- 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
- 発売日: 2006/06/23
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10分しか記憶が持たない男が主人公の物語。ノーラン兄弟の作品。映画好きの人からするとナニヲイマサラ〜って思われちゃいそうだけど、クリストファー・ノーラン監督はこの作品で一気に有名になったんですね。
描き方が非常に独特で、気軽にぼんやりと眺められる作品ではないのだけれど。事の顛末 (というか事の発端?) を見届けたくて目が離せなくなった。画面に食い入るようにして観てしまった。
観終えたあとあらためて「ふりかえりは大事だな」と思った。10分で直近の記憶を失ってしまう男には、ふりかえりの機会がない。人間だから、どうしても判断ミスをしてしまうときもあるわけだけれど、そのミスで失った分を取り返す機会がない。そこが怖いと思った。さらにいえば、それを悔いることすらないので、作中で「あなたは幸せね」と嫌味を言われていたように、覚えていないから辛いことを忘れられる分は幸せかもしれないけれど、弱い自分を乗り越えたりできないのはとても不幸に思えた。
ぼくらにはある程度の期間はもってくれる記憶があるのだから、その記憶を活かして、人生をイテレーティブにしていかなきゃと思った。失敗や後悔を忘れるまで放置してしまうと、この映画の主人公と同じような道を行くことになるだろう。