ぼくが Twitter を使いはじめたのは 2007 年 3 月 27 日。
ぼくが GitHub を使いはじめたのは 2008 年 3 月 28 日。
Twitter との付き合いは 11 年、GitHub との 10 年になりました。けっこうな期間をこれらのソフトウェア・プロダクトとともに生きてきたことになるので、ここらでちょいと思い出話でも書いてみようかと思います。
Twitter との 11 年間
これがぼくの記念すべき最初のツイート。寝ているときに投稿しました。Status ID は 13,374,921 ですよ、若い!最近のツイートだと ID は 98 京とかですもんね。パッと見で桁がわからないくらいの数。
Sleeping...
— Mozilla/5.0 (Jun OHWADA) (@june29) March 27, 2007
その 2 週間後には「身内が増えてきた」とツイートしています。音符マークとか使っている時期があったんですね、なんだか頭が悪そうなツイートで恥ずかしいです。
身内でもついったったーが増えてきた!嬉しい♪
— Mozilla/5.0 (Jun OHWADA) (@june29) April 11, 2007
2007 年というとぼくは札幌市内に住む大学院生で、Tim O’Reilly の What Is Web 2.0 や梅田望夫さんのウェブ進化論を読んでめちゃくちゃに気分が高まっていました。「これからはウェブが盛り上がるんだ、きっと」と思っていたはずです。学生時代の終わりが近づけば近づくほど「どうやったら、ウェブの発展に関われるような日々を送れるだろうか?」と考えていたように記憶しています。当時は、今ほどウェブ系企業の求人は多くありませんでしたからね。
ちなみに当時の Twitter は今ほど高機能ではありませんでした。ここ 11 年での変化などなどをざざっと書き出してみると、こんな感じでしょうか。
- 日本語をうまくツイートできない時期があった
- ぼくが使いはじめたとき、すでにメンション機能はあった
- nudge という機能があった (いつの間にか消えた)
- Google Talk 経由で使うと快適だった
- 昔は負荷が高くなるとネコの画像が出た、いつからかネコの代わりにクジラが出るようになった
- フィーチャフォン用の「モバツイ」にはずいぶんお世話になった
- 「リナカフェなう」するのが夢だった
- 公式に「いいねされた」を知る術がなかったころは「ふぁぼったー」を見ていた
- 公式に、画像を添付してツイートできるようになった
- リスト機能が生まれた
- ハッシュタグが生まれた
- リツイートや引用ツイートが公式機能になった
2007 年というのはぼくにとっては「大当たりの年」で、Twitter と Tumblr と Ustream に出会えたのがこの年なんです。たかだか半年くらいの間にこれら 3 つの刺激的なプロダクトがぼくの生活に立て続けに入り込んできて、各種書籍やウェブメディアが声高に叫ぶ「ウェブは次のバージョンに進化したんだ!」というのが、決して夢物語ではなく、実際にぼくの生活を塗り替えていくものなんだと感じる日々でした。
そんな 3 つのプロダクトの中でも、なんやかんやで最も多くの時間をともにしてきたのは Twitter でしょう。ぼくが所属していた研究室は、Twitter 登場移行は新しい後輩たちが入ってきても連絡先として電話番号を教えてもらうことは一気に少なくなり、Twitter で生存確認するようになりました。ぼくが札幌を出て東京にやってきても、すぐにいろんな人たちとごはんに行けたりしたのは Twitter とウェブのおかげです。
ありがとう、Twitter。
GitHub との 10 年間
これは Gmail の inbox に今も残っている招待メール。最近の GitHub の Signup のフローがどんなふうになっているのかは知らないけれど、当時は @mojombo 先生から招待メールが送られてくるフローだったっぽいです。最後の行に @defunkt 先生と @mojombo 先生の連名で署名が入っているの、いま見ると熱いですね。まだ初期のころなので「俺たちの GitHub を楽しんでくれよな」感があります。
実をいうと、このころの GitHub 関連の記憶ってぜんぜんないんですよね。どのようにして GitHub を知って、どのように Signup に至ったのか。なんにも思い出せません…!
このブログで最初に GitHub に言及したのは 2008 年 5 月のTumblrのテーマをTwitter風にしてみたという記事でのこと。画像が表示できなかったりリンクが死んでいたりしてひどい記事だけど、Gist へのリンクがありました。このときには Gist を活用していたんですねぇ。
ツイートで最初に言及したのは 2008 年 6 月 29 日でした。ぼくは 25 歳のバースデイに Git GitHub Heroku の設定をしていたのか…もっと他にやることなかったのかよ。
git と github と heroku の設定が済んだところで,ランチを食べに行こう.雨がイヤだなーーー
— Mozilla/5.0 (Jun OHWADA) (@june29) June 29, 2008
2008 年 4 月に入社した会社では最初は Subversion でソースコードを管理していたので、この時期はそこまで「GitHub 最高!!!」ってなっていなかったんじゃないかなあ。このころは「Subversion + Trac + Skype」みたいなツールスタックで日々の開発を進めていました。テキストチャットツールとして Skype を使っていた時代。コミュニティでは IRC を使っているところもありました。
今では多くのソフトウェアエンジニアが「GitHub Flow」と呼ばれるやり方でソフトウェア開発をワッショイしているので、若い世代からすると「GitHub や Pull Request がない時代って、人間たちはどうやって暮らしていたの?」という感覚かもしれません。そのときはそのときのモダンとされるやり方があったんですよ〜。
ところで、この手の話をするときにぼくが必ず思い出すプロジェクトがあります。それは「CodeRepos」と呼ばれ、日本の開発者たちの間に生まれました。下記の @Yappo さんの記事を見てもらえると、当時の雰囲気を感じられるでしょうか。
YappoLogs: CodeRepos - 個人レポジトリを共有しよう!計画
さっき見てみたらサイトはエラーを吐いて死んでいる様子だったので、2007 年末のアーカイブにリンクしておきます。なつかしいなあ。Trac の画面を見るだけでなつかしい気持ちになれて便利。
https://web.archive.org/web/20071229203055/http://coderepos.org/share
まさにソーシャルコーディングというか、2018 年の人類からしたら「それ GitHub のことじゃん」って思っちゃうようなことをやろうとしていたんですよねぇ。おもしろい。
だんだんと GitHub の話じゃなくなってきましたが、あとひとつぼくにとって思い出深いのが「ustreamer」というプロダクト。これは Ustream をいい感じに楽しむためのウェブアプリケーションで、最初の作者はたしか @miyagawa さんです。いろいろと思い出すために検索していたら、今も 200 を返してくれる @otsune さんバージョンの ustreamer を発見しました。
ustreamer の時代には GitHub の Fork や Pull Request が存在しなかったので、@miyagawa さんが公開していたソースコード一式をまるごとハードコピーしてきて、手元で改変を加えて、それを自分たちのサーバにアップして公開する、ってのをやっていました。ぼくらが公開した版に @otsune さんがさらに手を加えた版が先のリンク先です。こんな調子なので、フッターに謝辞みたいな感じで名前が載っていたりします。これ、今なら GitHub で Pull Request を送りますよね〜!そういうのがない時代の思い出話でした。
これからのこと
10 年 11 年というとなかなか長い期間に感じますが、逆にまだ 10 年かそこらなのか、とも感じます。たったの 10 年ほどの間に、Twitter や GitHub はぼくの思考のありさまを変えてしまったのです。たった 10 年でこれだけの変化を起こせるということは、10 年後にはきっと今からは想像できないような方法で友人たちとコミュニケーションを取り、仲間たちとソフトウェア開発をしているのでしょう。
2028 年の 3 月には、次の 10 年をふりかえる記事を書いていられたらいいなあ。ソフトウェアが社会を大きく変えていくこの時代に生まれたことがうれしいです。次の 10 年も楽しみです。