ウェブのお話。
閲覧中のページにおいて、なにかログインを要する操作をしようとして、そのときたまたまログインしていない状態にあって、操作しようとしたら「まずログインしてね」といった旨のことを告げられて、そうだね、わかったよ、ログインしてくるから待っていてね、ってなったとき、自分はほとんど無意識にそのページの URL をクリップボードに叩き込むということがわかった。
だいたい「Cmd + L」でアドレスバー(ブラウザによって呼び方が違ったりするけど、つまり URL を入力するところ)にフォーカスして、すると URL を選択した状態になるのでそのまま「Cmd + C」を押してコピーする。ぼくが使っているのは QWERTY キーボードで、左手の親指で Cmd を押した状態にして右手の薬指で L を押して左手の中指で C を押す。いま、手が操作するところを目で見てみたらそういう指の動きだった。運指。やってみるとわかるけれど、1秒もかからない操作だ。
進撃の巨人で、アルミンは「100年 壁が壊されなかったからといって 今日壊されない保証なんかどこにもないのに…」と言ったが、ぼくは「いまこのページを見ているからといって ログイン後もこのページに戻ってこれる保証なんかどこにもないのに…」とよく後輩に言い聞かせている。いや、言ったことはない。思っているだけだった。でも本当によく思っている。だから、戻ってこれなかったときのために保険として URL をクリップボードに入れておくのだ。
20歳くらいのころの自分であれば「ウェブアプリの挙動をよく理解していて、ブラウザの操作をぱぱっとこなせて、困ることなく使えている自分えっへん」みたいな気持ちがあったかもしれないけれど、それは若気で、本当は、こんな工夫なんかしなくたって、ログインが必要な操作のためにログインを行ったらそのまま操作に入れるような世界になっていてほしい。それも、各ウェブアプリケーションの開発者が意識をもって取り組んだときだけそういう挙動が実現されるのではなくて、ふつうにやったらふつうにそうなる、くらいがいい。
「100年 壁が壊されなかったからといって 今日壊されない保証なんかどこにもないのに…」という台詞は、ソフトウェア開発の現場ではいろいろと改変して楽しめる便利テンプレなので、みなさんもぜひ自分の現場で活用できる台詞を考えてみてください。