スマートとは言うものの

ぼくはしばらく、スマートコントラクトという言葉から受ける印象を素直に受け取って「スマートな契約」というニュアンスで捉えていました。しかし数ヶ月間に渡ってスマートコントラクトのことを考えたりそれで遊んだりしているうちに、実態はもっと「堅い」というか、ハードな契約という印象を抱くようになってきました。きっかけのひとつとなったのが ALISのICOについての技術的FAQ に書かれている以下の一文です。

WEBの開発というよりは組み込み系等の方が感覚的に近い。

ぼくは組み込み系の開発に携わったことがないのでわかったようなことは言えませんが、一方で Web アプリケーションの「問題があったら、変更してデプロイすればいい」という感覚はすっかり染み付いているので、それが通用しないのだ、という意味だと理解しました。

自動販売機でのお買い物では「あ、やっぱコレじゃないのにしたい」と思っても返品はできませんよね。どうしても返品したかったら人間を呼んでくることになるでしょう。そう考えると、スマートコントラクトというのは「契約の強制執行装置」なのではないか、と思えるわけです。約束を破ったり数値をちょろまかしたりはできないけれど、同時に、融通の利かないものでもあると。

この性質はしっかりと押さえておくべきだと思います。都度都度で柔軟に扱う必要のない手続きや、事前にすべてのロジックを決めておける対象でなければ、運用中に困ってしまうかもしれませんね。

Solidity ではじめてみよう

なんとなく雰囲気を掴めた(?)ところで、文章を読まされるのも飽きてきたでしょうから実装寄りの話をしていきましょう。

Ethereum のブロックチェーン上で動作するスマートコントラクトを実装する現時点での有力な選択肢として Solidity というプログラミング言語があります。まずはこれに触れてみるのがおすすめです。なんとも便利なことに、Ethereum Advent Calendar 2017 には Solidity のチュートリアルとして使える記事がたくさんありますね〜。

ちなみに Ethereum 方面のツール群は Golang、Python、JavaScript で書かれているものが多く、これらの言語が得意な人にとっては手を出しやすいでしょう。

Solidity の雰囲気

GitHub のシンタックスハイライトが Solidity に対応しておらず、すっぴんの状態で載せてもわかりにくいので BasicToken.sol を手元のエディタに放り込んで着色したときのスクリーンショットを載せます。

ぼくがこれまで触れてきた言語の中でいうと、コード面は Java に似ている感じですね。言語仕様もそこまで大きくなく、なにかしら ALGOL 系の言語をひとつでも触ってきた人なら基本的なデータ型や文法などはスッと習得できると思います。

先に紹介したチュートリアル的な記事たちに従ってひとつでもオリジナルのトークンをつくってみると、見える景色が一気に広がるはずです。

おわりに

つい最近も Apple が App Store Review Guidelines に「アプリ内でガチャを提供するときは確率をぜったいに表示しておけよ」という項目を追記したことが話題になっていました。また、クローズドな環境においてよくないことをしたのがバレて炎上する事案をいくつも見かけた今年でした。社会の情報化がますます加速し、ありとあらゆるものが記録されてログに残るようになると、人々は必然的に「高い透明性」を求めるようになるのだと思います。

そこにスマートコントラクトがうまくハマれば、公的な立場の人が約束を守らないとか、よくわからないことにお金を使ってしまうとか、言った言っていないで揉めちゃうとか、そういうことを減らしていけるのかな〜と妄想しています。「動作するドキュメント」に倣って「動作する約束」とでも呼びましょうか。よくないことをして炎上したい人なんていないでしょうから、よくないことをせずに済む仕組みが整備されていくといいなあ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。もし少しでも「おもしろそう!」と思えた人がいたのなら、いっしょにわいわいやりましょう!12月1日の記事である Ethereum 開発者向けコミュニティを作ったよ にて紹介されている「Hi-Ether」の Slack にぼくもいますので、お話相手しにきてくださいまし〜。

冒頭にも書いた通り、ここ数年ぼくは Web 界隈でワイワイやってきて、おかげで業界の知り合いも増えたのですが、Ethereum 方面のコミュニティをのぞいてみると、金融系の界隈からやってきた人たちもいるので自分にとっては顔ぶれが新鮮でおもしろいです。

たまたま流れてきたメルカリの求人を見ていたら「ソフトウェアエンジニア(Blockchain)」と書いてあって、人材市場的にもこのあたりは熱くなってきそうですね。数年後には「フルスタックエンジニア」と言われるときのスタックがもう2〜3層ほど厚くなっていそうで、ソフトウェアエンジニアってのはつくづく退屈しない職種だなぁと思います。

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