Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ | TechCrunch Japanを読んで。
自分の観測範囲でもけっこう反響が大きいなぁと思って、ちょっと思うことなどを書いてみよう。
ところで、ぼくたちが Foursquare を想うとき、同時に Brightkite や Gowalla のことを想わずにはいられない。それらに同時チェックインできる Footfeed というアプリも使っていたな。
@ogijun 座席に若干の余裕がありますよー!!
— 大和田純 公式アカウント (@june29) March 28, 2010
これは、Brightkite で「もつ電雷」というお店にチェックインしたら @ogijun さんがそれを見て駆け付けてくれた、という、我がチェックイン史に残る重大なイベントが発生したときのツイート。このとき、なんとなくだけれど「位置情報を共有することには価値がある!」と、体験をもってして明言できるようになったのだと思う。
…というのも、当時はまだ、自分の現在位置をインターネッッを通じて公言するなんて、まだまだ一部の奇人たちのものであったのだ。「そんなことして、なにか得はあるの?」という問いにはっきりと答えられるようになったのは、Brightkite と大井町と @ogijun さんのおかげだった、というわけ。それから徐々に、もっと多くの人が日常的にチェックインをキメるようになっていった。
ぼくが Foursquare にユーザ登録したのは2009年11月27日らしい。Brightkite は2008年11月21日。位置情報のロギングは、ここ3年ほどで「日常のふつうのこと」になったのだなあ!
— 大和田純 公式アカウント (@june29) May 11, 2012
この懐古ツイートがすでに約2年前のものだというのだから、月日が流れるのは本当に早い。さらに、1000年ほどをさかのぼったこんなツイートもある。
1000年前の日本には、すでに位置情報ゲームが存在していて、Foursquare でいう Mayor は「明王」と呼ばれていた。ゲーム中で、ある場所をひたすらに守り続けた明王は「不動明王」の Badge を獲得し、その土地の守り神として後世に語り継がれている。
— 大和田純 公式アカウント (@june29) July 22, 2010
さてさて、いろいろを掘り起こしていたら、過去に自分が書いたブログエントリのことも思い出した。個人の日記レベルながら、よく書けていると思う。
foursquareで遊びながらここ数年のソーシャルなんちゃらを想う - 準二級.jp
2010年2月のこの記事の中で、自分はこんなことを書いていた。
ところで、今の foursquare が最優先していることとはなんだろう。試しに考えてみる。それは「ひとつでも多くの位置情報付きデータをポストしてもらうこと」じゃないだろうか。それ以外に何かあるだろうか。ゲーム要素を持たせてユーザを乗せるのも、ポスト数を増やすため。Point 制も、Mayor の仕組みも、場所の新規登録を歓迎する仕掛けも、ポスト数が多くなるようにデザインされている。とにかくたくさんのデータを集める。膨大な数の位置情報付きデータを集める。その思惑に向かって、今のところ順調に進んでいるようだ。
そして冒頭の記事には、こんな記述があった。
Vergeのインタビューで、Croweeyは「われわれの目的は単にチェックイン・ボタンを作ることではない」と述べている。しかしFoursquareが5年前にスタートしたときはチェックイン・ボタンが必要だった。ユーザーがどこに行き、何を共有し、どう評価するかというデータを収集しなければならかったからだ。そのデータは十分に収集できた。だからもうチェックインは必要ない、ということなのだろう。Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ | TechCrunch Japan
ぼくは Foursquare のロードマップは知らないけれど、4年前のぼくがぼんやりと想像していた「Foursquare の当面の目標」は、5年ほどの歳月の果てに達成されたのかもしれない。実際のところがどうなのかは、やっぱりわからないけどね。
そんな Foursquare の尽力もあって、ぼくのまわりでも、特定の場所に対するチェックインという行為は、ずいぶんと知れ渡ったものだと思う。そうして馴染んできて、ある程度は習慣となってきた行為が、今度は奪われてしまうとしたら、その先にはどういった展開が待っているんだろうなあ。
今後も、Foursquare や、位置情報の共有と、それらが人々のコミュニケーションや意思決定に与える影響については、考えていくことになりそうだ。