本来、アドベントカレンダーというのは、イエスの降誕祭を待ち望み、12月1日からクリスマスまでの間に1日一個ずつクリスマスツリーを模したカードの窓を一個ずつあけていくようなもののことです。 一方、エンジニアの世界では、技術系アドベントカレンダーというものがあります。これは、一日一個ずつ tips 的な記事を掲載していくというものです。Perl の世界では、2000年からはじまっています(発祥がどこかは寡聞にして知りませんが)。
Advent Calendar はとても楽しいです!去年までは、読者として楽しむだけだったのですが、今年は Advent Calendar 自体が広く認知されて、種類も増え、参加の敷居がぐっと下がったことで、自分も「書く側」として参加することができました。gihyo.jp の特集記事によると、2010年は、日本には実に30以上もの Advent Calendar があったそうです。楽しいですねー!
インフォメーション:本日12月1日より,プログラマ有志による技術系Advent Calendarが各所ではじまる|gihyo.jp … 技術評論社
あたしが参加した Advent Calendar
地獄のミサワに染められし詩集
逆引きレシピの Advent Calendar は、自分が最初に見たときには枠がたっぷり余っていて、これはチャンスだと思いました。それから何日か、何を書こうか考えていて、Nokogiri を使った Web スクレイピングのお話なら元気に書けそうと思い、参加を決めました。せっかくのお祭り的イベントですし、いつも書くエントリよりたくさんの人の目に触れる機会になるだろうと思ったので、なるべく楽しくて読みやすいエントリになるようにと、戦略を練りました。
地獄のRuby札幌の「女に惚れさす逆引きレシピ集」 – 準二級.jp
結果的には、狙っていた以上に嬉しい反応をいただけて、参加して本当によかったなぁと思っています。おまけに、Amazon.co.jp に初めて商品のレビューを投稿する機会にもなりました。
「よし、ネタを決めた」と言って話してくれた @kei_s さんの案は、まさかの「のっかり」でした。これが面白いことになりましたね…!
- Ruby逆引きレシピで作る、忙しい人のための『地獄のミサワの「女に惚れさす名言集」』 – 札幌市西区
- UKSTUDIO – IRCでミサワをいつも側に…
- TupleSpaceとクリスマスに読みたい2冊の赤い本 – igaiga diary (2010-12-25)
- 地獄のジェネレータ: Ruby Advent Calendar jp: 2010の24日目 – ククログ(2010-12-24)
- 地獄のRubyでOpenCV顔認識:Ruby Advent Calendar jp: 2010 – tmaeda 日記
何が面白いって、のっかりの連鎖が、Ruby逆引きレシピAdvent Calendar だけじゃなくて Ruby Advent Calendar jp: 2010 まで飛び火しているところです。みんなで一生懸命に悪ふざけしていて、楽しいですねえ。皆さん、けっこうな時間と熱意を注いだことでしょう。
これ以降、身のまわりの人たちの口から、ミサワ的な台詞がすらすらと出てくるようになっていて、ちょっとおかしいですよ。
「プログラミング言語系」「技術系」とはちょっと違う Advent Calendar
自分も運営に関わっている高専カンファレンスも、Advent Calendar に挑戦してみました。
もう12月1日になってしまったわけですが! 高専カンファレンスのコミュニティでも、自分の専門分野に関する知識や技術をリレーで書いてみるのも面白いかな、と思ったので、このメールを送ります。
きっかけは @june29 さんが「皆さん、Advent Calendar をご存知でしょうか!」から始まるメールを高専カンファレンスのGoogleGroupsに投げたことでした。僕はそれまで全然 Advent Calendar というものを知らなかったのですが、そのメールにおいて紹介されていた内容がとても面白そうでやってみると楽しいんじゃないかな、と思って「えいや!」と勢いではじめてみました。最初は25日続くのかなーと心配していたのですが、そんな心配も杞憂に終わりほっとしています。
自分の丸投げを @shiget84 くんが拾ってくれて、おかげで企画をスタートできました。どうもありがとう!ボクは工業高等専門学校時代の「研修旅行」について書きました。
工業高等専門学校には研修旅行というものがあります – 準二級.jp
こんな機会でもなければ、もしかしたら書くこともなかったような思い出話ですが、喜んで読んでくれた人もいるようなので、書いてみてよかったです。それと、このエントリで触れている、自分の母校である釧路高専の卒業生から、自分の他に2人の後輩がエントリを書いてくれて、これもとても嬉しいことだったのです。母校の釧路高専で講演してきましたで書いたように、11月に母校に帰る機会があって、今後の自分と釧路の関わり合いについては想うところがあり、Advent Calendar を通じた母校の後輩たちとのわくわくするやり取りは、母校に戻って感じたことを改めて感じさせてくれることとなりました。後輩たちには、お礼を言いたいです。@minami106 くん、@myy_ ちゃん、どうもありがとうね。
この試みを通じて思ったこと。Advent Calendar は、非「技術系」コミュニティにおいても、存分に楽しめるものになるでしょう、ってことです。2011年は、他のコミュニティでも… 例えば、25人の主婦の方がリレー形式で生活の知恵を披露するとか!そういった Advent Calendar が出てくると楽しいんじゃないかなあ。もしかしたら、自分が知らないだけで、すでに楽しいことは起こっているのかもしれませんね。このエントリを書いたことで、楽しい試みがひとつでも増えたらいいな、と願って。
Advent Calendar のどこが好きなのかしら
最後に!自分が感じている Advent Calendar の良さについて書いてみます。
「持ち寄り」
持ち寄りのメタファーが好きです。「もてなす人」と「もてなされる人」が対極の構造になっているのではなく、みんなそれぞれが両方の役割を持っている。そんな「持ち寄り」のメタファーが大好きです。Advent Calendar は、まさに「持ち寄り」ですよね。
個人発信メディアとしてのブログもすごく好きで、そのブログの記事を持ち寄って遊ぶイベントとあれば、ボクが好きにならないわけがありません。
「いつもより、ちょっとがんばる」
「いつもより、ちょっとがんばっている人」を見るのが好きです。そんなに毎日毎日はがんばれなくても「今日はちょっと、おめかししよう」とか「よーし、今日は張り切っちゃうぞー」なモードになっている人は、なんだかかわいらしいものですし、いい雰囲気が出ていると思います。
先の「持ち寄り」と合わせて、いつもよりちょっとがんばって作ったものを持ち寄る、と考えると、これはボクが「ホームパーリィ」に感じる良さとそっくりなんですよ。しっかりとしたお店でしっかりとしたお料理を食べながらの飲み会も好きなんですが、ホームパーリィにはホームパーリィの良さがあって、それが、好きです。
Advent Calendar の参加ブログを見てまわっていると「このために久しぶりにブログを更新しました」と見受けられるブログがいくつかあって、なんか、いいじゃないですか。張り切っちゃったんでしょうね!いいなあ。いいと思います。
「無理なく楽しめる」
「いつもよりちょっとがんばったものを持ち寄る」のだとしても、通年のイベントだったら、365日分は、読めないし読まなくなっちゃうと思います。でも、25日くらいだったら、楽しい気持ちのまま読める。ちょうどいいなって思います。
まとめ
今年、自分が参加した Advent Calendar について書きました。次に、それぞれに感じたことを書き、これからも楽しい Advent Calendar が続いていったらいいなぁと願いました。最後に、Advent Calendar に感じる良さの整理を試み、この良さを他のものにも与えられないだろうかと考えたりしました。
来年もまた、なにかしらの Advent Calendar に参加したいぞー!