時の甲子園 (t-Cup Challenge) というコンテストがありまして、その入賞チームの皆さんを東京で歓迎する 「t-Cup Party」 というイベントを開催しました。
いきさつ
「時の甲子園」の主催である NICT の佐々木さんから「入賞チームの高専生たちと、なにか楽しい時間を過ごしたい」と相談を受けたいがいがさんから相談を受けたぼくがはまさきさんに相談したりという、この業界の多重下請け構造のお話は置いておくとして (冗談です)。
ぼくが当日スタッフのとりまとめを担当させてもらった「高専カンファレンス 2010秋 in 東京」で、当日スタッフとして開催を支えてくれたのが、NICT の佐々木さんです。「時の甲子園」の最終審査会が3月9日に東京で行われて、そこに全国から入賞チームの皆さんが集まる、と。その翌日、ちょっと時間があるし、せっかく東京までくるのだから、入賞者の皆さんに楽しい時間を過ごしてほしい、というのが、佐々木さんからの相談内容でした。「時の甲子園」は、高校生や高専生を対象にしたコンテストなのですが、入賞した4チーム、すべて高専のチームでした。そういった背景もあってか、今回、高専カンファレンスの運営によく関わっているいがいがさんが、相談相手に選ばれたようです。
そんなこんなで、ぼくらは、高専カンファレンスとの合同イベントという形で、今回のイベントを開催しました。
入賞チームを見てみると「北九州高専」のチームがあったので、はまさき先輩を、さらに見てみると「新居浜高専」のチームがあったので、びとう先輩を、それぞれお呼びすることにしました。
当日の様子 – 若人の部
まず、入賞の4チームに、今回のコンテストを勝ち抜いた作品を紹介するプレゼンテーションをお願いしました。
さすが入賞チームだけあって、みんな、しっかりとしたものをつくっていて、驚きました。特に、ぼくがソフトウェアエンジニアだからってのもあるんですが、ハードウェアまで含めて設計して実装する類のお話には、ただただ感心してしまいました。プレゼンテーションも、きっと何度も繰り返して練習してきたのだと思います、安心して聞けるものでした。現役時代の自分と勝手に比較してしまいました。感心です。
北九州高専チームのプレゼンテーションに対して「少人数のチームで、ハードウェアからソフトウェアまでを一貫して設計・実装する機会は、なかなかない。それを、このレベルまでプロダクトを仕上げて発表できているのは素晴らしい」とコメントしてくれたのは、彼らの先輩に当たるはまさきさんです。発表からコメントまで、まるでしっかりとしたイベント…!
余談ですが、北九州高専チームの引率を担当されていた教官の方は、はまさきさんも在学中にお世話になっていた方だったそうです。再会の場にもなっていて、楽しかったです。
各チームの発表のあとは、立食でランチを食べながらの交流会としました。
今回、会場を貸してくださったのが pixiv さん!とっても素敵な空間で、参加者の皆さんがキャッキャとはしゃいでいたのが印象的でした。「記念に」ということで、オフィスを入ってすぐのところにある「絵馬」を書いて残していく人たちもいました。
当日の様子 – 老人の部
入賞チームの皆さん、遠くからいらしていたもので、帰りの交通機関の都合で、13時くらいには帰路に着いてしまいました。もっと若い子たちと遊びたかったのですが、残念、仕方ありませんね。
というわけで、午後からの大人の時間です。この場には、おびなたさん、いがらしさん、びとうさん、はまさきさん、それから、ぼく、と、今となっては古参扱いになる高専カンファレンスの第1回の参加メンバーたちがいました。本当は、若い子たちに「高専カンファレンスってのは、こういうイベントなのです!」を伝えるために、過去の開催からスタッフおすすめの発表を選んで、その録画を再放送して楽しむ時間を予定していたのですが、仕方なく、古参メンバーで昔を懐しむ老人会へと流れていきました。びとうさんは途中でお帰りになられて、このあたりで、にしじまさんが会場に到着しました。
これはこれで、とてもおもしろかったです。2008年12月の「高専カンファレンス2008 Winter in 東京」の録画を見てみると、当時の「ここが問題」「こうやって解決していきたい」ってことが、今はほとんど解決していて、別の問題に形を変えているのだと気が付きました。ふりかえりは大事ですね。あと、当時のみんなが若い。ぼくは「声が若い」と言われました。そうなんですか…。
ぼくらがゲラゲラと笑いながら過去の録画を見ている横で、元航空高専校長の島田先生が真剣にメモを取っているのがおもしろかったです。
雑感
この日を通じて感じたことを、だらだらと書きます。
入賞チームの現役生たち、なんとスーツでご来場なさった!「荷物を減らすためですか」と質問してみたら「いや、もっと固いイベントを想像していて…」とのこと。事前にしっかり連絡して、構えずにきてもらえたらよかったなあ。前日の「最終審査会」では、審査員のオジサマたちの前できっちりとお行儀良く発表しなきゃいけないんだもんね、そうだよね、まさか次の日にこんなゆるふわなイベントが待っているとは思わないよね。理解しました。
彼らはまっすぐにおもしろいことに挑戦しているので、これは、審査員のオジサマたちに向けてお話するのもいいんだけれど、彼らと同じ立場にある、たくさんの現役生たちに向けてお披露目する場があってもよさそう。もっと「先につながる出会い」があってもよさそう。色んな未来があってもよさそう。彼らが帰り際に「高専カンファレンス、おもしろそうなので参加してみたいです!」と言ってくれたのがうれしかったので、高専カンファレンスで頭に花を咲かせているような若い子たちと、今回の彼らを、ちゃんと出会わせてあげたい。
だから、今回の相談の受け口として高専カンファレンスが選ばれたのは、とてもよかったと思う。「EM高専カンファレンス」や「Kosen Advent Calendar」みたいな活動に関わっていて思うのは「もしかしたら、高専が “公式に” やろうと思ったら、なんか色々と稟議とかあったりして面倒臭くなっちゃうっぽいところを、いい意味で “野良である” 外野のぼくらがとりあえず形にしちゃって、うまいこと成果が出たら、それを高専に還元したらいいんだろうな」ってことです。
今後も「そんな大袈裟じゃなくていいんだけど、ちょっと楽しいことをやりたい」みたいなお話があれば、高専カンファレンス側の人、どんどん受けていったらいいんじゃないの!
まとめ
今までとは少し違う形で、NICT さんと高専カンファレンスの合同イベント「t-Cup Party」を開催しました。現役生の皆さんが楽しんでくれたようなので、とてもよかったと思います!現役生のテンションが上がった理由の半分以上は「会場が素敵だったこと」かと思いますので、協力してくださった pixiv さんには、心からのお礼を申し上げます。ありがとうございました!並びに、当日の場作りに貢献してくれた、あの場にいたすべての皆さん、どうもありがとうございました!