#june29jp

「モチベーション3.0」を読んだ

2012-05-05

モチベーション3.0を読みました。自分の中で少し整理できたことがあるので、書き留めておきます。

ダニエル・ピンクさんと大前研一さんのタッグといえばハイ・コンセプトを思い出します。これを読んだのは、たしか修士2年のときですから、4年くらい前ですかね。当時、読んでいる文章がスラスラとは頭に入っていかなくて苦労した覚えもあります。一方、今回のモチベーション3.0は、すいすいと読み進めることができました。この差異は、扱っているトピックの違いがもたらすのか、この4年くらいの自分の変化がもたらすのか、そこは気になっています。

モチベーション3.0

ところで、ダニエル・ピンクさんの本を「ピンク本」と呼ぶの、あんまりよくないと思います。

どうして手にとったか

友人たちと「ものづくり」についてお話しているときに、この本の名前が挙がって、それで、興味を持ってポチッとしました。そのときは「お仕事でつくるもの」と「個人の衝動からつくるもの」の違いとか、そういうお話 (アルコールも入っていたので詳細は覚えていない…) をしていて、もともと強い興味を持っているトピックです。

たとえば Amazon.co.jp では、この本は「投資・金融・会社経営」のカテゴリに分類されているみたいですが、ぼくの興味の中心は少なくとも「会社経営」にはなくて、あるのは「いかにして自分のモチベーションを発見するか、維持するか」といった、自分自身のより楽しい日々への興味です。もうちょっとだけいうと、自分のひとまわり外側にいる親しい仲間たちとか、一緒のプロジェクトのメンバーとか、彼らのモチベーションを「引き出す」って言っちゃうとアレですけれど、せっかく一緒の時間を過ごす人たちには楽しい時間を過ごしてほしいので、どうやったらそういった時間を過ごせるようになるのか、興味があります。願わくば、まわりの人たちを意気消沈させるよりは、接した人たちのテンションを上げられるような存在でありたいのです。

…というわけで、ここから先は精神論的なスピリチュアルなお話が続きますので、そういったお話はけっこうです、という人は、下記に「もっと手を動かそうぜ!!!」的なリンクを置いておきますので、ぜひそちらに行ってみてください。

エンジニア向け「第3回 開発コンテスト24」開催 | クックパッド株式会社

自分のモチベーションのこと

この本を読んでみて、はっきりとわかりました。もともとわかっていたことなのかもしれませんが、この本に後押ししてもらったような感覚があるので、強い語調で言うことができます。

ぼくは「自分以外の誰かから与えられた目標」に向かって進むのは、苦手です。自分がどこに行くかは、自分で決めたいと思っています。運転席に座っていなきゃいけないけれど、ハンドルを操作することはできない──そんな状況は避けたい。そのような状況を想像すると、気持ちがずっしりと重くなるのを感じます。そのような状況を1年も2年も続けたら、自分が生まれながらに持っているはずの、人間が生まれながらに持っているはずの「ナニカ」が致命的に失われてしまう気がして、想像するだけで恐怖を感じます。

モチベーションの喪失は、パフォーマンスの低下を招くでしょう。パフォーマンスが低下すれば、成長が鈍るでしょう。パフォーマンスを出し切らないと、今を生き延びることができない。成長が鈍っているようだと、未来を生き延びることができない。たとえば「今から3年間」というスパンを考えたときに、ずっしりと重たい気持ちで成長を実感できずに過ごす3年間と、前向きな気持ちで成長の手応えとともに過ごす3年間を、比べてみます。絶対に前者であってはいけない。どうにかして後者の状態を維持しなければ、ぼくが大事にしたい「楽しい日々」から遠去かってしまう。

だから、せめて自分にとっての「最高のパフォーマンス」で日々を過ごせるように、それが叶うような環境を手に入れるために四苦八苦しています。どのような職に就くか、どのようなプロジェクトに関わるか、どのような人たちと一緒の時間を過ごすか、どのような場所に身を置くか… などなど、自分にあった「5W1H」を探して、シンクロ率を1%でも高めるために試行錯誤しています。今のところは「自分がしっかりとハンドルを握っていられるように、なるべく小さいチームに身を置く」などを重視しています。

最高のパフォーマンスを出せる状態のことを、本の中では「フローの状態」と呼んでいます。プロゴルファーの石川遼選手のエピソードの中では「ゾーン」と呼んだりもしていました。日々の活動の中で「フローの状態」を安定して維持できるようになれば、楽しい日々を守れるのではないか、と考えています。だとすると、スポーツ選手や芸術家、ミュージシャンたちの姿勢から学ぶべきことは多そうです。

三日目:班毎のミーティング中の踊るjune29

写真は、たぶん「フローの状態」に陥っているときの自分です。

これまでの経験から

本書の中では、モチベーションに関する様々な「実験」の結果と考察がきれいにまとまっています。豊富な事例の中で繰り返し強調される「こういう状況では、モチベーションが上がる」と語られる内容は、自分の直近5年くらいの「とても楽しかった経験」を取り巻いていた状況とほとんど一致していて、それで、自分にとっては読みやすかったのだと思います。

そんな「とても楽しかった経験」のことは、だいたいいつもテンション高めにこのブログにも書いているわけですが、中でもひとつだけ例を挙げるとすれば、2011年4月にクックパッドさんが開催してくださったエンジニア向け「第2回 開発コンテスト24」に参加したときのことを選びたいです。参加後に自分が書いたエントリは半径3メートル以内の世界でもっともっとひっついてたくて「1/2」をつくりましたになります。

このとき、誰に命令されるでもなく、自分のやりたいように、自分たちのやりたいように「ワイワイと作業」していました。とても楽しい時間が流れていたこと、今でも思い出せます。高度に発達した「悪ふざけ」は「フローの状態」と見分けがつかない。自分の奥底からチカラが引き出されていくような感覚があって。関わっていられること自体に感謝したくなるような。そして「またやりたい!」と思っているので、モチベーションは「消費」されるどころか「噴出」してきているのですよね。すごい。こういった時間をひとつひとつ大切にしていけたら、自分はもっともっと加速できるんじゃないかって思わせてくれます。

そういえば、今年もクックパッドさんが開発コンテスト24を開催されるようですから、興味のある人は参加してみるとよいと思います!

エンジニア向け「第3回 開発コンテスト24」開催 | クックパッド株式会社

まとめ

「モチベーション3.0」を読みました。本書がメインのターゲットとしているっぽい「経営者」や「チームのマネージャー」といった立場ではなく「もっともっとモチベーションを溢れさせながら前進したい!」と日々の中で願っているひとりのプレイヤーとして読みました。本書に書かれている内容と、自分の過去の「楽しかった体験」を並べて比べてみて、今後も楽しい日々を継続させていくためのヒントをつかめた気がして、うれしいです。「こういう環境に身を置いたら負けるだろうな」「こういう環境をもっとつくっていきたいな」と思うものが、いくつか見つかっています。

みなさんの「モチベーションが溢れる状況はこんなのだよ!」というものがあれば、ぜひぜひ教えてくださいな!

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