はじめに
このエントリは家庭を支える技術 Advent Calendar 2014の参加エントリです。ぼくは12月8日を担当します。前日は @darashi パイセンのたとえば、牛乳を買うといったことも忘れたくない私たちは。でした!
今回の Advent Calendar の立ち上げ人で、12月1日の担当でもある @kei_s さんの定期的に買う必要があるものをアラートする仕組みを作ったにも書いてある通り、わりと仲間内のいつものやりとりで、「うちに◯◯を導入した、いい感じ」「うちではこれ使っているんだけどハウアバウチュ〜?」的な会話は、けっこうあるんですよね。いつも楽しい。今回、もっとたくさんの家庭の、たくさんの事例を知ることができて、ずいぶんと楽しませてもらっています。みなさんありがとうございます。
なにを書こうかな
実は今年の5月にぼくの日々の暮らし 2014年春モデルというエントリを書いていて、けっこう生活のありさまは書いてしまっていたんですよね。これの焼き直し版を書きつつ、「じゃあ、なんでその技術を採用しているのか」みたいな、裏側のメンタルモデルみたいなところと、ちょっとした未来絵図みたいなのを書いてみようと思います、です。
家庭について
夫マン @june29 と、嫁ガール @mamipeko の2人からなる家庭です。新米夫婦です。
活用ツール、ジャンル問わずざっと書き出し
- Mac (ふたりとも)
- iPhone (ふたりとも)
- iPad (枕元に)
- Slack (日々のコミュニケーションに)
- LINE (ふたりの、というよりは、お互いの家族も含めたコミュニケーションに)
- Google Calendar (スケジュール共有に)
- Find My Friends (お互いの現在地確認に)
- GitHub Issues (日々のタスク管理に)
- Dropbox (ファイル共有に)
- Flickr (写真共有に)
- 各種ソーシャル系サービス (Twitter、Tumblr、はてなブックマーク等々)
- Apple TV (リビングでの動画・音楽観賞に)
- torne (テレビ番組の録画・視聴に)
- IRKit (家庭内の家電操作に)
運用、運用、今日も運用
家庭を健全な状態に維持していくというのは、本当に長期のプロジェクトで、ひたすらに運用を続けていく営みだなぁと感じます。
そいでまぁ、なにか新しいことをはじめると問題は起こるし、なにかを長く長く続けたときにいきなり生じる問題もあるし、今まで問題なく進められていたものが環境の変化だったりによって問題が発生するようになったりもするし、ひたすらに問題解決の連続ですね。問題が起きてしまうのは仕方ないとして、それをいかに、協力的に、楽しく解決していけるのかが重要だ、とそんなふうに捉えています。「ともに問題を乗り越えられた数だけ、チームは強くなる」と思っていて、それは家庭というチームにおいても同様です。
だから、問題が起こるたびに、よく話し合って、解決策を模索して、たまたま自分たちの得意な「ソフトウェア」という領域で、もし便利な技術やツールがいい感じに問題を解決してくれそうだったら、それを試しに採用してみる──ソフトウェア技術者がいるどこの家庭にも、そんなやりとりがあるんだろうなぁと、きのうまでの家庭を支える技術 Advent Calendar 2014の参加エントリを読んでいて、想像してしまいました。各自、自分の持ち場で楽しくがんばっているのかと思うと、心強いものですね。
ツールの選定に際して
幸い、プログラマがいる家庭においては、各種ツールをカスタマイズしたり、ときには独自に機能を拡張したりして、自分たちに合わせて使い方を選んでいけます。そう考えたときに、ツールの Hackability というのはとても重要で、やはり Hackability の高いものを選びたくなります。
たとえば、ぼくらが連絡用チャットツールとして選んでいる Slack は、とても Hackability が高く、さまざまなツールと連携させたり、好きなタイミングで好きな内容を投稿できたりします。たとえば、5月のエントリにも書いた通り、毎朝その日の天気を投稿するようにしていて、洗濯はどうする〜といった会話に役立てています。
今後のテクノロジーの発展に期待すること
あと、半年間ほどいっしょに生活してみて、パーソナルコンピュータというのは、本当にパーソナルコンピュータとして進化してきてしまったのだなぁと思います。パーソナル、つまり「個人用」ですね。家に置いてある iPad を使うときにも、誰かのアカウントでサインインしなければいけないわけで。タブレットにしろ、ノートブックにしろ、モバイルにしろ、「使う人はひとりである」という前提に縛られている印象を受けます。一方で、いわゆる家電と呼ばれるような、テレビとか、冷蔵庫とか、洗濯機とかは、ひとりで使おうと複数人で使おうとまるで問題がないんですよね。独り暮らしのときには感じなかったけれど、今はそういったことに気付くようになりました。
夜ごはんを食べるとき、いっしょになにかしらの映像(テレビ番組だったり、YouTube の動画だったり、DVD だったり)を観ることが多いのですが、このときの「リビングにある大型ディスプレイとしてのテレビ」というデバイスは、「家庭の時間」をつくるのに大きな役目を果たしていると感じます。
同じように考えてみると、「本棚」「音楽 CD ラック」なんかもね、本来は、その家庭の誰かが買ってきてポンッとアイテムを追加すれば、家庭内の誰もが自由に楽しめてよい類のものだと思いつつ、実際の Kindle や iTunes なんかはそうはなっていなくて、ちょっとした退化も感じます。このあたりは、近いうちに解消されそうなので、楽しみにしています。
初期のコンピュータは、それはそれは高価で、1台のコンピュータをみんなで順番に使っていたそうですね。それから数十年が経過して、1人1台どころか、1人が複数の CPU を自由自在に活用できるような世界が、すでに現実のものとなっています。じゃあ、みんなそれぞれ別々に行動することが幸せなのかというと、必ずしもそうではない気がしていて、家庭内の人々をつなぐコンピュータの在り方については、いろいろと思うところがあります。
1人1台を目指したパーソナルコンピュータの時代から、今度は逆流してファミリーコンピュータ(って言っちゃうと1983年まで遡っちゃうけれど)、あるいはソーシャルコンピュータといった方向への進化も、ありえるのではないかなぁと妄想しています。
今後も、ソフトウェア技術が、いろんな家庭の、いろんな幸せな時間を支えていってほしいなぁと思います。また、そこに自分も貢献できるといいな。がんばろう。
おわりに
このエントリは、家庭を支える技術 Advent Calendar 2014の、12月8日分のエントリでした!
あと17エントリが残っているので、本当に楽しみにしています。みなさんのご家庭のお話も、ぜひぜひ聞かせてください!明日、12月9日は @katzchang さんの家庭におじゃまします!