悪いことをしてしまったときにはちゃんと「ごめんなさい」できる人間でありたいな、そうならなくちゃな、と思いながら生きている @june29 です。今回はとあるツイートを紹介するところから。
何があっても絶対に謝罪の言葉を発さないことと、謝る必要がないのにすみませんを乱発することは、本質的には同じこと。
— 東郷清丸(TogoKiyomaru) (@kiyomarization) March 5, 2019
これ、なるほどなぁと思いまして。じゃあその「本質」とはなんだろう、と考えてみて、ぼくは「自分の行いを正しく理解すること、その結果を受け止めること」なんじゃないかな〜と思いました。
このツイートを見てぼくが想像したのは、音楽に合わせて指定されたタイミングで指定された操作を行う、いわゆる「音ゲー」と呼ばれる類のやつです。音符が流れてきたときにボタンを押せないとミスになるのはもちろんのこと、音符が流れてきていないときにボタンを押してしまってもミスになりますよね。だからボタンを連打すればハイスコアになるわけじゃない。そんな簡単にはできていないってことです。「ごめんなさい」についても同様のことが言えるんじゃないでしょうか。連発すりゃあいいってもんじゃないところが同じ。
そんな着想を得ましたので、ぼくがこれまでに発してきた数々の「ごめんなさい」を思い出しながら、言ったあとで「あんまりいいごめんなさいじゃなかったな〜」と反省したもの、今の自分としては「これはナシ」としているものを整理してまとめてみました。
対話から逃げるための謝罪
- これって、どうしてこうしたんですか?
- すみません…
質問されているのにも関わらず、回答を放棄して謝罪で済まそうとしちゃうやつです。相手が期待する情報を返せていない点がよくないと言えます。
自分のための勝手な謝罪
- じゃあ 5 日後までにお願いしますね
- はい、わかりました!(3 日以内に提出するぞ)
からの、4 日後に
- 遅くなっちゃってすみません…!
ってやつです。相手は 5 日後でよいと言っているのに、自分の内心の 3 日以内という目標を達成できなかったことに罪悪感を抱いて勝手に謝罪してしまうパターン。相手の気持ちを置き去りにして、自分の感情を成仏させるために独りよがりな態度になっているところがよくないと考えます。
どうするつもりもない謝罪
わかりやすい例が思い付かなかったので、ぼくが発したものじゃないのですが実体験から紹介します。
先日、お弁当屋さんに行きまして。そしたら店員さんが「順番が前後してしまい大変申し訳ございません」と頻繁に言っていて不思議に感じました。注文した順番と、料理ができあがってくる順番が一致しない場合があって、それで謝罪の言葉を述べているわけですね。ただこれ、メニューによって調理時間はちがうわけで、調理に時間を要するやつを頼んだら完成が遅くなるのは仕方のないことです。
もし心から「注文順に提供すべき」と考えているなら、ひとつ注文を受けるたびにその料理を提供し終えるまで次の注文を受けない、ってするはずなんですよね。でもお弁当屋さんはそれを選択していません。客全体のトータルの待ち時間を最小にするために、注文を受けたものから調理を開始して、完成したものから順に提供する、という方法を選んでいると思うんですよ。だったら胸を張っていてほしいな〜と思いました。謝罪の言葉を述べたところで仕組みを変えるつもりもないんだから、ポーズだけ取っても仕方ないと思ってしまって。
こうして整理してみると
こうして整理して 3 つのパターンを書き出してみて、ぼくは「悪い意味で雑に謝罪という手段を乱発するのが好きじゃない」のだろうな〜と気付きました。先の音ゲーの比喩でいうと、ボタンの連打ですね。もっと、本質を捉えた誠実なやりとりにしていかないと、謝罪を安売りすることになってイヤなんだろう、と思います。本当に謝罪しなきゃいけないときに言葉が薄っぺらくなってしまわないように。
とりあえず低姿勢にしておけ、という気持ちはわからなくはない
先のお弁当屋さんのエピソードに関しては、気持ちを察する面もあって。おそらく過去に、提供順番についてイチャモンをつけてきた客がいたのでしょう。「わたしの方が先に注文したのに、先に提供されないとは何事だ!!!」みたいなことがあったのでしょう。それで、そういった面倒な事態を未然に防ぐために「とりあえずあやまっておく」「悪いと思っていないし方針を変えるつもりもないけれどあやまっておく」というマニュアル対応に落ち着いたのだと想像します。あくまで想像ですが。トラブルに巻き込まれたい人なんていませんよね。
それでも。ぼく個人の意見としては、そういうモンスターカスタマーに対しては「じゃあうちを利用すんなよ」で充分だと思います。
一部の「自分はえらい」と勘違いしているんだかなんなんだかわからない人間を基準として、それに合わせた謝罪のラインを引いてしまうと、全体としては過剰な謝罪社会になってしまうでしょう。ぼくは「自分は悪くないと思ってもとりあえずすぐに謝罪しておけ」という息苦しい社会は望んでいません。
自分の身近な人々との間ではどうしていきたいか
とある偉人はこんなふうに言っていましたね!
『HUNTER×HUNTER』の 32 巻より。
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ぼくはプロのハンターではないので、ジン・フリークスさんほど厳しいルールを課したいとは思いません。とはいえ参考になるなぁと思います。「次はどうするか」を考えるのはとても有益ですよね。それを考えることで、なにがよくなかったのか現実と向き合うことになりますし、今後同じようなことでごめんなさいしなくて済むように思慮を巡らすことにもなります。
逆に考えてみると、次はどうするか具体的な約束が浮かばないようなシーンでは、安易に謝罪すべきではないとも言えるでしょう。
まとめ
ぼくは、下記に分類されるような「ごめんなさい」を快く思わないので、そうならないように、よい形で「ごめんなさい」していきたいと思っています。
- 対話から逃げるための謝罪
- 自分のための勝手な謝罪
- どうするつもりもない謝罪
『HUNTER×HUNTER』のジン・フリークスさんが言うように「次はどうするか」を一度でも考えることで、よい形での「ごめんなさい」を実践できそうです。
悪いことをしてしまったときにちゃんと「ごめんなさい」できるようにありたいし、同時に、雑に「ごめんなさい」を乱発して息苦しい社会づくりに加担したくもないな〜と思います。ひとつひとつの「ごめんなさい」が、きっと誠実なものでありますように。