#june29jp

「オブラブ2011夏イベント」に参加してきました

2011-07-06

オブラブ2011夏イベント

テーマは「この10年で変わったもの、変わらなかったもの」でした。

自分はどういう気持ちで参加していたか。

帰り道では「いやあ、よかったなあ。今日は、よかったなあ」と、言語化できないよさを全身に感じながら歩いていました。何がよかったんだろうかって、ひとつずつ整理できるといいな。できるかな。やってみます。

けんごしげっとくんのいどちゃんと、同年代の親しい友人たちが発表の壇に立ち、それぞれが今回のテーマである「10年」という切り口で話す時間を設けているのを見て。昨年のオブジェクト倶楽部2010夏イベントでは講演の機会をいただいていたこともあって、自分だったら「10年」というテーマとどう向き合うだろうか、何を話すだろうか、と気付けば考えさせられていました。

自分の10年については、このエントリとは別の場所に書いたり別の機会に話したりすることにします。忘れないようにメモだけ。プログラミングをはじめてからだいたい10年、日々の生活の中の身近なものをプログラミングするようになってだいたい5年、プログラミングが自分にとってすっかりふつうのものになって、プログラミングを武器にどうやってこの世界を生き抜いていこうかと割りと真剣に考えるようになってだいたい3年。

コンソメのお話。

自分がこういったコミュニティ活動に関わるようになってから、まだ4年くらいというところです。運営側に関わるようになってから、だと、経った2年くらいです。

自分がコミュニティに対して物心ついたときには「Lightning Talk」や「ドラ娘」はすでに当たり前に存在していて、イベントのタイムテーブルを組み立てるときに「まぁ LT もやればいいよね」くらいの気持ちで、自分のイベントによさを持ち込んで再現できる状態にありました。

ところで、いつだったかだらさんと一緒に作業していたときに、ふと何かの拍子に「コンソメ」の意味を調べてみたんですね。他でもなく、皆さんがよく知っている、コンソメスープの「コンソメ」ですよ。コンソメはフランス語で「完成された」という意味だそうです。これ、ぼくがコンソメに対して抱いていたイメージとの間に大きなギャップがあって、とても新鮮な驚きがありました。コンソメって、日常において、なんてことはない「ふつうの」ものじゃないですか。コンソメの塊なんて、ほとんどの人が、いつでも買うことができて、これを使って手順に従って味付けすれば、ちゃんとおいしいものができあがります。なるほど、特別な才能を持った人じゃなくても扱えるレベルまでパッケージがデザインされているのだとすれば、まさに「完成している」のですね。

トマトコンソメスープ

ぼくらのコミュニティにとっての「Lightning Talk」や「ドラ娘」は、まさにコンソメだったのです。オブラブの午前のパネルを聞きながら、感謝の気持ちが沸きました。足を運んで頭を使って手を動かしてきた人たちがいたのだなあ。そのおかげで、自分の日々にも楽しさが届いている。ありがとうございます、ありがとうございます。

後輩たちのために、ここに書いておこう。「ドラ娘」は、オブラブから生まれた文化なのでした。10年前には、なかったんだって。今では、海外のカンファレンスでも「ドラを叩くガールはいないのか?」と声があがるまでになったそうで。

でも、かくたにさんが言っていたように「最初から、世界に広まることを目指してやっていたわけじゃない」のだろうし、できることは「目の前にある楽しいことを大事にする」に尽きると思いました。だから、ぼくも、自分の目の前にあることをしっかりと大事にして、おいしい味が見つかったら、それをまわりの人とも共有していけたらいいな。

さらに一歩、踏み込んで。「ドラ娘」なんかは、バビッとした名前が付いているし、指をさして語ることができる対象なので、とても分かりやすいです。一方で、簡単には指をさせないような、たとえば「業界の雰囲気」みたいなものも、あると思います。この日、オブラブの1日を過ごして感じたのは、恐らく自分は、今、先人たちが積み重ねてきたよいものの恩恵を全身に浴びながら、相当に恵まれている環境で日々を過ごしているのだろう、ということ。「孤独」や「どん底」や「救い」と言った強烈なフレーズは、自分からは出てこない類のものです。ぼくは常々、すぐによさを感じることができる「考え方」という意味でのフレームワークや、プロセス、プロダクトに囲まれています。10年前には、これらはなかったのだなあ。これらがない状態なんて、今のぼくには想像もつきません。先人の皆さんが、見つけて、育てて、定着させてくれたのだなあ。ありがとうございます、ありがとうございます。

コンソメへの、強い感謝があります。

「人」への着目。

イベントがはじまった瞬間から、懇親会会場をあとにするまで、ずっと居心地がよかった。ぼくが一貫して感じていたのは「人への着目」です。

技術系のイベントなので、トピックの中心にはいつもだいたい技術があって、技術のお話をするのだけれど。技術を扱う技術者は紛れもなく「人」であるし、会場にいた参加者の皆さんも、もちろん「人」です。ムカデじゃありません。

惚れさせ650 「色々言ってくる奴は居るだろうけど」

けんごの講演は、彼自身の「おもしろい日々」のストーリーが丁寧に織り込まれていて、聴いていて、とてもおもしろかったです。ぼくは幸いにも資料のレビューを担当させてもらうことができて、講演の素振りも見ていたのだけれど、本番ではお話の構成も変わっていて、おかげで、ふたつのストーリーを楽しむことができました。やったね、ラッキーでした。特に「エンジニアとしての生き様」を語る姿には共感するポイントも多く、それから、なんといっても締めがよかったです。そうだね、5年後、10年後に何に取り組んでいるとしても、まわりの人と同じ価値観を持って、うまいこと楽しく、技術者としての誇りを持って日々を過ごせていたら、いいよね。よくまとめたもんだなあ。感心しました。

オブラブ2011夏イベント

けんごのブログ : オブラブ2011夏イベントで講演させて頂きました。 – ククラフト

けんちゃんさんの Lightning Talk がとてもよかったです。新人教育に当たって、目標を「半年で他のメンバーとペアプロ出来る」と明確に定め、そのために何をしたのか、というお話。ペアプロはプログラミングなので、もちろん、技術力は必要です、と前提を置いた上で。それ以外に重要なこととして「自分たちが大切にしているものを、同じように大切にしてもらうこと」が挙げられていて、これがグッときました。逆の言い方をすれば「技術力があっても、価値観を共有できる状態をつくれなければ、一緒のチームで仕事することができない」という意味だととらえました。

言うのは簡単で、実践するのはむつかしい。目標の達成のために、けんちゃんさんがどんな工夫をしたのかは、ぜひご本人のエントリと資料を見てほしいです。

このお話を整理しながら、去年の夏イベントで確か、せきさんが話していた「価値観を醸す」(言葉はうろ覚え) みたいなお話を思い出しました。この意味をずっと考えていて、価値観ってのはチームメンバーの誰かの中にポンっと存在しているのではなく、チームの真ん中にモワモワっと満ちているようなものなんじゃないかなぁ、というのがあれから1年を経た今のぼくの感覚です。だから、価値観っていうのは、誰かから誰かに「はいっ」って渡すこともできない。一緒に育てていかなきゃいけない。けんちゃんさんの発表にヒントをもらったので、引き続き、考えてみます。

けんちゃんさんのブログ : blog.shu-cream.net: オブラブ2011夏イベントでLTをしました

わださんの講演は、惹き付けられながら聴いていました。お話する姿から目を離したくない、という感覚でした。「完璧主義の呪い」のお話は、そうだなぁ、わださんが、そうだったのかぁ、という感じ。うむぅ。そこを出発点として、現実の困難にどう立ち向かったのか。実は、ぼくにとっては、この日のわださんのお話は、あの「JOJO 勉強会」のリバイバルでもありました。才能と、技術。噛み締めて聴く。

加えて。わださんと、それから、なおとさんのお話に共通して感じたのは「静かな力強さ」でした。「穏やかさ」と言ってもよさそう。いくつかの発表の中で「失敗できる / 失敗できない」みたいなお話があって、なんとなくですが、逆説的でもあるのですが、年齢が若い人ほど「失敗できない!」「失敗しちゃいけない!」という雰囲気をまとっているように感じて、逆に、経験の多い人ほど「大丈夫、そこから始めればよい」「技術を身につけて立ち向かえばよい」という、柔軟さがあったように思いました。じゃあ自分は、というと、完全に「失敗したら終わりだ…」みたいな発想でして、かっこいい大人に見る大きな背中には、憧れを覚えています。後輩の前であったり、守らなきゃいけないものの前であったり、したときに、自分もあんなオーラを出せるように、なりたい。

こんなふうに「人」について考えさせられるお話が、いくつもありました。

それだけじゃなく。イベント開始時のアイスブレイクや、質問を出した人には拍手を送る姿勢など、運営全体が「人」に着目していたのが、すばらしいことに思えました。だから、居心地がよかったんです。

「かっこいい成分」は、とても大事。

イケメンで目の保養ー!とか、そういうこと (ばかり) ではなくてね。

「人」としてのかっこよさについて考える。「人の弱さを受け入れる覚悟」と「人の強さを信じる覚悟」を同時に持つこと。「これは、かっこいい!」という姿をいっぱい知っておくと、困難に直面したときにどうすればいいか、少しだけ、分かるようになる。「あのかっこいい先輩なら、こうやって切り抜けるはずだ」ってね。だから、こういう場に出ていって、かっこいい人たちとお話して、かっこいい成分を補給するのは、自分にとっては、とても大事なことなんです。

DSC_0937

尊敬するかっこいい先輩と、尊敬するかわいい後輩と。お気に入りの写真が1枚増えました。

まとめ。

最後は箇条書きでメモを。

  • さまざまな文脈を持った状態で皆さんのお話を聞けた、皆さんとお話できたので、以前に比べて吸収できることが増えていて、嬉しかった
  • 10年来の友人となった(!)高専同期のまぐろちゃんに「この人たちが、ぼくが見本にしている人たちだよ」と話せたのが、なんだか嬉しかった
  • しげっとくんが、去年のぼくの講演について覚えていてくれて、そのあたりのお話をしながら、人を紹介してくれたり、彼のトークがあったりして、嬉しかった
  • いなおさんにきちんとご挨拶できて、いっぱいお話できたのが嬉しかった
  • 空想上の生物だと思っていたかけださんとお話できたのが嬉しかった
  • 知り合い同士を会わせたり、面白い人たち同士をつなげられたりできて、嬉しかった
  • 「連載の記事を読みました!」と言って話しかけてくれた人がいて、嬉しかった
  • 共通の親しい友人を持つ人と会って、彼ら彼女らについてお話できて、嬉しかった
  • Web男子、タミヤ

今年のオブラブ夏イベントに参加できて、とてもよかったです。あの場にいたすべての皆さん、どうもありがとうございました!また参加したいー!

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