#june29jp

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する

2006-10-06

読みました.Googleの「恐るべき」ポテンシャルについて書かれています.

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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚
文藝春秋 2006-04
売り上げランキング : 626

by G-Tools , 2006/10/06

cameraLadyのサイト内検索もGoogleを利用するようになり,ボク個人としてもWebにおけるGoogleの存在感は今まで以上に感じています.一般の人はGoogleの「検索サービス」以外の面をどれくらい認知しているのでしょうか.Googleがどうやって儲けているのか,そもそも考えたことのある人がどれくらいいるのでしょうか.ほとんどの人がWebを,そして検索サービスを利用する現在の日本において知っておいて損はないGoogleの光と影についての記述が面白かったです.

ボクが本を読むときは,ストーリーの中に必ず自分を存在させて読みます.ファンタジーであれば自分を登場人物に見立てて「自分だったらどう行動するかな」と考えてみたり,技術書であれば「自分はこれはできるけどこれはできないな」など,一人称の自分を持って読みます.この本を読んだときにそこに存在したのは,漠然と不安を感じながらも決して抗うことのできないまさに「Google信者」のような自分でした.Googleが手にしてしまった力はあまりにも大きすぎて,そっくりそのまま真似をすることもできず,別の方法で地位を奪うこともできず,現状では無敵とさえ思ってしまうほどです.

Googleの技術力には心から魅せられてしまいます.GmailもGoogleマップもGoogleカレンダーも,どれも便利で使いやすい.そして何と言ってもそれらのサービスが無料で提供されているのだからとんでもない.これから新たにWeb上でサービスをスタートさせようと思ったとき,「Googleがきたら終わりだ」「いっそGoogleに買収されよう」と考えるのは当然になってしまっています.それぐらいの技術力と,安定したサービスを無料で提供できる財力がGoogleにはあります.では,そんなGoogleへの信仰の何が不安なのか.

Googleはもはや,技術だけを持った組織ではないんですよね.一種の政治的な権力を持ってしまった.その点がボクらに不安をもたらすのだと思います.人を喜ばせるのが大好きだった無邪気な子供が拳銃を持ってしまったようなイメージです.何かをきっかけに大きな過ちを犯しかねない,そんなイメージが今のGoogleにはあります.ここでいう大きな過ちは本当に大きな過ちで,世界規模で人々に影響を与える可能性を秘めています.

それでもやはりボクがGoogleに魅了されるのは,ボクが曲がりなりにも技術者だからでしょうか.Googleがその技術力をもって,ボクらの想像もつかないような未来を創造してくれることを期待せずにはいられません.随所でGoogle批判の声を目にするようになった今ですが,力の使い方を間違わずにボクらを魅了し続けてほしいものです.

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