#june29jp

書籍「お金2.0」を読んだ

2018-01-02

はじめに

2017年12月22日に購入して、28日に読み終わりました。読書の遅い自分が通勤中や社員旅行の移動中の時間だけを使って1週間くらいで読めたので、読みやすい本なのだと思います。すいすい読んじゃいました。

「お金2.0」というタイトルからは、どうしても「Web 2.0」のことを思い起こされてしまいますね。ウェブ進化論を読んだときはテンションが上がったなあ。あと、これ系のタイトルの書籍だと「Me2.0」「モチベーション3.0」も過去に読んで感想を書きましたね。久しぶりに読んでみると、当時の自分もいろいろ考えていたのだな〜と気付けてすごい。読書記録など、気持ちを記録をしておくのは大事ですね。

読書メモ

お金のことに限らず、広く「社会の在り方」について語られている本だなぁというのが全体を通しての感想です。現在、お金というものがそれだけ社会と密につながっていることの表れでしょうか。

数日前に Web アプリケーション開発者のための Ethereum 入門 という記事を書いたばかりで、ぼく自身も要素技術としてのブロックチェーンやその上で動くアプリケーションの実装である各種の暗号通貨には、強い興味を持っています。それらそのものにも興味がありますし、それらが普及したあとの世界がどんな姿をしているのかぜひとも見届けたいと思っています。テクノロジが世界を大きく変えていこうとするまさにその時代を生きて目撃できること、ラッキーだな〜と思っちゃいますね。

ウェブ進化論を読んだときは、ちょっと「(自分が)背伸びしているな」という感覚が拭えなかった(それでもおもしろかったんだからすごい)のですが、お金2.0は「うんうん」「そうそう」「わかる」と思いながら読めました。…とか言いながら、著者の佐藤航陽さんはぼくより若いんだからこれでぼくが「まったくわからん」とか言っていたらヤバいよな〜と真顔になりました。

より「自然」な社会へ

第1章の『「自然」は経済の大先輩』という節の中に、以下の文が出てきます。

「自然が経済に似ている」のではなく、「経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及した」のだということです。歴史から考えても主従が真逆なのです。

この考えには共感で、人間としてのぼくたちはより自然な社会を目指す道の途中にいるのだと捉えています。なにが自然かっていうのはなかなか難しいとしても、ふつうに暮らしていて「これはなにか不自然だな…」と感じるシーンはあちらこちらにあって。そういうのが少ない状態を、より自然な社会だとして。

具体的には「ウェブメディア運営において、ページビューを増やすためだけにひとつの記事を複数ページにわける」って、やっぱり不自然だと感じるんですよ。これは KPI 設定の歪みによってもたらされる不自然さですね。さかのぼって考えると「ウェブメディアの広告による収益化」もぼくにとっては不自然に思える、ということになります。もっと自然な状態は他にあって、いつかの未来に人類はそこに到達するだろうと予想しています。他の、不自然だと感じるものの例は「満員電車」などです。

「Web 2.0」に興奮した頃にぼくは「もっと自然な社会に近づける」と思ってうれしかったのでした。「お金2.0」にて語られている「資本主義から価値主義へ」という物語についても、ぼくは同じことを感じてわくわくしています。

経済にも訪れるグローバリズムとローカリズム

ウェブの普及によって、情報のグローバル化とローカル化が同時に進行しました。ウェブ以前に支配的であった「地理的制約」から解放されたぼくたちは、インターネットによって接続されている地球中の誰とでもコミュニケーションを取れるようになった一方で、共通の話題を持った特定少数の人たちとのコミュニケーションに収束もしていったのです。

この流れが必然的に「お金」「経済」にもやってくるのだと理解しています。実際にどんなことが起こるのかを想像するに際して、本書の第2章の「トークン化する社会」にあった分類

  1. 通貨型トークン
  2. 配当型トークン
  3. 会員権型トークン

という3種類はとてもわかりやすいと思います。ぼくも「スマートコントラクトでアプリケーションをつくるとして、どんなものをつくったら楽しいかなあ」と妄想しながら過ごしていて、いくつかアイディアは浮かぶもののあまり整理できていなかったので、この分類には助けられました。

今後、ありとあらゆるトークンが交換可能な形で存在しながら、それぞれの領域に特化した通貨のようなものが増えてくるのではないでしょうか。実店舗でお買い物するときにレジの前で「ええと、たしかポイントカードがあったはず…」などと言って時間を浪費する現状は不自然なので、もっと自然なものに置き換えが進んでいくことでしょう。

おわりに

2017年の日本では Bitcoin などの派手な対象を中心に FinTech 関連の話題が多く聞こえてきました。それらの話題にキャッチアップしたい人にはばっちりおすすめできる1冊です。基本トピック・重要トピックが一通り網羅されているので導入にはちょうどいいと思います。

今まさに進行している変化を加速させる側に立ちたい人にとっても、どんな立ち位置があり得るのかを教えてもらえる内容がもりだくさんです。よく整理されていて、幅広い層に「これを読むといいよ」と手渡せる書籍でした。読めてよかったです。

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