#june29jp

Emojibility という概念

2018-06-24

はじめに

今日は、最近になって自分の口からポロッと出てきた Emojibility について書きます。ぼくの書く文章をよく読んでくれている人なら、もうすでに「こういう話だろうな」と察してしまいそうですね。いかにも @darashi が好きそうな言葉でもあります。

背景

Slack の「Custom Emoji」と「Emoji Reactions」の組み合わせがぼくらを大絵文字時代へと誘ってしまいました。

Slack に Emoji Reactions が登場したのが、たしか 2015 年 7 月 10 日頃です。

当初は「なんか新しい機能がきた!」と盛り上がってみんなでいろいろと試したものの、3 日後には「どう活用したらいいかわからない」となって、一時は下火になったような覚えがあります。

それからどういう道を経たのは今では思い出せませんが、2018 年 6 月現在、ぼくが所属する 10 個ほどの Slack Team のどこにおいても、Emoji Reactions はかなり重要な機能として活用されているように感じられます。

Cutom Emoji と Emoji Reactions の組み合わせは、ぼくらになにをもたらしたでしょうか?ぼくは「反応の可視化」だと捉えています。誰かが Slack に発言したときに、反応を発言で返すしかなかったら 100 人から反応を返すのはなかなか厳しいです。表示画面は有限な貴重なリソースですからね。これが Emoji Reactions だと「読んだよ」「めっちゃいいね」「最高!」「優勝!」という反応を 100 人から効率的に集めて可視化することができます。しかも Custom Emoji によってどんな画像も Emoji にできてしまいますから、その組織にマッチした反応のあり方を見つけることができます。

Emojibility

Emoji Reactions が日常を支える重要な機能となってくると、この流れに乗っかれるか乗っかれないかは大きな分岐となり得るでしょう。実例を挙げて説明します。

あんちぽさんが書いた図解・拙速は巧遅に勝るという記事があります。これは弊社内で繰り返し参照され、全社的に「速を出していこう!」という機運が高まりました。

このとき、社の Slack の「速」という Custom Emoji が大活躍したんですね。誰かが「速」のある行動をしたときに「速」という Emoji Reaction がたくさんつくという、こうして文字で説明してみるとなんてことはない事象であるものの、場に勢いをもたらす効果はバカにできないものがあります。

ふりかえってみると、速を重視するぞ!というコンセプトは「極めて Emojibility が高かった」のだと思います。Emoji にしやすい、Emoji を見たときにわかりやすい、という特性を備えていたことで、コンセプトの浸透がスムーズに進んだように思えるわけです。

声に出しやすさと Emojibility

SmartHR が組織運営で一番大切にしていること - 宮田昇始のブログ を読んで「おもしろい〜!」と思い、宮田さんにお話を聞かせてもらいに行った日がありました。そこで SmartHR の企業文化についていろいろと聞かせてもらって、自然な流れで SmartHR の価値観 についても会話しました。

「早いほうがカッコイイ」は、先ほどの弊社の「速」と同様のことを指していておおいに共感するところですね。他には「人が欲しいと思うものをつくろう」「自律駆動」「最善のプラン C を見つける」「ワイルドサイドを歩こう」「一語一句に手間ひまかける」が並んでいて、組織の文化醸成に大きな役割を果たしているとのことでした。

宮田さん曰く「日常的な声に出しやすさ」はかなり強く意識したとのことです。社員たちが日頃から口にしたくなるようなものじゃないとなかなか浸透しないだろう、だから言いやすさというか、語感のよさというか、そういった点に気を払ったと、そんなお話を聞かせてくれました。これは Emojibility にも通じるところがあるんじゃないかなあ、とぼくは感じました。

他の事例

社内のSlack文化に密かに感動している件について #メルカリな日々 2018/4/10 - mercan(メルカン) に掲載されているスクリーンショットを見ると、メルカリ社の Slack には「Go Bold」「Be Professional」「All for One」の Custom Emoji が存在することが伺えます。これはメルカリ社が掲げる 3 つのバリューですね。

やはり、価値観や文化を浸透させたいと思ったときに Emoji にして活用していくのは有効と言えそうです。

価値観を明文化して示す。その価値観を体現したような行動があったら Emoji Reactions で反応して「そう、それだよ!」とフィードバックを送る。それを見た他の人も「こういうことをやるといいんだな」と理解する。これを繰り返して、価値観を強化する正のフィードバックループをまわす。ということでしょう。

正方形画像にしやすさ

ちょいと Emojibility とは外れますが、似たお話として「正方形画像 (アイコン) にしやすさ」というのもありますね。これは Iconability とでも呼ぶとよいでしょうか。企業や製品の公式アカウントを Instagram や Twitter や Facebook に開設しようと思ったら、まず正方形画像を設定しなくちゃいけなくて、正方形画像にしたときにおさまりのよいロゴやアイコンがないとなかなか苦労します。横長のロゴをむりやりアイコンにすると、文字が小さくなって見えにくくなったりしますもんね。

これは コンテナ物語 を思い出させます。コンテナが国際標準化されたことで、一気に流通が加速したというお話です。

今となってはそうとも言い切れませんが、かつての Instagram も「正方形写真の流通を加速させた」と言えるかもしれません。写真を組み込むビューをつくったことがある人なら共感してもらえると思いますが、縦長の画像や横長の画像って扱いにくいんですよね。すべてが正方形である、という前提をおけるだけで、きれいな画面をつくりたい人にとってはずいぶんとありがたいことでしょう。

さいごに

自分がなんとなく口にした Emojibility という概念について書いてみました。現代においては、正方形アイコンを用意しやすい概念、製品、企業ほど有利になっているところがあると思います。

なにかしらの概念やコンセプトを組織内に浸透させたいというシーンでは「もっと Emojibility を高めた方がいいんじゃない?」といった会話が役に立つかもしれません。この記事が、みなさんの現場における Emojibility を考えるきっかけになれば幸いです。

おもしろかったら、いいジャン!してね

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